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- クルマ周りの百科事典 2.エンジン
2016年9月21日現在の情報となります。
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オートマってどんな種類があるの?
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現在の日本では、販売される新車の99%は2ペダルのオートマチック・トランスミッション(AT:Automatic Transmission)車だといわれている。最も古くから使われているATが、エンジンとトランスミッションをトルクコンバーターという流体でつなぎ、力を伝達する「ステップAT」だ。
- CVT(Continuously Variable Transmission)
2つのプーリー(滑車)間で溝の幅の違う金属製のベルトを使って変速を行う連続可変トランスミッション。 - DCT(Dual Clutch Transmission)
トランスミッション内に奇数・偶数それぞれに独立したギアセットを持ち、エンジンからの動力伝達を2組の摩擦クラッチで行うデュアル・クラッチ・トランスミッション。 - AMT(Automated Manual Transmission)/RMT(Robotized Manual Transmission)
マニュアル・トランスミッション(MT)のままでシフト・クラッチ操作をアクチュエーターなどの機械任せにしたオートメイテッド・マニュアル・トランスミッション、またはロボタイズ・マニュアル・トランスミッション。
- CVT(Continuously Variable Transmission)
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ATとCVTの違いは?
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オートマチック・トランスミッション(AT:Automatic Transmission)は、自分でギアチェンジをして、変速操作をするマニュアル・トランスミッション(MT:Manual Transmission)をコンピューター制御で自動的に行うシステム。いくつかの歯車を組み合わせてつくる数段階のギア比から、走行状況に応じて変速段を選ぶ。一方、連続可変・トランスミッション(CVT:Continuously Variable Transmission)はATやMTのようにギアを使わず、自由に径を変えることのできるプーリー(滑車)とそれにかけられた金属製のベルトを用いて無段階かつ連続的な変速を行う。そのためCVTは、MT車、AT車のような変速時のショックが少ない、エンジンの動力を最適にコントロールできるので燃費が良いなどの特長がある。
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ダウンサイジングコンセプトって何?
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ボディサイズや車室の広さ、パワフルな走行性能を犠牲にすることなく、エンジンの排気量だけを縮小することにより、環境性能(燃費)や税率面でメリットを得ようとする考え方。ダウンサイジングしても動力性能が確保できるのは、ターボチャージャーやスーパーチャージャーを追加して過給を行っているから。かつてのターボなどにはパワーと引き換えに燃費が低下するイメージがあったが、低回転からトルクを得られる効率重視のターボを採用することにより、パワーと燃費を両立させている。
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ハイオク車でもレギュラーガソリンは使えるの?
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レギュラーガソリンとハイオクガソリンの違いはオクタン価(ガソリンのエンジン内での自己発火のしやすさ、ノッキングの起こりにくさ)にある。つまりオクタン価の高いハイオクガソリンは、自己発火しにくく、ノッキングが起こりにくい。ハイオク仕様のエンジンでは、ハイパワーを得るためにエンジンシリンダー内の混合気(ガソリンと空気が混ざったもの)の圧縮比を高め、スパークプラグの点火時期をギリギリまで遅らせる設計になっている。こうしたハイオク仕様のエンジンの性能を設計通りに引き出すためには、オクタン価の高いハイオクガソリンを使って正常な燃焼を維持する必要がある。したがって、ハイオク仕様のクルマにレギュラーガソリンを入れると、設計通りのパワーを得ることはできなくなり、走行性能や燃費の低下につながる。ただし現在のハイオク仕様車のエンジンのほとんどには、ノッキングセンサーやエンジンの点火時期を調整する機能が付いているので、走行すること自体はできるものが多い(一部にはハイオクガソリン専用のエンジンもある)。
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燃料の種類にある「無鉛レギュラーガソリン」と「無鉛プレミアムガソリン」の違いって?
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「無鉛」は鉛が含まれていないという意味。かつてはガソリンに鉛が含まれていたが、有鉛仕様のクルマは1970年代に姿を消しており、それ以降はガソリンも全て無鉛になっている(そのため現在では、あえて「無鉛」を付けることは少なくなっている)。つまり無鉛レギュラーガソリンはレギュラーガソリンのことで、JIS規格ではオクタン価89以上と定められている。無鉛プレミアムガソリンは、いわゆるハイオクガソリンのことで、JIS規格ではオクタン価96以上のもの。オクタン価を上げるために添加剤等を加えて成分調整されている他、エンジン内をきれいに保つ清浄剤が含まれている(清浄剤は一部のレギュラーガソリンにも含まれている)。
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最大出力って、どんな意味?
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最大出力とは、エンジンが回転したときの最大の仕事率のこと。1ps=1馬力(=0.7355kW)は1秒間に75kgのものを1m引き上げることを表す。例えばあるクルマの最大出力が100ps/5000rpm※という場合、エンジンが1分間に5000回転しているとき、1秒間に7500kgのものを1m引き上げられる。これが最大出力ということ。同程度の車体重量であれば、最大出力は高速走行時の加速の伸びに影響し、最大出力が大きいほど加速に優れたクルマといえる。従来はpsで表現するJIS表示が用いられてきたが、現在ではSI(国際単位系)に基づくkWで表現されるようになっている。
※rpmはエンジンの1分間の回転数を表す
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最大トルクって、どんな意味?
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最大トルクとは、エンジンがクランクシャフトを回す力の最大値。1kg・m(=9.80665N・m)はクランクシャフトから1mのところで1kgの力があることを表す。例えばあるクルマのトルクが392N(40kg・m)/2500rpmという場合、エンジンが1分間に2500回転しているとき、クランクシャフトから1mのところで40kgの力を発生しており、これが最大トルクとなる。最大トルクは発進時や加速時、登坂時の能力に影響してくるため、エンジン回転数が低い状態から大きなトルクが得られることが重要。従来はkgf・mで表現するJIS表示が用いられてきたが、最近ではSI(国際単位系)に基づくN・mで表現されるようになっている。
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10・15モード燃費とJC08モードの違いは?
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クルマの燃費値は、気象条件や渋滞等の使用環境、急発進、エアコン使用等の運転方法に応じて変化するが、各車種の燃費の正確な比較を可能にするため、国土交通省が定めた走行パターンにおける燃費が、国土交通省立ち会いの下で測定された「モード燃費」として公表されている。かつては「10・15モード」が使用されてきたが、より実燃費との差を縮める目的で、2008年から段階的に「JC08モード」に変更され、現在ではカタログ等に「JC08モード燃費値(国土交通省審査値)」を表示することが義務付けられている。「10・15モード燃費」は、様々な測定条件を一定にした上で、東京都内の幹線道路における平均的な走行を想定した「10モード」を3回繰り返した後、高速走行や渋滞など大都市における走行を反映させた「15モード」を1回走行し、そのときに消費した燃料を測定して算出される。「JC08モード燃費」は、測定時間・走行距離の延長や平均速度・最高速度の引き上げ、完全暖機状態だけでなく冷機状態での測定の追加など、より厳しい条件下で測定される。そのため燃費値は約1割低下するといわれている。
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エンジンの冷却方式には種類がある?
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高温になったエンジンを冷却せずに放置すると、潤滑不良やノッキングなどが起こりやすくなる。そのためエンジンには水冷式、空冷式の冷却装置が使われている。現在の主流である水冷式のエンジンは、エンジン内部に水の通路を設けて冷却水を循環させ、エンジンを冷ます。水冷式は熱のコントロールがしやすく冷却効率も高い。またエンジンを水で包む形になっているため、エンジンから発生する騒音が減衰され、騒音面でも有利である。ただし部品点数が多く複雑な構造になり、重量が増える。一方の空冷式エンジンは、エンジンに薄板状の放熱フィンを設け、そこに風を通すことでエンジンを冷却する。構造がシンプルなので、軽量かつメンテナンスが簡単というメリットがあるが、水冷式より冷却効率は低く、またエンジン騒音も大きくなるため、現在では使われることが少なくなっている。