高級感のある乗り
心地が好印象
自分の使い方には
FCEVが合っている
2023.05.15
ガソリン車のステーションワゴンを所有している梶原さんの元に、FCEV(燃料電池車)のMIRAIが来てから約1カ月が経ちました。買い物や趣味のサウナなど、MIRAIを普段と同じように使ってもらいつつ、初めての充填も体験。今回はFCEVの使い勝手や乗り味についてレポートしてもらいました。
水素の充填はあっけないくらい簡単
手間はガソリン車と変わらない
電動パワートレーンの違いを感じていただくことを目的とした今回の企画。普段ガソリン車を使用している梶原さんが、FCEVのMIRAIに乗り始めて約1カ月が経ちました。エンジン車との走りの違いや初めての水素充填体験など、MIRAIを日常使いした感想はどうだったでしょうか。
——モニター開始から1カ月あまり経ちました。MIRAIに乗ってみていかがですか。
梶原:日常の買い物から趣味のサウナ通いなど、200kmほど乗りました。普段ステーションワゴンに乗っているので、セダンタイプのMIRAIの使い勝手に少し不安もありましたが、今のところトランク容量は十分ですね。例えば週1回程度、ティッシュやトイレットペーパーなどのかさばる日用品やワインを買うために近所のスーパーに行きます。重くなるのでクルマで行くのですが、その程度の買い物なら余裕でした。
ただ、出張などでは大型のスーツケースに1週間分の荷物を詰めて運ぶこともあるので、それがトランクに入るのかどうかが気になります。これはいずれ試す機会があるかもしれません。荷室は今乗っているステーションワゴンより少し小さいですが、そこはセダンボディなので仕方のないところでしょう。また、MIRAIはデザインが他のクルマと違って特徴的だからなのか、まわりの人からよく見られて注目されることにも驚きました。
——水素の充填は試しましたか。
梶原:はい、1度だけですが自宅の近くにある水素ステーションで充填したのですが、意外なほど短時間であっけなく済みました。燃料は半分ちょっと減っていた状態で、所要時間は10分程度、料金も3000円くらいだったと思います。せっかくなので充填しているところを見せてもらいました。おそらく充填する機械が自動的にさまざまな調整をしていると思いますが充填作業自体はシンプルで、スタンドの人に「いま圧力をかけています」と言われても、ピンとこないくらいでした。普段乗っているガソリン車は月に2回程度給油していますが、水素にしても充填頻度や手間は変わらないのかなと思いました。
SUVタイプがあれば
FCEVも購入候補になる
——実際に使ってみてFCEVへのイメージは変化しましたか。
梶原:発電できるクルマを走らせているというのが面白い感覚です。水素の充填には時間がかからないですし、都内には水素ステーションも多いので、これから水素が注目されて水素充填のネットワークがさらに増えていくと、より可能性が広がってくるのではないでしょうか。特に私は自宅のすぐ近くに水素ステーションがあるので、電動車に乗り換えることを考えた場合、自分の使い方にはFCEVが合っていると思います。
——FCEVの乗り味はいかがでしたか。
梶原:モーターによる発進は力強いですが、あくまで過剰ではなく自然な感覚です。加速したいときにスッと行けるレスポンスの良さが、ガソリン車にない面白さだと思いました。このモーターのフィーリングは好きですね。
乗り心地は、今乗っている欧州製ステーションワゴンと比べると、ひとクラス上の高級感があり、サスペンションがいいのか路面の凹凸も拾いません。この乗り味は、今まで乗ってきた日本車にはなかった感覚で、返却したくないと思うほど気に入っていますよ。
FCEVに関していえば、ボディタイプがセダンしかなく、少し大きいのが惜しいところです。レクサスNXくらいのサイズ感のSUVがあれば、ぜひともFCEVも購入候補のひとつにしたいですね。
高速道路も少し走りました。ACC(アダプティブ・クルーズ・コントロール)も試しましたが、レンタカーで乗ったトヨタのコンパクトカーよりも自然に感じました。前回も触れましたが、ハンドリングも滑らかで好印象です。はじめはボディが大きいのがちょっと気になっていたのですが、360度カメラがありますし、見づらい左前の部分もカメラを切り替えて確認できるので、すっかり慣れて不自由なく使えています。
——今後どのように使うご予定ですか。
梶原:今回は遠出する機会があまりなかったので、長距離を試してみたいですね。できれば機会をつくって沼津か静岡あたりまで行ってみたいと思っています。乗り心地の良さは分かっていますが、ACCなどの運転支援システムも使って長時間高速道路を走ったときにどう感じるのか、試してみたいです。
梶原 由景(かじわら よしかげ)さん
元ビームス・クリエイティブディレクター。異業種コラボの元祖的存在としてナイキ、モトローラ、ディズニー、レゴなど様々な企業、ブランドと画期的なプロジェクトに取り組みセレクトショップの再定義を実施。現在はハイエンドマーケットにおけるブランディング、コンサルテーションを多く⼿掛け、その領域はデザイン・ファッション・デジタルと広範囲にわたる。吉⽥カバン”PORTER”ブランドとの協業による⾃社製品の企画・ディストリビュートなども⾏っている。2010年には初の著作であるレストランガイド「TRANSIT TOKYOごはん」、私的定番紹介本「The Essencial Things 100」を上梓するなど執筆活動も積極的。2015年11⽉には藤原ヒロシ⽒とコンテンツサイト「Ring of Colour」を⽴ち上げた。
- 使用頻度
- 3〜5回/週
- 走行距離
- 10,000km/年
- 居住地域
- 東京都
- 住居環境
- マンション
- 利用目的
- 通勤・子供の送迎・レジャー