自らのデスクにハンドルを常備した男。 | HEN-AI C-HR 17 | ステアリングホイール設計チーム代表 糟谷 晃由 「普通ならある部位も、必要なら外す。でも、ドライバーに負担はかけません」

ステアリングホイール設計

ステアリングホイールは、クルマとドライバーを繋げる重要な接点である。ステアリングホイールの質感が、運転感覚を大きく左右することは言うまでもない。もちろん、「走り」にこだわるC-HRでも、ステアリングホイールは最も重要なパーツの1つである。

ステアリングのセオリーを変える。
でも、ユーザーにストレスはかけない。

「C-HRのステアリングは従来製品では必ず存在したリム上部左右の指置きであるフィンガーレスト(サムレスト)を廃止しました。これはステアリングを操作する上でリムの内側に余計な出っ張りは無い方がスムーズであるというこだわりが理由になっています」

しかしそのままではドライバーがステアリングを握った状態で手をリラックスさせ落ち着かせる場所が無くなってしまう。そこで、C-HRではリムと横スポークの接続部分の形状を特別に工夫したという。

ステアリングを両手で自然に握った時に親指とその内側の手のひらの一部が接触する部分。ここをどのような形状に仕上げるか? どういう形がしっくりくるのか? そこには触感が気持ち良いのはどういうことなのかというある意味、官能的な評価も入った。もちろん、開発責任者の古場とじっくりと話を詰めて決定した部分である。完全に触感のみを頼りにモックアップの段階からクレイモデルを少しずつ削っては修正を繰り返すことで現在の形状を導き出した。徹底的にこだわるため、糟谷は自らのデスクにステアリングホイールのモックを持ち込み、始終触っていたという。

「フィンガーレストをただ廃止したということではなく、それに代わる部分もしっかりと設けているというところが一番のこだわりです」

糟谷がデスクに持ち込んだモック。サムレスト(リムの内側の凹凸)がないステアリングホイールで、滑らかな円を描いているのがわかる。

スポークに設けられた、滑らかな凹みは親指をすっぽりと包む。自然で安定した握りをもたらす。

縫い目まで美しく。革の良さを引き出す縫い方「かがり縫い」。

ステアリングホイールはリムの太さ、形状、使用している上質な革に至るまでこだわり抜いている。C-HRのドライビングに対する情熱の表れだ。

「これらのこだわりを殺さないため、革の縫い方は手触りと見た目の双方において優れた『かがり縫い』を採用しました」

一般にトヨタのステアリングの革の縫い方はベースボールステッチという矢印になるように縫って行くスタイルが採用されている。対してかがり縫いは合わせ目に並行な左右それぞれ1本のステッチの間に靴ひもを通すように縫う方法。縫い目の幅や糸の張力が触感的に心地良いことに加えて、装飾的にも優れたものに仕上げることが可能だ。スポークの部分の革の貼り方も違和感を生じないように触感を確認しつつ現在の形になっている。

ステアリングホイールに採用された、かがり縫い。編み上げが美しく、また凹凸が親指に心地良い。

ステアリングホイールの型を変えてまで。
装飾には格好良さと安全が必要だ。

C-HRのステアリングには非常に繊細かつ大胆な加飾パーツが使われており、それが全体の品質感向上にも大きく貢献している。しかし別パーツが増えるということは、それだけ合わせ目や接続部分の処理が大変になることを意味する。

「C-HRの場合ですと、ステアリング設計の初期の段階から加飾パーツを使うことが決まっていたため、ステアリングのフレームである芯金に直接加飾パーツ固定用のピボットを取り付けました」

ピボットとは、ステアリングホイールに開けられた穴のこと。この穴にはめ込む形で加飾パーツは取り付けられた。本来は開ける必要のない穴を開ける。なぜこのような手間のかかる設計にしたのか。

「ステアリングというものはクルマのインテリアデザインにおいてキーとなる部分であると同時に、安全上極めて重要な機能部品であるため、どのような衝撃を受けてもパーツが脱落してはいけないのです」

結果的に加飾パーツの取り付け精度が高まり、それが最終的には誰が見てもわかりやすい格好良さに繋がったことは特筆すべきことだろう。

光沢のある部位が加飾パーツ。ステアリングホイールに美しくはまり込み、スマートなC-HRの印象を強めている。

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