美しい隙をクルマに刻む男。 | HEN-AI C-HR 09 | ボディ外装設計チーム代表 佐藤 秀敬 「特に晴天の日。陽光で浮かぶボディの陰影が最高なんです」

ボディ外装設計

ボンネットやフロントガラス、前輪のフェンダーアーチに至るまで、フロントサイドのボディは、空力、騒音、衝突、そしてクルマの表情を決める非常に重要な部位だ。つまり、C-HRの精悍な顔には、様々な工夫が潜んでいるのである。

デザインと衝突安全を両立するための、5回リテイク。

C-HRのエクステリアデザインのコンセプトは「ダイヤモンドシェイプ」。ボディサイドのプレスラインを始め、様々な箇所に見ることができる。

C-HRではホイールアーチやボンネットフード、ヘッドライトをキレイに収めるにはどうしたら良いのか? ということにも工夫を凝らしている。

フロント周りでの重要な課題は衝突安全性能、特に歩行者保護性能と、格好良いデザインの両立だった。ホイールアーチで言えば、せり出した方が格好良くなるが、やりすぎると歩行者保護と矛盾する。

「そこをどうすれば解消できるのか、デザイナーサイドと連日ディスカッションを重ねました」

C-HRは、極めて異例なことに、設計開始当初のデザイン案がそのまま量産車に活かされているという大きな特徴がある。

「それがこのクルマの最大の魅力であると言っても過言ではありません。しかしその一方で衝突安全性能もまた絶対にないがしろにはできません」

結果としてオリジナルデザインを活かしながら、歩行者保護性能の観点からデザインを少し手直してもらった箇所もいくつかあるという。

「最終的なラインと形状が決定するまでにはほぼ2カ月、5回ほどデザインの手直しをお願いしました。譲れない部分だったので」

大きくせり出したホイールアーチ。デザインと歩行者保護を見事に両立した自信作。

4.9mmの隙間に込められた、格好良さへの挑戦。

近年、トヨタ車のヘッドライトのデザイントレンドはシャープなツリ目。そこにいかにしてボンネットフードを上手く組み合わせるか? ということが設計上の重要項目だった。

「今回のC-HRではヘッドライトの後端がボンネットフードの下側に回り込む独特なラインを形成しています。これは今までのトヨタ車には無かった処理でもあります」

ここでのポイントはボンネットフードとフェンダー側との隙間。ここがキッチリ決まっていないと格好良くならないのだとか。

「具体的には4.9mmというレクサスの上級モデルと変わらないクオリティを担保しました。格好良さを追求する以上、自社内のどんなクルマにも負けてはいけないという覚悟でした」

その他、フロントドアの前端とフェンダーとの見切り部分も厳しいせめぎ合いがあったという。開閉部分を見るとわかるように、大きく凹んだ部分に見切りラインがある。つまりドアを開けると部品同士がどんどん近付いていってしまうのだ。

「ヒンジの位置や構造も含めて設計が最も苦労したところです。初期段階では開発陣から『これ、本当に開くの?』という意見さえ出たレベルの隙間でありながら、実用性には一切影響が無いというところを見ていただきたいです」

非常に引き締まった、ボンネットの見切り。4.9mmという高級車並みの見切り幅を実現した。

単に蝶番をはめただけでは開かない構造。このドアも、この隙間でありながら開くようになっている。

黒のレインガーターで引き締めた、
C-HRの精悍なフェイスライン。

フロント周りでは、「レインガーター」にも苦労があるという。これはフロントガラスの両端に設けられた溝で、雨天時に雨水を後方へ流すというのが役目。純然たる機能部品であると同時に、デザインもないがしろにできない重要な部分だ。

「レインガーターは雨水と同時に空気の通り道でもあることから、騒音との関連性もあります。これらの機能を満足させながら、C-HRの表情を引き締める一種のフェイスラインのような役割を果たしています。どことなく精悍な小顔に見えませんか?」

さらに似た工夫がもう1か所。C-HRのボディ下部には、樹脂のモールが前から後ろまで全周に渡って設けられている。足回りにラインを引くことで高い車高を印象付けている。

「いろいろお話させていただきましたが、C-HRは今までのトヨタ車に無かったディテールに溢れた格好良い1台に仕上がったと自負しております」

フロント周りのタイトでコンパクトなデザインと、そこにまつわる技術の数々に注目してほしいと自信をのぞかせながら語った。

「ただ、個人的にはキュートでタイトな後ろ姿もお気に入りですけど」

お茶目に付け加えた佐藤には、C-HRへの偏愛が確かに感じられた。

雨、風、デザインを考慮した自信作のレインガーター。

その他の偏愛

  • HEN-AI C-HR 03 デザインから空気の流れを見る男。 空力性能開発チーム代表 楢崎 昭尋
  • HEN-AI C-HR 02 100枚以上のヘッドライト写真を持ち歩く男。 ヘッドライト設計チーム代表 岩村 勇介
  • HEN-AI C-HR 01 ボディで走りの質を作り込む男。 ボディ剛性評価チーム代表 天野 克彦

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