- クルマが走る仕組み
- クルマは動力がないと走りません。その根幹となるのがエンジンです。クルマはエンジン内でガソリンを燃焼させることで、動力を得てきました。近年は電池にためた電気で、モーターをまわすタイプも多くなってきています。それぞれの仕組みを詳しくみてみましょう。
クルマの動力は、ガソリンや軽油を燃料として作動するエンジンから生まれます。現在、主流となっているのはピストンの上下運動が4つのサイクルで行われる4サイクルエンジンです。次いで多いのがディーゼルエンジンとなります。そしてここ数年、電気の力で車輪を回すEVが登場しています。ガソリンエンジンとEVを併用しているのが、HVということになります。
エンジンの仕組み
現在ガソリン車の多くに採用されているのが、「吸入→圧縮→燃焼→排気」という4つのサイクルで回る4サイクルエンジンです。シリンダー内部へ空気とインジェクターから吹かれるガソリンの混合気が、吸気バルブより入ってきます。その混合気に、点火プラグより火花で、着火、燃焼・爆発を起こさせます。この爆発の膨張圧力で、ピストンが下へ下がり、排気後にまた上に上がります。この上下運動がエネルギーとなりピストンについているコンロッドという連結棒とコンロッドを固定するクランクシャフトに伝わり、そこで回転運動に変換され、クルマを動かす力となるのです。
EVの仕組み
電気をエネルギー源として、モーターで走行する自動車をEV(Electric Vehicle)と呼びます。バッテリーに充電した電気エネルギーを、インバーターを通じてモーターへ伝え動力とします。ガソリンエンジンに必須の吸排気の装置や冷却装置も不要のため、技術構造は簡単で部品点数も少なくなります。またモーター駆動方式の特徴として停車状態から一気にフルトルクを発揮できるため、ギアによる変速の必要もなく、加速力に優れ、また静粛性も高いです。しかし駆動用バッテリーのコストが高いこともあり、車両価格がガソリン車と比べて割高になる場合があります。
ハイブリッド
ハイブリッド車(Hybrid Vehicle)は、ガソリンなどの内燃機関エンジンと電気モーターによる2つの動力源を持ちます。特徴としては、減速時のエネルギーを電気エネルギーとしてバッテリーに回収(回生)することです。この駆動力を得ることで、エンジンの使用を抑制でき、低燃費を実現しています。モーターとエンジンの関係は、スプリット方式、パラレル方式、シリーズ方式など様々な方式が開発され、現在も進化しています。また、PHV(プラグインハイブリッド)車は、差込プラグでコンセントから直接バッテリーに充電できるシステムを持ちます。HVよりもバッテリーを多く搭載し、普段の近距離走行はEVで走り、長距離走行はHVで走行できるタイプです。
ハイブリッド車一覧
メンテナンスのポイント1
「エンジンルーム」の
ココもチェック
エンジンオイルは、エンジン内部の部品間の摩擦抵抗を減らす潤滑の役割はもちろん、気密性の保持、熱の放出など、さまざな働きをしています。そのため量が足りない場合や、極端に汚れたエンジンオイルは、エンジン内部の摩擦抵抗が増して、燃費が悪くなったり、破損を引き起こす可能性もあります。定期的な点検と、交換時期を守りましょう。
メンテナンスのポイント2
バッテリが上がると
クルマは何もできない!?
エンジンを始動させるスターターモーターや点火プラグの放電、ワイパーやライトなど、現在のクルマは電気を使う装置がいくつも搭載されています。エンジンが始動すれば、発電は開始されますが、そこにいたるまではバッテリーの充電装置が頼みの綱となります。バッテリーが上がると、クルマは何もできないといっても過言ではありません。日々のケアといざというときの対処法を覚えておきましょう。