圧倒的な燃費
長距離移動もする
田舎暮らしなら
ハイブリッド車を薦めたい
2023.07.28
最寄りのコンビニまで38kmという和歌山県の山中で田舎生活を送る利根川幸秀さん。普段はガソリン車に乗る利根川さんが、HEV(ハイブリッド車)のシエンタを長期モニターしました。「クルマがないと何もできない」という環境で、ハイブリッドは利根川さんの生活をどう変えたのでしょうか。
xEV長期モニタープロジェクトの最終回となる今回は、レーシングドライバーでクルマの楽しさを広く伝えるTOYOTA GAZOO Racingアンバサダーとしても活躍する脇阪寿一さんが、インタビューしました。
シエンタに乗ってみてはじめて
給油がストレスだったと気付いた
ガソリン車からハイブリッドへスイッチした利根川さん。どちらも「ガソリンを給油する」という使い方は同じですが、電動車に乗ってみて生活にはどんな変化があったのでしょうか。脇阪さんが深掘りします。
脇阪 : 東京から和歌山へ移住されたと聞きました。ぼくも奈良から東京に出てきて30年ぐらいで、森や木のあるところがうらやましいです。現実の田舎の環境では各家庭に1台どころか、1人1台でクルマは必需品という環境を想像しますが、利根川さんはいかがですか?
利根川 : おっしゃる通りうちも2台あり、クルマがない家は見たことありません。高齢のご夫婦の家でも絶対に1台、もしくは2台。3台あっても驚きません。
脇阪 : 交通インフラが整っているわけではなく、何をするにもクルマなのですね。
利根川 : バスもありますが1時間に1本とかですので、クルマなしで暮らすことは考えられません。
脇阪 : クルマの利用頻度がそれだけ高いと、ガソリンも減りますよね。普段乗られているクルマはガソリン車ですか。
利根川 : そうです。
脇阪 : 近くにガソリンスタンドはありますか。
利根川 : ガソリンスタンドは近所にもありますが日曜はやっていなかったり、18時には閉まったりするので、夜、急に山を越えて隣街まで行きたいとなったときにガソリンがないと困ってしまいます。ですから常に満タンを心がけています。
今回、シエンタのハイブリッドをお借りして給油回数が減ったことで、これまで常にガソリンの残量を意識しながら、スタンドがあれば寄って、給油して、お金を払って、という一連の流れが、いかにストレスだったのか気が付きました。
脇阪 : ではシエンタのハイブリッドに乗っていただいて、給油回数が減ったということは、経済的にも違いますか。
利根川 : 全然違います。元々、乗っていたクルマは感覚的には5、6倍の頻度で入れていたように思います。出かけるたびに毎回、入れていたような感覚でした。
シエンタならガソリンを満タンにせずとも、いちいち考える必要がありません。単にコストが安いだけでなく、「あそこまで行くのなら1回ガソリンを入れないと」という心配をせずに遠くまで行けるようになりました。
脇阪 : 燃費はアクセルの踏み方や巡航速度などで変わりますけど、いかがでしたか。
利根川 : 僕の乗り方で、リッター25から28㎞。おそらく30㎞はいかないぐらいですが、そのぐらい走ってくれました。
脇阪 : 都会のように、信号で止まったり進んだりが少ないから燃費も伸びますね。
利根川 : ブレーキを踏む回数が、都会に比べて圧倒的に少ないです。
脇阪 : EV走行モードは試されましたか?
利根川 : はい。何度か使ってみました。電気だけで走るので静かですね。ただ30km/hくらい(※正確には一定以上の速度や登坂時などのアクセル操作に応じて変化)で自動的にエンジン駆動に切り替わってしまいます。田舎だと低速で走り続けるという状況は農道くらいしかないので、使う機会は少ないかな、と思います。
脇阪 : ハイブリッドは給電もできることをご存知でしたか。車内のUSB端子とは別に、災害や停電のときなどの非常時には、エンジンをかければクルマからコンセントでAC100V・1500Wの電気をとれるんです。
利根川 : やってみたかったですね。今回は試す機会がありませんでしたが、防災訓練の一環として、地域の子どもたちを集め、シエンタからの給電でご飯を炊いてカレーライスでも食べてみたら面白そうです。
田舎ほど
ハイブリッドが合うと確信
妻も
「次は絶対にハイブリッド!」
脇阪 : クルマの操作性や乗り心地はいかがでしたか。
利根川 : 乗り心地は(自分のクルマと)まったく違いますね。僕が元々乗っていたガソリン車が古いというのもありますが、シエンタは運転がすごく楽チンでした。
一度大阪にも行きましたが、全然疲れなかったですね。アクセルを踏んでスーッと進む感じが静かだから、加速するのにストレスを感じません。思ったように速度が出てくれました。
脇阪 : 今回シエンタに乗っていただき、日々の生活で変わったことはありますか。
利根川 : 今までも家族で行動する機会は多かったのですが、シエンタにしてからはさらに家族でクルマに乗る機会が増えました。50km先の大きなスーパーまでに買い出しに行くときなど、以前は僕だけで行くことが多かったのですが、シエンタになってからは、みんなで乗って行く機会が増えましたね。
USB端子が運転席の後ろに付いていて、子どもが観ているタブレットを充電しながら移動できるので、そういう部分も関係あるのかもしれません。
脇阪 : モニター期間を終えて、元のクルマに戻りますけど、どんな心境ですか。
利根川 : 原始人が優れた道具を使って「すごいなー」と感心していたら、また元に戻っちゃって「どうしたんだ」というような(笑)。もちろん自分のクルマも愛着があるので、「お待たせ!」という感覚もありますが。
脇阪 : 都会の便利な暮らしに考えるところがあって田舎暮らしをされていると思いますが、電動車を取り入れてみて違和感はなかったですか?
利根川 : まったくありませんでした。妻とも話したのですが、「次(のクルマ)は、もう絶対ハイブリッド!」と。
脇阪 : トヨタはマルチパスウェイといって、異なる環境の色々な方々に合うさまざまなxEVの形を提供しています。ハイブリッドは田舎の方々にも喜んでいただけそうですか。
利根川 : 田舎ほどハイブリッドの方が絶対に間違いないと思いました。ここまで燃費がいいとは知らなかったですし、いざ買う時に「よく分からないからハイブリッドを選ばない」という人はまだまだ多いと思うんです。でも実燃費を示せたら、近所のおいちゃんたちも「ホンマか?」って意識が変わりそうです。
モニター期間中の燃費・電費
- 走行距離
- 3,812km
- 充電費用
- 28,061円
- モニター車の走行1kmあたりの費用
- 7.4円
利根川 幸秀(とねがわ ゆきひで)さん
1978年生まれ。1999年からインドや中東、東欧や東南アジアへ、ムエタイのリングに上がるなど現地で旅費を稼ぐスタイルでバックパッカーをした後、写真家のアシスタントに。2010年よりフリーランスのフォトグラファーとして独立し、おもにポートレートや家族写真の撮影、アウトドアなどのルポルタージュを雑誌やWebメディアに寄稿している。2021年より東京から和歌山県田辺市本宮へ家族で移住。
- 使用頻度
- 毎日
- 走行距離
- 25,000km/年
- 居住地域
- 和歌山県
- 住居環境
- 戸建て
- 利用目的
- 通勤・子供の送迎・レジャー
脇阪 寿一(わきさか じゅいち)さん
19歳でのカートデビュー後ステップアップを重ね、日本最高峰のレースであるフォーミュラニッポン、SUPER GTで輝かしい戦績を残す。2度のシリーズチャンピオンを獲得し「ミスターSUPER GT」の称号を得るなど黄金時代を築いた。2016年SUPER GTドライバーからの引退発表後は、監督としてSUPER GT 2019年シリーズチャンピオンを獲得。現在は、SUPER GT TGR Team SARD のチーム監督として、モータースポーツ界を牽引している。
レース活動以外にも、TOYOTA GAZOO Racingアンバサダー/イベントプロデューサー/日本体育大学非常勤講師として精力的に活動中。全国各地のイベントや販売店、大学教壇に於いて、『クルマの楽しさやモータースポーツの魅力を広く伝える』活動をおこなっている。