日々の移動を
BEVに置き換えてみた
自宅に充電器がなくても
大丈夫?
2023.04.26
毎日クルマに乗るほど運転好きの遠藤さんの元に、BEV(バッテリーEV)のbZ4Xが来てから約3週間。お子さんの送迎や買い物、仕事や趣味の移動など、bZ4Xを普段と同じように使ってもらいました。初めての充電体験をはじめ、郊外へのドライブなど、毎日乗った印象は果たしてどうだったでしょうか。
外出先の充電器探しは
やっぱり大変
電動パワートレーンの違いを感じてもらう今回の企画。いつもはディーゼルエンジンの欧州製SUVを愛車とする遠藤さんが、BEVのbZ4Xに乗り始めて約3週間が過ぎました。ディーゼルエンジンとの走りの違いや充電体験など、日常使いでのインプレッションを語っていただきます。
——モニター開始から3週間あまり経ちましたが、bZ4Xをどのように使っていらっしゃいますか。
遠藤:普段からクルマ移動が多かったのですが、モニターがはじまってからは、平日も週末もできる限りクルマで移動するようにしていました。遠いところでは、都内から高速道路を使って郊外のショッピングモールにもいきました。行く途中では高速道路の海老名サービスエリアで急速充電を試してみました。また平日はクルマ移動をしながら、合間には車内でオンライン会議をするなど、オフィス代わりにも使用しました。
——普段の愛車と比べて、bZ4Xの印象はいかがでしたか。
遠藤:やはり、一番に思い浮かぶのは充電についてです。私は自宅に充電設備がないので、必然的に外出時に充電をする必要があります。毎日クルマを利用していたので充電の頻度が高かったということもありますが、外出先での充電はガソリンスタンドでの給油よりも大変でした。
自宅から徒歩10分くらいの場所に普通充電ができるコインパーキングを見つけたので、基本はそこを使っています。その駐車場は繁華街近くにあるため混んでいることが多く、止められないことも少なくありません。そもそも充電器からケーブルが届く場所が限られており、そこが埋まっていると充電できません。
一度、充電しようとしたらケーブルが届かないスペースしか空いていなかったことがありました。そのときはたまたまケーブルが届く場所に駐車していた車両の方がいらしたので、お願いして駐車スペースを交換してもらいました。
——ほかに外出先での充電は体験されましたか。
遠藤:買い物に出かけたときに、近くにあったレクサスの販売店で急速充電を試してみました。急速充電は通常30分単位ですが、今回は特別にお店の方が見ていてくれるとのことで、2時間半ほど充電しました。でも急速充電は、満充電に近くなるほど速度が落ちるので、満充電まではいきませんでした。
基本的に外出先に充電器があるかどうかを調べるなど、どうしても行動が制限されてしまう点は不便に感じました。そもそも私がクルマに乗る理由は「時間を有効に活用するため」なので、充電のために余計な距離を移動したり、待ったりするのでは本末転倒です。
例えば、郊外のショッピングモールに行ったときも、それを実感するできごとがありました。その施設の駐車場で充電する予定だったのですが、到着してみたら「充電中はクルマから離れてはいけない」というルールだったのです。買い物の時間が30分も減ってしまうのは困るので、充電を諦めることにしました。そうしたら、帰りは電池残量が思ったより少なくなってしまったのです。追い打ちをかけるように渋滞にはまってしまい、途中のサービスエリアも長蛇の列でとても充電できそうにありません。なんとか帰宅できましたが、かなりハラハラしました。
使い勝手を考えると、自分としては充電スポットが増えるよりも、充電にかかる時間がエンジン車の給油並みにスピードアップするほうが便利になるのではないかと感じます。
走りはとにかくスムーズで
静粛性の高さも好印象
——BEVの走りや乗り心地、使い勝手についてはいかがですか。
遠藤:静かなのは快適ですね。友人を乗せて出かける機会があったのですが、走行音が全然聞こえなくて「ビックリするくらい静かだね」と驚いていました。走りも好印象です。高速道路でもハンドルが取られることがなく、とても安定しています。まるでモノレールに乗っているような接地感覚があり、80km/hでも100km/hでも同じように安心して走ることができました。
bZ4Xにはトランスミッションがないため、エンジン車で感じるようなギアチェンジしたときの振動や息継ぎ感もなく、とにかくスムーズ。特に高速道路は運転していて気持ち良かったですね。
一方で、あまりにも静かすぎて街中では人に気付かれにくいというのも実感しました。歩行者がこちらの存在に気付かず出てくる可能性があることは常に意識しておく必要があると思います。
細かい使い勝手でいうと、bZ4Xは運転席のハンドルの前にノートPCがちょうど置けるくらいのスペースがあり、これがリモート会議のときにとても便利です(笑)。
今は街乗りや近場の移動に限るのが現実的
自宅充電ができれば便利になりそう
——実際に使用してみて、BEVについての印象は変わりましたか。
遠藤:これまでBEVについてイメージがなかったので、今回の体験は「どのタイミングでBEVに切り替えるのか」や「どんなポイントを重視して選ぶのか」を考える上で、今回のモニター体験はとても参考になっています。いずれは私もBEVに切り替えるタイミングがくるかもしれませんので。
例えば「充電する」という行為自体は難しくありませんが、例えば充電しやすい場所とそうでない場所があることや、普通充電と急速充電の違いなどは実際に体験してみないと理解が難しいポイントです。
3週間ほど使った感想としては、私の生活環境・スタイルではBEVは街乗りや郊外の100km圏内で移動することを前提で使用するのが現実的かなと感じています。自宅に充電設備があり、寝ている間に充電できるのであれば充電の悩みがグッと減り、生活も豊かになると思います。
今後さらに使い込めば、スムーズに充電しながら運用するコツや便利な使い方が分かってくると思いますので、たくさん走りながら試してみたいと思います。
遠藤 眞代(えんどう まさよ)さん
1993年ソニー入社、商品企画・渉外を経験した後、一貫して広報業務に従事。2013年にフリーランスの広報パーソンとして独立。2018年にDoenを設立し、広報業務の受託や広報コンサルティング、広報研修会等を大企業からスタートアップ企業まで幅広く対応している。日本外国人特派員協会会員。日経クロストレンドで「風雲!広報の日常と非日常」を連載中。
- 使用頻度
- 毎日
- 走行距離
- 5,000km/年
- 居住地域
- 東京都
- 住居環境
- 戸建て
- 利用目的
- 通勤・子供の送迎・レジャー