- クルマが曲がる仕組みって?
- ハンドルを回すと、ステアリングギアボックスで左右方向の運動へと変換されます。次にナックルと呼ばれるホイールの角度を変えるパーツを、タイロッドと呼ばれるパーツで押したり引っ張ったりして、前輪ホイールが方向を変えることで、クルマはその方向へ舵を切ります。
「ステアリングってハンドルのことじゃないの?」と勘違いされていることがありますがステアリングとは車の進行方向を変えるための装置で、そのシステムを指します。ハンドルは和製英語で、正式にはステアリングホイールと呼びます。また荷重がかかったクルマの前輪に操舵角を与えるには、大きな力が必要です。そのため油圧式や電動式によるパワーステアリングシステム(パワステ)で、操舵をアシストするのが一般的です。
ハンドルの動きが
タイヤに伝わる仕組み
ステアリングホイール(ハンドル)を動かすことで、ステアリングシャフトへ回転運動が生じ、それがステアリングギアボックスで、往復運動に変換され、タイロッドに伝わります。タイロッドの先端はナックルにつながっており、平行運動によりナックルを押したり引いたりして、タイヤの角度を変えます。
ドライビングインストラクター
渡辺忠司さん
- ステアリングやタイヤの重要性って?
- ステアリング性能の良いクルマは、運転者の疲労の軽減や高速時の安定走行につながります。また、動力を道路に伝えるタイヤの仕事も大事になります。スリップサインの出たタイヤは交換しましょう。また、ある程度のスピードが出たクルマのタイヤに操舵角を与えると、回転方向に転がるだけでなく、車の進行方向に押し出される力も働きます。タイヤの接地面は、路面との摩擦で捻じられ、接地面にたわみが生じます。この現象が連続することで、タイヤの進行方向は、タイヤの回転方向に対して、外側にずれていきます。これが横滑りと呼ばれる現象です。トヨタ車には、この横滑りを防止する、VSCなどの機能があります。走る・曲がる・止まるはすべてタイヤの仕事です。タイヤの溝がしっかり残っているか常にチェックすることが大切です。