都市部で災害や停
電…!? 給電車でどの
ような避難生活がで
きるのかを実演

#電気が動くとできることレポート

「TOKYOもしもFES渋谷
2023」篇

2023.9.2,3実施

渋谷でもしも首都直下型地震が起きたら…!? そんな“もしも”を想定し、渋谷区民のほか在勤者、来訪者を対象に行われた防災・減災の啓発イベント「TOKYOもしもFES渋谷2023」が、9月2日、3日に開催され、今回初登場となるエネルギーエリアにトヨタが出展しました。大都市で災害が発生し停電したとき、“動く電源”として活躍が期待されるプリウス・アクア・シエンタなどの給電車を活用して災害時に何ができるかを実際に体験いただきました。その模様をレポートします。

「冷風テント」では扇風機やクーラーを稼働し“涼しい避難”を実現

会場には2万人を超える多くの来場者が訪れる中、トヨタは、給電車があればどのような避難生活を送ることができるかについて、4つのテーマで体験できるテントを用意。災害時には電気を始め、ライフラインが長期にわたって使用できなくなる事態が想定されています。生活に欠かせないエアコンや冷蔵庫などの電気製品や、災害情報を得るためにスマートフォンなどの機器は、災害時に命や健康を守るための重要な手段となります。

トヨタが提案するのは、災害時のさまざまなシーンで役立つ給電です。たとえば、夏場に災害が起きた場合、熱中症などの暑さ対策が重要ですが、4つのテーマのうちの一つ「冷風テント」では、扇風機やハンディファン、スポットクーラーの電気を給電車1台でまかない、暑さをしのげる涼しい空間をご紹介しました。

イベント当日は35度を超える猛暑の中、テント内には暑さから逃れて涼をとる人の姿も。お話を聞くと「クルマからの電気だけでこれだけ涼しいのはすごい。もし夏に災害で電気が止まったとしても、安心して避難生活が送れますね」と給電車による暑さ対策のメリットを実感されているご様子でした。

1台の給電車で複数の電気製品を合計1500Wまで同時に使用できます。例えば、一般的な扇風機であれば、約50台を同時に稼働させることが可能です。

「冷蔵庫テント」では2台の冷蔵庫で庫内温度を比較

災害時に電気がないとできないことの一つとして、“冷やして保存する”ことが挙げられます。「冷蔵庫テント」では、2台の冷蔵庫を使って、電気がある場合とない場合で庫内の温度がどのように変わるかを体験いただきました。

避難生活では、水や氷、食品の長期保存、医薬品の備蓄などに冷蔵庫は欠かせませんが、暑い時期に停電すると庫内温度が上がり、食品や医薬品の保存ができなくなります。
シエンタから給電している冷蔵庫は、庫内の食品や飲み物をしっかり冷やすことができていましたが、通電していない冷蔵庫は周囲の暑さの影響で庫内温度が高く、飲み物も温まってしまい、とても食品の保存ができそうもありません。停電時に冷蔵庫を使うことができれば、肉や野菜などの食材や医薬品の保存ができ、避難時でも栄養バランスのとれた食事の摂取や、薬の服用が継続できます。

冷蔵庫テントでは、シエンタからの給電を実施。もしもの事態が起こったとしても、車内のコンセントから直接給電できるのは安心です。

避難時に情報機器を使えることの重要性

衣食住に使う電気製品以外にも、情報収集やコミュニケーションを支えるテレビやスマートフォン、さらにゲームなどの機器が使えることも重要です。「つながるテント」では、それらの電気製品を給電車で稼働させました。

スマートフォンやテレビが使えなくなると、気象情報や自治体からのお知らせといった重要な情報が入手しづらく、また、家族や友人と連絡が取れないといったリスクがあるため、情報機器に必要な電力を確保することは非常に重要です。この他、ゲーム機器などへの充電もできます。

給電車1台で一般家庭の約5日分の電力を供給

最後にご紹介するのは「在宅避難エリア」です。このテントでは、集団避難が難しい高齢者や幼い乳児、ペット連れの家族の“在宅避難”を給電車からの電気を用いて再現しています。災害発生時において優先すべきは「命を守る行動」ですが、自宅が無事であれば在宅避難という選択もできます。

在宅避難では、住み慣れた家で生活が送れる、家族や親戚といった気心の知れた人と生活ができる、ペットと一緒にいられるといったメリットがあります。非常時に給電車があることで、あたたかい食事をとる、テレビなどで情報を集める、きれいな服に着替えられるといった普段の暮らしを災害時にも継続でき、安心感につながります。

在宅避難エリアでは、冷蔵庫・洗濯機・テレビ・スポットクーラー・扇風機・空気清浄機など、さまざまな電気製品を実際に稼働している様子を展示。これだけの機器が使えれば、避難生活の不便さを軽減できます。ご来場いただいた方からは給電車1台で一般家庭の約5日分の電力を供給できると聞きました。これだけ電気製品を動かすことができて、しかも5日分も持つのは驚きました」という声をいただきました。

また、給電車1台でどれだけの電気製品を動かすことができるかを予想して実際に動かしてみる「電力ぴったりチャレンジワークショップ」にも多くの方にご参加いただきました。下の写真は、電気の使用量を1500Wぴったりにしようとチャレンジしている来場者の様子です。

結果は、トースターやミキサー、照明やヘアドライヤー(クールモード)を繋ぎましたが、1500Wまでは到達せず。「1500Wは想像以上に多くの電気製品を使用できることを、この機会に実感できたのは、とても良い学びでした」と話していました。

この他にも、給電車から延長コードを引っ張って扇風機を回す「給電デモ体験」なども実施しました。子供から大人まで幅広い層にわかりやすく、避難生活時における電力の大切さや給電車の魅力を発信しました。

普段は、電気が当たり前に使える快適な暮らしを送っていても、実際に電気のない暮らしや避難生活を体験することで、災害後の生活をイメージすることができます。ちなみに今回給電に使用した車両だけでなく、トヨタでは、ハイブリッド車(HEV)、電気自動車(BEV)、プラグインハイブリッド車(PHEV)、燃料電池自動車(FCEV)など、多彩な給電車がラインナップされており、多くのモデルで1500Wのコンセントを装備しています。

トヨタでは、給電車による給電により平時でも災害時でも電源として活用できることを、より多くの方に知っていただくため、今後も取り組みに力を入れていきます。

トヨタの給電については、こちらで詳しく解説しているのでぜひご覧ください。