DISCOVER CROWN SPIRIT PROJECT神奈川トヨタ

PROJECT

1955年製・現役初代クラウン。意思をつなぐレストア

神奈川トヨタがレストアする初代クラウンは、クラウンがこの世に産声をあげた1955年製の初期型。しかも60年の長き時をひとりのオーナー様が発売当時から大切に乗り続けている現役のクラウン。そのナンバーは、当時のままで「5 む0100」。このクルマとの出会いは数年前、お客様が来店され車検整備ができないかと相談されたのがお付き合いの始まり。その後、展示の目的でお借りするなど信頼関係も築けた最中、オーナー様が体調を崩され、最後に「トヨタ博物館 クラシックカー・フェスティバル in 神宮外苑」に参加したいと相談を受け、神奈川トヨタがサポートするかたちでパレードに参加。コーションラベルも当時のままで、それが話題となり特別賞を頂くなど大変喜んで頂けたが、残念ながら昨年お亡くなりになった。亡くなる1週間前「転売しないことを条件に譲る」と言われ契約を結んだばかりだった。そんなオーナー様の想いを受け継ぎ、神奈川トヨタとして現役を守り続けることを誓い、今レストアに挑んでいる。

オリジナルを前面に出すレストアに苦労

実際にレストアを始めると、様々な部分が歴史を物語る様に、あちこちに傷みが見られる。この先々現役を貫くためには、今の内に手を入れ修復しておかなければいけない状況。神奈川トヨタとしては出来る限りオリジナルを残す方向で修復することを決め、レストアをスタートさせた。だが現実は、60年前の部品は世の中に殆どなく、塗料に限っては存在すらしない。「多少のアレンジは止む無し」と今は、現代の材料を使いながら復元を進めている。さらに難題なのが、サンバイザーなどビニール系の部品。経年劣化もあり、お客様に見てもらえる初代クラウンに仕上げるには、そのままでは見栄えが悪い。張り替えるのは容易いがオリジナルとしての価値は無くなってしまう。そう言った葛藤の日々が今尚続いている。

初代クラウンにまつわるエピソード

マフラーに穴が開いてかなり音がうるさく気になっていたオーナー様が、あるパーティでメーカー関係者の方にお会いする機会があり、「初代クラウンの初期型に乗っているがマフラーに穴が開いてしまって、パーツはないですか?」と話されたそうだ。その1ケ月後、初代クラウンのマフラーが届けられたという。恐らくオーナー様の初代クラウンへの愛情や想いが伝わり届けられたと思われる思い出深いマフラーは、まだまだ現役で使える状態にある。今は、補修し綺麗にされて元の位置に戻される日を、工場の片隅で静かに待っている。神奈川トヨタのレストアでは、このような様々な人の想いや夢を乗せて初代クラウンを蘇らせたいと思っている。

クラウンがクラウンの魅力を伝える

お客様の反応はやっぱり凄い。神奈川トヨタ75周年にトレッサ横浜の当社の店舗に初代クラウンを展示しクラウンのお客様をはじめ多くのお客様に最新のHVに乗っていただくイベントを実施したところ、年配のお客様をはじめ、いろんな人が見に来られクルマ談議が始まる。この光景は、どの店舗に初代クラウンを展示しても同じだという。こういった過去の反響もあり、レストアが終わる前から展示の予約が入り日々催促されているそうだが、逆にクラウンにはそれだけ人を引き付ける魅力があるのだと改めて気付かされた。

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