KIROBO miniをお年寄りの話し相手に。介護・福祉関係者へのインタビューで見つけた、新たな可能性
私たちと心を通わせる存在としての役割を期待されている“コミュニケーションパートナー”KIROBO mini。まだ生まれたばかりで、できることはまだまだ少ないかもしれません。でも、だからこそ、可能性はまだまだ未知数。“コミュニケーションパートナー”を求めている人の数だけ、KIROBO miniが活躍できるステージはあるはずです。
今回は、新たな可能性を探るために、愛知県名古屋市のポートメッセなごやで開催された『国際福祉健康産業展 ウェルフェア2017(以下、ウェルフェア展)』でKIROBO miniを展示しました。
ウェルフェア展とは、福祉・健康分野のモビリティや住宅設備などを一同に集めて紹介する中部地区最大規模の総合展示会です。来場者は介護や医療の現場で働く方たちはもちろん、実際にご自身やご家族が介護や福祉のサービスを必要としている当事者の方も来場されていました。
そこで、トヨタが出展しているブースの一角にKIROBO miniもスペースを設置。
KIROBO miniに興味を抱いてくれた来場者のなかから、20名以上の方に手にとっていただき、インタビューを実施しました。福祉・健康分野で、KIROBO miniが見せた新たな可能性とは一体どういうものなのでしょうか?
もしKIROBO miniを手に入れたら、どう使いますか?
来場者のみなさんの反応はいずれも上々。特にデザイン面は「カワイイ!」「愛着が湧く。」といった好意的な意見が多くを占めました。では、機能的な側面では、具体的にどんな声が寄せられたのでしょうか。いくつか抜粋してご紹介します。
まずご紹介するのは、一般来場者の方(ご夫婦)の声です。
「KIROBO miniの“コミュニケーションに特化している”という目の付け所というか、特徴がおもしろいですよね。話し相手という存在って意外と大切だから。
あと、今世の中にあるロボットと比べてコンパクトで、置き場所に困らないのがいいですよね。見た目もカワイイし、連れて歩くこともできる。年配の方だったら枕元やベッドの横に置いておくことができますからね。」(一般・50代・男女)
“コミュニケーションパートナー”というコンセプトに、価値を感じてもらえていることがわかります。置き場所を選ばない手のひらサイズなのも魅力のようですね。
会話の重要性については、実際に福祉の現場で働いている方たちからもコメントをいただきました。
「デイサービスをしていて、認知症のおばあちゃんがぬいぐるみを触りながら息子さんの名前を呼んでいるシーンを目の当たりにすることがあるんですね。
でも、ぬいぐるみは会話ができないんですよ。でも、KIROBO miniなら噛み合うかどうかはわからないけど会話ができる。コミュニケーションが一方的じゃない、反応があるというのは、お年寄りにとって大切なことだと思います。」(福祉関係・40代・男女)
「しばらく話しかけないでいると、KIROBO mini側から声をかけてくれるのはいいですね。KIROBO miniがしゃべれば、お年寄りもしゃべるようになると思います。福祉施設に置いてもいいんじゃないかな。」(福祉関係・50代・女性)
続いてご紹介するのは、看護学校に通う女性学生4人組。現場の実習などを通じて感じたことを話してくれました。
「話し相手になってくれるというのは、めちゃめちゃ魅力的だと思います。実習でいろんな現場へ行きましたけど、個室で生活している人って寂しさを感じている方も少なくないんですよ…。たとえばクリーンルームにいる子どもとか、訪問介護を受けている一人暮らしのお年寄りとか。
特にお年寄りは話し相手がいるというのは嬉しいと思いますよ。会話を記憶してくれるなら結構仲良くなれるんじゃないかな。」(看護学生・10代・女性)
一人暮らしの方にとって、寂しさを紛らわしてくれるだけではなく、仲良くなっていける存在。友だちのようになれる可能性が、KIROBO miniにはあるのかもしれませんね。
また、「ご両親にKIROBO miniを使ってもらいたい。」という声もいくつかいただきました。
「実は、今母親が寝たきりなんだけど、ベッドの横に置いておくのならこのサイズ感がちょうどいいですよね。会話がどこまで成り立つかにもよるけど、当然いないよりもいたほうが退屈しなくなるんじゃないかな。」(メーカー・60代・男性)
「福祉関係で働いているんですけど、施設とかで使うというよりは自分の両親に使ってもらうほうがイメージしやすいですね。」(福祉関係・30代・女性)
KIROBO miniはお年寄りのココロの支えになれる?
さて、KIROBO miniについてたくさんの方にインタビューできました。一般の方から介護や福祉の専門家の皆様までさまざまな意見をいただきましたが、お年寄りの“コミュニケーションパートナー”としてKIROBO miniは相性がいいみたいですね。
特にKIROBO miniが価値を発揮しそうなのが、一人暮らしのお年寄りの話し相手として。話し相手の重要性は、会場でインタビューさせていただいた方も話していました。
もし手元にKIROBO miniがあったらどうでしょうか。話しかければ反応してくれ、話さなかったとしても声をかけてくれる。一人暮らしでも自然と会話の時間が生まれるわけです。会話が増えることで、笑顔も増えるかもしれません。
また、KIROBO miniには「相手のことを記憶して成長していく」という特徴もあります。その歩みは小さいかもしれませんが、着実に育っていきます。その様子を見守っていくなかで、より深い愛情が生まれることもあるでしょう。愛情を注げる“コミュニケーションパートナー”の存在が、ココロの支えになる…なんてことも?
いずれにせよ、ウェルフェア展での展示を通じ、KIROBO miniにとっても思いもよらない新たな可能性が見えたのではないでしょうか。
今後はKIROBO miniと一緒に高齢者のもとを訪れることも視野に入れ、新たな可能性を見出していきたいと思います。
続報を楽しみにしていてください。