内装で感性の橋渡しをした男。 | HEN-AI C-HR 14 | 内装インパネ設計感性品質チーム代表 渡辺 真文 「日本人と欧州人では、色一つとっても感じ方が違うんです」

内装インパネ設計感性品質

「我が意の走り」と「格好良さ」。どちらも極限まで追求したC-HRにとって、内装は走りにもデザインにも大きく影響する、軽視するわけにいかない部位だ。欧州人も日本人も納得させるために、内装にもまた、偏愛が注がれている。

日本人は、クッション性に敏感。
日欧の違いまで考慮したインテリア。

ひと口に質感の高いインテリアと言っても、ヨーロッパ各国の人と日本人との間では、考え方と感じ方は異なってくる。たとえば、触感。

「日本人は、まず触って次に押してみて、ソフトな弾力性やストローク感、押し込める余地のある触感を好む傾向にあります。柔らかさに安心感を抱くのかもしれません。対してヨーロッパの多くの人々は、指先で軽く触れたときの触感、さらにはそれがいかに統一されているかを重視する傾向が高い気がします」

ヨーロッパのユーザーは触った瞬間に、指先で革(もしくはそれに近いモノ)の存在を感じるものを、より好むという。

C-HRのインストルメントパネル周りでは、基本的にはヨーロッパでより高く評価される触感を重視しつつ、部分的には日本人に受けが良いソフトな素材を採用した。プラスチック素材に皮革もしくはそれに近い合成素材を美しく被せて成型するというのは、簡単なようで、決してそうではない。

「平面はまだしも、コーナーがきつい部分などはどうしても、しわが寄ってしまいがちです。今回はそういった部分も違和感が生じないように、検討を重ねて対処しました」

指先の触感を重視した表皮を貼り込んだパーツ。確かに、心地良い。

ヨーロッパ13カ国行脚。
緻密に設計された、欧州も納得の調色。

トヨタには「トヨタモーターヨーロッパ」というヨーロッパを統括するブランチがある。トヨタモーターヨーロッパには開発評価部門もあり、C-HRの内装の感性品質の作り込みは、ここの担当者を交え綿密なディスカッションを重ねてきた。さらに、開発の過程でヨーロッパ13カ国を訪問。それぞれの国で現地の方々との交流や調査を通じ、どの素材をどう加工し、色はどんな具合が良いのか? を日本人、欧州人双方の感性から緻密に詰めていったのだ。その過程で興味深いできごとがあったという。

「内装の照明の色を検討した際、その色が先方から気に入って貰えないということがありました。こちらとしては、おおむね良いんじゃないというレベルには達していたはずなのですが、OKが出ない。サンプルをいくつか用意してその中から選択して貰ったところ、われわれが想定したものと微妙に異なるものを選択されたこともありました。どうやら、日本人の”青”と、欧州人の”青”が違うと気づきました」

感じる色は、ひとりひとり違う。そんな中で、満足してもらうには。そうした紆余曲折を経て、C-HRのインテリアの照明色は決定した。

欧州人も納得の内装光源。特に青の調整に苦労したという。

違う素材を、同じに見せる。違和感を感じさせない職人技。

クルマのインテリアパーツは、使用用途によって素材の選択や製造方法が異なる。製造現場の都合や要求される性能の違いなど理由は様々だが、それを感づかせては違和感の元になる。結果として、異なる素材や作り方であっても、完成品の質感はできるだけ同じにしなければいけないという大前提が生まれる。たとえばプラスチックのベースに皮革素材を張ったもの、素材に塗装したもの、素材に製造段階で表面加工したもの全てを、同じ質感に感じさせる。それが難しいのであれば、違和感を覚えないレベルでの組み合わせに仕上げる。

「C-HRの内装テーマの1つとしてConsistency(一貫性、統一感)という使命がありましたので、見る人がどう感じるかという感性チューニングに近い世界を、今回はかなりこだわって仕上げました」

今回で言えば、大きな素材を使ったドアトリムの製造において、合成皮革を貼り付けながら成型して作る際に、望まない艶が出てしまったことがあったという。他の部分には出ていない艶だ。ひいては他の部分との質感に差が生じてしまう。

「それではヨーロッパ市場での一般的な嗜好に合わないということで、いかにして艶が出ないようにするかという試行錯誤の段階で、大分苦労しました」

材質見本と、樹脂パーツに接着した様子。膨大な量の中から、加工法も加味してもっとも統一感の出る組み合わせを選ぶ。

その他の偏愛

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  • HEN-AI C-HR 02 100枚以上のヘッドライト写真を持ち歩く男。 ヘッドライト設計チーム代表 岩村 勇介
  • HEN-AI C-HR 01 ボディで走りの質を作り込む男。 ボディ剛性評価チーム代表 天野 克彦

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