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- プロに聞いた駐車のコツとIPA
免許を取り立ての初心者のうち約半数は縦列駐車や車庫入れは苦手と答えています。今回、駐車体験をしていただくNさんもその一人。そんなNさんが駐車苦手女子の代表として苦手な駐車を克服するためにやってきました。Nさんには、ハンドルを切るタイミングや目線の位置、スピードのコントロールの仕方といった駐車の基本的なポイントを学んでもらい、その後IPAを使用した場合の駐車がどれだけ楽になるのかを体験してもらいました。
目次
1.バック駐車のコツ
後退駐車が上達するコツは、
①どこを目指してクルマを動かすかというアプローチポイントをイメージすること
②クルマをゆっくり動かす
ことです。これら2つをきちんとやるだけで、メキメキ上達します。それはなぜか? 実際に、駐車苦手女子のNさんにやってもらいながら解説しましょう。
STEP1. 近づいてアプローチをイメージ
※車両は2016年8月撮影時点のものです。
駐車スペース側にできるだけ寄せる
ここでは、駐車スペースに左側(写真奥)から進入する例を紹介します。進入時はできるだけ駐車中のクルマ側(写真右側)に寄ります。この後クルマの向きを可能な限り大きく右へ変えるので、そのためのスペースを道路右側(写真左側)に作るためです。駐車スペースが見える位置まで近づいたら、どのようにクルマをアプローチして駐車するかをイメージします。ここが重要ポイントのひとつ。自分のクルマをどの位置のどんな角度にしてバックすれば、上手く駐車スペースに入れられるかを考えます。
STEP2.ハンドルを右に切り前進
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①パイロンを目指す
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②ハンドルを大きく右に切りゆっくりと前進
※車両は2016年8月撮影時点のものです。
速度はゆっくり、ハンドルは大きく
今回は、写真手前に駐車している白い車両(ハリアー)の少し前を、自分のクルマの左側がぎりぎりで通過するイメージで駐車します。写真のパイロンを目指す感じです。(写真①)パイロンは、実際の駐車時にはもちろんないので、距離や目指す位置を決める際の参考として見て下さい。イメージが固まったら、ハンドルを大きく右に切り前進。(写真②)この時、速度はできるだけゆっくりと。これが2つめのポイントです。スピードが出ているとクルマは向きが変わりにくいからです。
STEP3.ハンドルを左に切ってバック
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①可能な限り右に前進
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②シフトポジションをR(バックギア)に入れ、ハンドルを大きく左に切りゆっくりと後退
※車両は2016年8月撮影時点のものです。
車体の向きをできるだけ右に
可能な限り右に前進したら一旦停止。(写真①)シフトポジションをR(バックギア)に入れ、今度はハンドルを思い切り左に切って後退します。
(写真②)この時も速度はゆっくりと。車体の向きを駐車スペースの向きに近づける(この場合は大きく右に向ける)には、スピードの出し過ぎは厳禁。オートマチック車の場合は、できるだけアクセルを踏まずブレーキだけで速度調整するといいでしょう(MT車の場合は軽くアクセルを踏んでクラッチ操作で速度調整が理想)。バック中は、バックミラーやドアミラーはもちろん、目視でも周りをしっかりと確認しましょう。
(写真②)この時も速度はゆっくりと。車体の向きを駐車スペースの向きに近づける(この場合は大きく右に向ける)には、スピードの出し過ぎは厳禁。オートマチック車の場合は、できるだけアクセルを踏まずブレーキだけで速度調整するといいでしょう(MT車の場合は軽くアクセルを踏んでクラッチ操作で速度調整が理想)。バック中は、バックミラーやドアミラーはもちろん、目視でも周りをしっかりと確認しましょう。
STEP4.ハンドルを微調整し向きを修正
※車両は2016年8月撮影時点のものです。
徐々にハンドルを切る角度を緩める
アプローチする角度が正しければ、クルマの向きは少しずつ駐車スペースに対し真っ直ぐに近くなってきます。それに従い、左に切っていたハンドルも徐々に元に戻していきます(この場合右方向に戻す)。ゆっくりと動かすことで、このようなクルマの向きとハンドルを切る角度の微調整も楽にできるのです。
STEP5.スペースにきっちり入れば終了
※車両は2016年8月撮影時点のものです。
車体と駐車枠(ライン)を平行に合わせハンドルを真っ直ぐに
サイドミラーに見える車体と駐車枠(ライン)が平行になればハンドルを完全に真っ直ぐにします。
車体の前後左右がちゃんと駐車スペース内に収まっていることを確認し、問題がなければ終了です。駐車が苦手だったNさんですが、正しいアプローチをしてゆっくりクルマを動かすことで、きちんと駐車することができましたね。
車体の前後左右がちゃんと駐車スペース内に収まっていることを確認し、問題がなければ終了です。駐車が苦手だったNさんですが、正しいアプローチをしてゆっくりクルマを動かすことで、きちんと駐車することができましたね。
駐車で失敗しないために、ここがポイント
後退駐車の場合、駐車車両にぶつからずにきちんとスペースに入れるためには、どの位置を目指してバックするかを考えることが重要です。あとは速度。駐車は、クルマの向きを短い距離で大きく変える必要があるため、ゆっくり動かさないと向きが変わりにくいのです。
2.縦列駐車のコツ
①どこを目指してクルマを動かすかというアプローチポイントをイメージすること
②クルマをゆっくり動かす
という2点が重要なのは後退駐車と同じです。ただし、縦列駐車の場合は、アプローチポイントが2つあります。実際に、どうやればちゃんと駐車できるかやってみましょう。
②クルマをゆっくり動かす
という2点が重要なのは後退駐車と同じです。ただし、縦列駐車の場合は、アプローチポイントが2つあります。実際に、どうやればちゃんと駐車できるかやってみましょう。
STEP1. 駐車車両の横に接近
※車両は2016年8月撮影時点のものです。
駐車車両(写真右側)とは1mくらいの距離で
少し速度を落とし、縦列駐車できるスペースを探していると……発見! 2台の駐車車両の間が空いています。この時、駐車車両と自分のクルマの距離は1mくらいに近づいている方がいいですね。空きスペースへ自分のクルマを入れるためには、この後にバックしながら大きく右へ車両の向きを変える必要があります。ところが、あまり駐車車両から離れているとバックする際に角度がきつくなり、より難しくなります。結果、何度も切り返さないとスペースに入れられないこともあります。
STEP2.前の駐車車両の少し前で停車
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①自分のクルマの1.5台分以上のスペースが目安
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②前に駐車しているクルマの少し前に停車
※車両は2016年8月撮影時点のものです。
アプローチポイントを事前に考える
縦列駐車ができるかどうかは、自分のクルマの1.5台分以上スペースがあるかどうかが目安です。(写真①)ありそうなら、前に駐車しているクルマ(写真ハリアー)より、自分のクルマがすこし前に出る位置で停車しましょう。(写真②)また、この時点で、(下で紹介する)どこを目指してクルマを動かすかというアプローチポイントも決めておきましょう。
STEP3.第1のポイントを目指しバック
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①<第1のアプローチポイント>自分のクルマ左側の中央部をできるだけ近づける
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②ハンドルを左に切りながらゆっくりバック
※車両は2016年8月撮影時点のものです。
ゆっくりとした速度で左に!
縦列駐車では、まず最初に、前に駐車しているクルマに自分のクルマ左側の中央部をできるだけ近づける第1のアプローチポイントをイメージします。(写真①)今回は、白い車両(写真ハリアー)の右後部あたりに想定しました。写真では、分かりやすいようにパイロンを置いていますが、実際の道路には当然ないので参考として見て下さい。そこを目指しハンドルを左に切りながらバック。(写真②)この時、速度はゆっくりと。縦列駐車でも、短い距離で大きくクルマの向きを変えないといけないのですが、速度が速いとクルマは向きが変えにくくなります。
STEP4.ハンドルを微調整し向きを修正
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①可能な限り右に前進
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②<第2のアプローチポイント>クルマの左後部が路肩に当たらないぎりぎりの位置
※車両は2016年8月撮影時点のものです。
前と後が当たらない位置を探す
ある程度クルマが駐車スペースに入ったら、今度は、クルマの左後部が路肩に当たらないぎりぎりの位置、第2のアプローチポイント(奧のパイロン)を意識します。そのポイントまでクルマが来たら、今度はハンドルを大きく右に切ってバック。クルマの向きを路肩と平行に近づけます。また、この時はクルマの左前部が前に駐車しているクルマの右後部に当たらないかの確認も必要です。少し難しく感じるかもしれませんが、第1と第2のアプローチポイントがちゃんとイメージできていれば、意外と簡単にできますよ。
STEP5.クルマを路肩と平行にして終了
※車両は2016年8月撮影時点のものです。
ハンドルを戻し前後位置も確認
第2のアプローチポイントをクリアしたら、あともう少し。後ろに駐車しているクルマに注意しながら、完全にクルマが路肩と平行になるまでバックします(写真①)。ハンドルを真っ直ぐにして、前後のクルマとの距離も確認します。
できるだけ前後等間隔の位置に駐車すれば終了です(写真②)。
できるだけ前後等間隔の位置に駐車すれば終了です(写真②)。
駐車で失敗しないために、ここがポイント
縦列駐車は、クルマや歩行者が行き来する道路で行うため、「早く入れなきゃ」と焦りがちです。焦ると、上手くいくはずの事も失敗します。落ち着いて、アプローチポイントをイメージし、ゆっくり動かすというセオリーを守れば必ず成功しますよ。
3.駐車をアシストしてくれるIPAとは
IPA(インテリジェントパーキングアシストとは?)
インテリジェントパーキングアシストは、車庫入れなどの駐車の際、必要なステアリング操作を車両がアシスト。
シフトを「R」に入れるだけで駐車枠を認識し、OKボタンをタッチすれば駐車枠にまっすぐ入るように自動でステアリング操作を行います。
シフトを「R」に入れるだけで駐車枠を認識し、OKボタンをタッチすれば駐車枠にまっすぐ入るように自動でステアリング操作を行います。
※状況に応じて使用できない場合があります。詳しくは販売店におたずねください。なお、安全確認およびブレーキ操作は運転する方が十分に行ってください。
ダイジェスト版
※車両は2016年8月撮影時点のものです。
動画で分かる、IPAで簡単スムーズ!駐車チャレンジドキュメント。
「後退駐車編」「縦列駐車編」は下記よりご覧下さい。
「後退駐車編」「縦列駐車編」は下記よりご覧下さい。
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後退駐車編
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縦列駐車編
4.IPA搭載車種一覧
IPA搭載車両を一覧でご紹介いたします。
ドライビングインストラクター
渡辺忠司さん
国内外の新型車評価ドライバーやテストドライバーを務める。
エコ運転、安全運転、スポーツドライビングスクール等のプランナー/インストラクター。
現在もスーパー耐久レースシリーズ戦にレギュラードライバーとして参戦中!