全ての開発者に、偏愛という火を点けた男。 | HEN-AI C-HR 23 | 開発責任者 古場 博之 「好きなのは、高速バンクを走り抜けて行く様子。走りと格好良さが同時に味わえます」

走りの第一印象は運転席からの視界。
まず視線の高さから、偏愛は始まる。

「クルマを運転する上で最も基本となるのはドライビングポジションです」

変な姿勢ではステアリングやペダル類をしっかり操作することができない。ドライビングポジションが良くないと正確な操作が難しくなり、姿勢も崩れ、運転自体が楽しくなくなる。

C-HRのポイントの一つは、ドライビングポジションの視点を高めに設定したこと。視点が高くなれば見通しが効くので先を読んだ操作ができ、安心感、ひいては安全性の向上にもプラスとなる。

「フロアから1270mmから1285mmくらい。SUVの中には1230mmくらいのクルマもあるのですが、これだと混んだ道に入ったりすると視界が他車に遮られてしまう場合があるんです。やっぱり、混んだ道でも先を見通せるような視界の広さを目指したいと思って、この数値にしました」

視界についてはさらなるこだわりもあった。

サイドウィンドウの先端、ちょうどドアミラー取り付け部の上の部分に小さなウィンドウが設けられている。

「これはドライバーが日常的に行っている、視線移動の過程での死角を減らすという意味でしっかり考えてデザインしました」

ドライバーが視線をフロントからサイドへと移動する際、多くの場合ドアミラーの部分で一度途切れてしまう。C-HRでは小さいながらも視界が途切れることが無いよう、チェックできる小さなウィンドウを設けてある。

安定感のあるドライビングポジション。高い着座位置でアクティブな印象がありながら、座ってみると安心できるような、気持ち良い姿勢だ。

ミラーの脇にある、ウィンドウ。小さな違いに感じられるかもしれないが、運転時のストレスを考え抜いた結果だ。

形状、素材、縫い目、位置。
ステアリングも、シフトノブも。
考えられるところは全部こだわり抜いた内装。

「ステアリングの握り心地については、とことんこだわりました。まず、握って欲しいと思います」

世の中の多くのステアリングは、グリップの10時と2時の位置の内側に「サムレスト」と呼ばれる出っ張りが設けられている。「サムレスト」とはその名の通り、直進走行時に親指を軽く載せておくためのスペースだが、C-HRではステアリング操作で握り変えた時などに違和感を与えてはいけないと考え、これを無くしている。あくまで操作性を重視したのだ。グリップを覆う革の縫いは、理想のステアリングホイール断面を崩すことの無いよう、縫い糸の出っ張りが少なくなるという理由で、少々製造に手間が掛かる「かがり縫い」を導入。

「ステアリングホイールの試作品ができたときに、握り心地に違和感があり確認したところ、当初の仕様からグリップ形状がわずかに異なっていたということがありました。コンマ数ミリの話です」

些細な違いも見逃さないこだわりはステアリングホイールのポジションでも健在だった。C-HRはTNGAプラットフォームの高いシートポジションの標準となる、最適な位置を見つけることができたと自負しているという。もちろんドライバーの微妙な体型の違いに合わせるため、それぞれ上下方向と前後方向に調整できるチルト/テレスコピック機構も設けられている。

こだわったのは、ハンドルだけではない。C-HRはオートマチック車であっても昨今のダッシュパネルシフトではなく、ドライバーが正しいポジションを取り、自然に手を下した位置にシフトレバーが置いてある。

「オートマチックであればシフトレバーの位置はそれほど重要では無い、という考え方もありますが僕はそうは思いません。ロックボタンについては、やや操作しにくいのではないかというご意見も出てくるかもしれませんが、これは安全性を重視した結果であり、誤って動かすことが無いように配慮したものです」

ステアリングも、シフトノブも。隅々まで、思考が行き渡っているのだ。

スマートな印象のあるステアリングホイール。複雑な機能をスッキリ実装してある。

自然に手を下した位置にあるシフトレバー。操作性・安全性を重視した結果が隅々まで行き渡っている。

10万㎞近くのテストドライブ。
そのあとに到達したシートの結論。

ヨーロッパの多くのドライバーは一度走りだすと、それこそガソリンタンクが空になるまで走り続けることも少なくない。それだけ同じ姿勢で乗り続けることを前提に考えるとシートの固さも自ずと答えが出る。

「僕はこのクルマのプロジェクトが始まってから現在まで、10万km近くヨーロッパの色々な道を走ってきました。一度評価試験などで向こうに行くと、1回に5000km以上走るなどというのは普通なんです」

評価の基本は定点評価といって、同じコースを評価用のクルマで走るものだ。ロングドライブであろうと、定点評価が行われている。

「普通の人が普通に気持ち良く乗ることができるかどうか。ロングドライブの後、シートは柔らかすぎず、長時間乗車でもしっかりと体を支えることができるものにしようと決めました」

シートには形状、使っている表皮素材、縫い目の位置、クッション素材のウレタン全てに最良を求めた。ペダルレイアウトとの相乗効果で、加減速やコーナリング時にもドライバーの姿勢が崩れることが無いようにデザインされている。中でも一番重視したのはショルダーサポートの部分だ。

「ドライバーがステアリングを左右に回した時、一般的に上半身の肩や肩甲骨の部分はわずかに前後に動きます。そこで身体を支えるのはシートバックのショルダーの部分であり、ここがしっかりデザインされていれば、ドライバーは微妙なステアリング操作を正確に気を遣わず行うことができます!」

C-HRのシートは、長距離走行しても疲れない。そう断言するのは、言い過ぎだろうか?

シートの上部に付いた、特徴的なショルダーサポート。そのほか縫い目や張りについても、「格好良さ」と「走り」が同居している。

その他の偏愛

  • HEN-AI C-HR 01 ボディで走りの質を作り込む男。 ボディ剛性評価チーム代表 天野 克彦
  • HEN-AI C-HR 04 30μmが我慢できない男。 シフトノブ設計チーム代表 野間 友貴
  • HEN-AI C-HR 03 デザインから空気の流れを見る男。 空力性能開発チーム代表 楢崎 昭尋

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