100枚以上のヘッドライト写真を持ち歩く男。 | HEN-AI C-HR 02 | ヘッドライト設計チーム代表 岩村 勇介 「やりたいと思ってたことは、やりきりました」

ヘッドライト設計

クルマの前方を照らす、対向車の視界を遮らない。機能要件はもちろん、デザイン的な要求も大きい、ヘッドライト。クルマの目、とも言われ車両の表情を決める大切なパーツである。

パーツ数、従来の10倍。

通常、クルマのヘッドライトのインナーパーツは2〜3個のパーツから構成される。

一方、C-HRのヘッドライトのパーツ数は26個。通常の10倍以上。1つのパーツを作る金型はだいたい数千万円と言われているため、このヘッドライトだけで数億円がつぎ込まれている計算になる。

「とにかく、欧州車に負けたくなかった。最後、完成して、欧州車のランプと並べた時に勝ってるものにしましょうね、そうチームで約束して、作り始めました」

もちろん、単にパーツ数を増やしたわけではない。それぞれのパーツも異色だ。

まずは、TOYOTAブランド初となったシーケンシャルライト。それぞれのライトが順繰りに光り指向性を感じさせる。これまで日本の法律上は不可能な表現だったが、法改正で実装が可能になったため、仕様決定1ヶ月前から大急ぎでデザインしたとのことだ。

そして、ロー&ハイビーム。

「どこか睨みつけるような、挑戦的な面構えにしたかったんです」

そのために、多くの部品を小型化、薄型化しロー&ハイビームのレンズを20cmほど奥に配置。精悍なライトに仕上がっている。

さらに、装飾のライトが2種類。試行錯誤を重ね、「横から見ると光のドットが浮いて見える」装飾と、「前から見ると光のラインを引いたように見える」装飾。それぞれ、役割が異なり、横だけ、前だけ光らせるという芸の細かさを見せている。

これらはすべて、1つ1つバラバラに試作を繰り返し、課題をクリアしながら進めてきたもの。すべての表現に妥協しなかった結果が、26パーツという驚きのパーツ数に込められているのだ。

ヘッドライトパーツの一部。これでも、4分の1程度だという。いかに精巧な作りのヘッドライトかがわかる。

日本初の表現!?ドットが踊る、ヘッドライト。

「光る線が浮いている、という表現はよく見かけます。アクリル板に線の傷をつけて、LEDを仕込めばすぐですから。しかし、光る面が浮いている、さらには光る点が浮いているという表現は、なかなかないはずです」

今回岩村が最も苦労したと語るのは、中層ライトの「光のドットが浮かんでいる」ような表現だという。

光の通ったアクリル板を傷つけると、そこから光が散乱して、特定部位が光っているように見えるという原理だ。

単純なようだがしかし、狙った場所を光らせるには、常に工夫が必要になる。

「前から見たとき、点が浮いているように見えるのはすぐできました。しかし、横から見たときも点が浮いているように見せるのは、かなり難しかった」

結局、アクリル板にスパイクを打つことで解決したが、これだけではない。

「重厚なラインにするために、日本で可能な最も厚いポリカーボネイト板を使用しました」

流し込み、均一な冷却の問題から、ポリカーボネイト板の体積には限界がある。今回、そのポリカーボネイト板の体積が技術向上に伴い増加。いち早くそのことを知った岩村は今回の表現に踏み切ったという。

「欧州では格好良いヘッドライトが次々に生まれているんです。新しい技術はどんどん取り入れないと、彼らに勝つことはできない」

徹底して欧州車に負けないデザインを追求したライト。その中に浮かぶ光のドットを、ぜひ見つめてみてほしい。

ヘッドライトをアップでみると、上からシーケンシャルライト、光のドット、光のラインが層を成していることがわかる。

ヘッドライト中層に並ぶ、光のドット。実物を見ると、工業製品ではなく、アーティスティックなイルミネーション作品のようだ。

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