不可能を楽しさに変えて設計する男。 | HEN-AI C-HR 06 | リヤスポイラー設計チーム代表 山内 秀之 「リヤスポイラーのために、すべてのチームを巻き込みました」

リヤスポイラー設計

C-HRを見た時に誰しも一度は目を留めるパーツ、リヤスポイラー。空力上大きな役割を果たし、なおかつ大胆で目を引く意匠が人気の、花形のパーツだ。通常、乗用車のリヤスポイラーはあまり大きくなく、シンプルな形状をしていることが多い。

デザイン、性能、製造…
すべてのチームを巻き込んで完成したリヤスポイラー

「C-HRのデザインを成立させる為には、リヤスポイラーに穴形状が必要不可欠でした」

山内はリヤスポイラーを触りながらこう話しだした。

「そもそも空力的にこの穴と同様の効果をもたらす形状が必要だったのですが、シルエット的にもこの意匠でやりきりたいと思っていました。リヤガラスに映るのが、格好良いんですよ。そのために、他の関係者を含めて何度も議論を行いました。どこに穴を開けたらクルマの空力性能があるかということを関係者全員で話しながら1番インパクトがあるこの形を採用しました」

C-HRの開発コンセプトはdistinctive。このコンセプトを達成するために多くの部署を巻き込んだ。この形は、こだわりがなければ実現不可能な形であったと山内は言う。

リヤスポイラーの角度とリヤガラスに映り込むリヤスポイラーについて語る山内。

「従来でも、ウィングタイプのようなものはあります。でも厚みが必要になってしまうので、薄く穴の開いたデザインにするにはどうしても工夫が必要だったんです。
その結果、部品を貼り合わせるような構成になりました」

部品を組み合わる工程では、建付け品質や作業性が重要になる。さらにランプが挿入されることとなり配線の経路についてランプ設計と話し合うなど、様々な人を巻き込んでC-HRのリヤスポイラーは完成を目指した。

「意匠を見た時点では難しいだろうなぁと思いました。ただ、格好良さを一番大事にしようと思った時に、なんとか当初のデザイン案を通したところが見たかったです」
と山内は誇らしげに話す。

性能とデザインのギリギリを実現。考えぬかれた設計。

今回のリヤスポイラーはC-HRのデザインの重要なポイントである。設計の山内はデザインと性能のギリギリのバランスを追求し続けた。

「今回はデザインさんと意匠を決めることに1番時間を使いました。デザインを考えるにあたってリヤスポイラー内側の構造を考えなくてはなりません。
設計上、大きく二つの部品に分かれているリヤスポイラーですが、その分かれ目の線が真っ直ぐか、斜めに通すのが良いのかというところも何度も議論しました。デザインも性能もギリギリのラインを考えて出来上がったパーツです」

リヤスポイラーのデザインはその形、角度、ガラスに映り込む裏側にまでこだわりがある。

「C-HRではリヤスポイラーの試作品を2回作らせていただきました。
実物を使ってリヤスポイラーの性能を計測したり、心配点を洗い出したりして、問題点を徹底的に潰していきました。これを繰り返して完成に近づけていくのに大変苦労しました」

リヤスポイラーを分解した図。中の配線についても山内はこだわりを持って設計をしていると語る。

デザインと性能を実現するだけではない。山内はリヤスポイラーの中にある部品の配置についても考えを巡らせていた。

「ランプが内蔵されている為、後から交換できるような構造である必要があります。
ランプ設計とともにランプが取り外し可能なカバー構造を設計しました」

先端についたランプ。重さのバランスとデザイン、走りを思って設計された。

そんな山内は設計の仕事について笑いながら語った。

「基本的に、どうしたら必要な要件を満足できるかって所を考えるのがやっぱり楽しかったです。当然大変な所でもあるんですけれど、そこが設計の肝だと思っているので。この意匠を成立させるために締結点をどこに持ってくるのか、部品の構成をどうするかとか、このカバーとの合わせはどうするかとか、1つ1つ何度も断面を描きました。部品の構成をどう合わせるかっていう所に関しては苦労したものの、一番設計が楽しかった所ではと思っています」

格好良さを追求したデザインの裏にある、走りへのこだわり

デザイン、性能、リヤスポイラー内部の設計を考えた山内。心配点の洗い出しを行っていく上で、穴の空いたスポイラーならではの問題点にも、気が付いた。

「C-HRのリヤスポイラーは穴があって大型な為、強度も重要と考えました。内部の部品で強度に耐えるような構造にする為、苦労しながら設計しました。また、雪国ではスポイラーの間から落ちた雪が何かクルマの性能に問題を与えないか、ということについても考えました。ワイパーの位置を確認して、ウォッシャーが正しく機能できるかどうか。雪国に持っていて放置しても通常の使用ができるかどうかについても確認しました」

リヤスポイラーは不可能を可能にしただけではなく、その先の走りも綿密に考えられている。

通常からすると不利な条件下でも、クルマが通常に機能するかどうかについて、山内はクリヤしようとする姿勢を持ち続けた。不可能を可能にし、設計という立場ですべてのチームを巻き込んで完成したリヤスポイラー。ぜひ見るだけではなく触りながらその熱意を体感して欲しい。

その他の偏愛

  • HEN-AI C-HR 03 デザインから空気の流れを見る男。 空力性能開発チーム代表 楢崎 昭尋
  • HEN-AI C-HR 02 100枚以上のヘッドライト写真を持ち歩く男。 ヘッドライト設計チーム代表 岩村 勇介
  • HEN-AI C-HR 01 ボディで走りの質を作り込む男。 ボディ剛性評価チーム代表 天野 克彦

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