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- クルマ周りの百科事典 5.整備・メンテナンス
2016年9月21日現在の情報となります。
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一度動作したエアバッグはどうなるの?
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エアバッグは、センサーが衝突を検知してから、約0.03秒で膨らみ、乗員を保護する安全装置のこと。エアバッグを膨らませるインフレーター(ガス発生装置)は、火薬の燃焼でエアガスを発生させたり、充てんしてある高圧ガスを放出したりする仕組みになっており、繰り返し利用することはできない。またエアバッグは早く正確に展開する折り方で、ステアリングの中に収納されている。したがって、エアバッグは、一度しか使用できない使い捨てのシステムであり、使用後は交換が必要となる。
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オーバーヒートを防ぐためにクルマの内部ではどんなことが行われているの?
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オーバーヒートとは、エンジンの発生熱量が、冷却性能を上回り、冷却液やエンジンが高温になって正常に機能できなくなった状態。そのまま運転を続けると、エンストを起こすリスクがある上、最悪の場合はエンジン交換が必要になる。エンジンを適正な温度に保つため、多くのクルマのエンジンでは、冷却液(LLC:Long Life Coolant)を循環させて冷却する水冷式の冷却装置が使われている。エンジンの熱を奪って熱くなった冷却液は、ラジエーターに送られる。ラジエーターではモーターやエンジンで駆動されるファンで強制的に風を通過させ、冷却液を冷却する。温度の下がった冷却液は、ウォーターポンプによって再びエンジン内部へ送り込まれる。冷却液の循環経路の途中にはサーモスタットがあり、流量を制御してエンジンを適温に保っている。熱い冷却液の一部はヒーターに送られ、暖房の熱源として利用されることもある。
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種類の違うエンジンオイルを混ぜるとどうなるの?
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エンジンオイルには鉱物油と化学合成油、粘度の違い、グレードの違いなどで様々な種類がある。通常、オイル交換をするときには、古いオイルを全て排出してから新しいオイルを補充する。その場合でも古いオイルが完全に排出されることはないが、新しいオイルの方が圧倒的に量が多いため問題にはならない。2種類のオイルをそれぞれかなりの割合で混ぜることはお勧めできない。というのも、オイルには粘度や品質などを調整するために様々な添加剤が含まれており、絶妙なバランスで配合されている。そのオイルに別のオイルの添加剤が混ざるとバランスが崩れ、オイルの性能が発揮されなくなる可能性があるからだ。また、エンジンオイルが減った分を自分でつぎ足しながら使う方法では、オイルの中にたまった汚れが減るわけではないので、どんなに高級なオイルでも、エンジンの負荷は増す一方となってしまう。
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洗車に適した天気は?
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洗車に最も適しているのは曇りの日だ。気温の低い冬季であれば晴れた日でも大きな問題はないが、その他の季節は気温が高く、日差しが強い晴れの日にはクルマのボディが高温になりやすいため、洗車をすると短時間で水分が蒸発し、水や洗剤の残留物がシミになって残ってしまう。カーワックスやコーティングもボディが高温の場合には溶けて流れてしまい、ムラになりやすい。その点、曇りの日ならどんな季節でも気温や直射日光などは問題にならない。さらに早朝や夕方など、比較的気温の低い時間帯なら申し分ない。
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車内の嫌なニオイを消すには?
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車室は密閉空間なので、いったんニオイの発生源が持ち込まれると、そのニオイがこもり、やがては染みついてしまう。そんなときには、以下のような方法が有効だ。●晴れた日に窓やドアを全開にし、車内に光を取り込んで天日干しする
●重曹をフロアマットやシートにまいてニオイを吸着させた後、掃除機などで取り除く
●炭を1週間程度車内に置いておき、車内のニオイを吸着させる
●フロントガラスの内側やダッシュボードをきれいにし、ニオイの原因になるホコリやゴミを取り除く
●エアコンのフィルターを掃除する
●車載用の空気清浄機を使うetc.
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点灯したらまずい警告灯は?
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メーターパネルに並んでいる警告灯は、どれも車体に何らかの異常があることを示すものである。ランプの色は国際規格(ISO)で決められており、例えば「赤色=危険、黄色=注意、緑色=安全」、あるいは「赤色=高温、青色=低温」というように、目で見た感覚でその意味が認識できるように配慮されている。中でも注意すべきは「油圧警告灯」と「ブレーキ警告灯」だろう。「油圧警告灯」は、エンジンオイルの異常な減少、オイルポンプの故障、オイルラインの詰まりによる油圧の低下などを感知して点灯する。この場合、エンジン内部の故障やエンジンの焼き付きの危険性がある。「ブレーキ警告灯」はサイドブレーキの戻し忘れやブレーキオイルのサブタンクの油量の減少で点灯する。ブレーキオイルが減少し、なくなってしまうと、最悪の場合、ブレーキが全く利かなくなる恐れがある。いずれも早急な対策が不可欠だ。
出典:JAFクルマ何でも質問箱
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フロントガラスには、特別なガラスが使われているの?
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クルマのフロントガラスには、2枚のガラスの間に柔軟で強靭(きょうじん)な中間膜を挟み、加熱接着した合わせガラスを使うことが義務付けられている。このガラスは、万一の事故や跳ね石などによって割れてしまった場合でも飛び散らず、できる限りドライバーの視界を確保するとともに、割れた破片でクルマの乗員や事故の相手を傷つけることが少ない。また乗員の体がフロントガラスにぶつかったときには、中間膜がその衝撃を緩和・吸収することで、より高い安全性を実現する。
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ワイパーの交換時期は?
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ワイパーは、フロントガラスに付いた雨滴や汚れを取り除き、視界を確保する役割を担っている。そのワイパーの要となるワイパーゴムは紫外線や熱の影響を受け、時間の経過とともに劣化してしまう。したがって1年に1回を目安に、定期的な交換をお勧めしたい。直射日光に当たっている時間が長いクルマや寒冷地で使われているクルマの場合には、さらに短期間でのチェックが必要だろう。劣化したワイパーゴムを使い続けていると、拭きムラが発生して良好な視界が確保できなくなり危険である上、フロントガラスに微細なスリ傷(ヘアライン)を付けてしまうリスクもある。ワイパーゴムの交換の目安は、図の通りである。※ワイパー交換時期の目安
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ワイパーっていつ頃から使われているの?
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ワイパーの誕生には諸説ある。一つは米国のアラバマ州バーミンガムで牧場と不動産業を営んでいたメアリー・アンダーソンという女性が、ニューヨークを訪れたとき、悪天候の中で路面電車に乗った経験から考案したというもの。彼女の特許は、1903年に17年間有効と認められたという。もう一つは、1917年、ニューヨークの雨の夜に事故を起こした運転手(現在でもワイパーブレードの大手であるトリコ社の前身となる会社を後に設立)が、一念発起してワイパーを考案し、製品化したという説。いずれにしても当時のワイパーは手動式で実用性には乏しかったらしい。その後、動力やワイパーの素材は改良が重ねられたものの、ワイパーの形そのものは、100年以上にわたって進化していない。1926年にボッシュが作った電気モーターを使ったワイパーは、現在の製品と基本的には変わらない原理に基づいている。
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ワイパーでフロントガラスがきれいになる仕組みは?
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ワイパーは雨や雪を拭き取るとき、水滴をガラス面から取り除いているわけではない。ガラス面に付着した水滴を拭きながら、薄く均一な水の膜をつくっているのだ。ガラス面に均一な水の膜ができると、ガラスを透過する光の屈折率が整い、クリアな視界が確保される。ガラス面に油膜が付着していたり、古いコーティング剤が残っていたりすると、スムーズにワイパーが動かず、拭きムラの原因になる。ワイパーによって雨や雪の日に視界をクリアに保つためには、ガラス面に接しているワイパーゴム全体に均等な圧力がかかっていることが必要なため、ワイパーの金属レールは、ワイパーゴムをガラス面に押し付ける力を均等に保つ役割を果たしている。ワイパーは、こうした繊細な機構によって、雨の日の安全視界を確保する役割を果たしている。