震災後も消さずに守り続けた
“モノづくり”の灯火。
震災による復旧・復興の苦労を乗り越え、
2012年の設立から国内第3の生産拠点へと
成長したトヨタ自動車東日本株式会社。
東北の地でクルマを作り続け、
今回のヤリス クロスに注がれた、
技術者たちの熱い想いをご紹介します。
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震災を乗り越えた東北の地で
ヤリス クロス製造に掛ける想い。トヨタ自動車東日本株式会社 取締役社長 宮内一公
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東北のモノづくりを支える、
サプライヤーのこだわり。株式会社マスコエンジニアリング 営業部 次長 主査 柿崎孝司
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トヨタ自動車東日本を支える
若き社員たちの想い。トヨタ自動車東日本株式会社 学園出身者
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ヤリス クロスの“カッコイイ”を
支える磨き抜かれた技術。トヨタ自動車東日本株式会社 第3ボデー設計部 GM 岩井一哲
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NO.01
震災を乗り越えた東北の地で
ヤリス クロス製造に掛ける想い。 -
NO.02
東北のモノづくりを支える、
サプライヤーのこだわり。 -
NO.03
トヨタ自動車東日本を支える
若き社員たちの想い。 -
NO.04
ヤリス クロスの“カッコイイ”を
支える磨き抜かれた技術。
トヨタ自動車東日本の取り組み
NO.01
東北から“モノづくり”を広げていく。
トヨタの復興への想い。
トヨタ自動車東日本株式会社 取締役社長 宮内一公
震災で多くのものを失った東北でクルマを作り続け、自動車産業の基盤を構築することが、トヨタグループとしての一番の復興への貢献。
このような豊田章男社長の強い想いで、トヨタ自動車東日本は、2012年7月に設立されました。
それから8年、東北におけるクルマづくりの輪は広がり、2020年2月に販売した新型ヤリスに加え、新たに新型ヤリス クロスをこの東北の地より、皆様へお届けできることになりました。
仕入先の皆様や宮城大衡工場・岩手工場のメンバーは、新型ヤリス クロスの誕生で日本中にたくさんの笑顔を届けたい。東北から日本中の皆様へ、新型ヤリス クロスを真心を込めてお届けいたします。
NO.02
より良いものを、より低価格で
お客様へご提供するために。
株式会社マスコエンジニアリング 営業部 次長 主査 柿崎孝司
トライ&エラーを何百回も繰り返した
フードヒンジの製造過程。
株式会社マスコエンジニアリング 製造部 部長 技師 堀米隆
フードヒンジがこちらの部品となります。クルマに2台付きまして、ボンネットを開けたり閉めたりする時のヒンジになります。
設定された数量で、容器にいっぱいになった時に設備は自動停止します。止まっているということを無駄と考え、もうしつこくしつこく、トライ&エラーを何百回も繰り返して、流れるようになります。当初は数十個だったものが、今現在は数千個連続加工が出来るようになっております。
- 〈柿崎〉
- 日々の改善の取り組みの成果を認められ、2020年2月に発売されたヤリスの仕入先として、名誉ある賞をいただくことができました。新型ヤリス クロスでも高品質で、お客様がお求めやすいクルマづくりに貢献したいと思います。
NO.03
人が育ち、人が人を育てていく
“一過性ではない復興支援の取り組み”
工務部設備化化成設置係 学園出身者 1期生 村上隆次
車体部プレス課第2プレス係 学園出身者 2期生 後藤政也
トヨタ東日本学園に入学した理由は?
- 〈村上〉
- 地元東北が大好きで、クルマが大好きで、その自動車製造で東北を元気にしようとしているこの会社にとても魅力を感じました。
- 〈後藤〉
- トヨタ自動車のクルマを作ってみたいから、1年間しっかり勉強して現場に入りたいと思ったから、トヨタ東日本学園に入学しました。
入学して感じたことは?
- 〈村上〉
- 学園での授業は、指導員の人が一人一人、分からなければ、みんながちゃんと分かるまでやってくれてとても親切に教えてもらいました。
- 〈後藤〉
- 仲間と毎日過ごしていく中で絆が深まるし、バラバラに配属されてもいろいろ助け合って、この一年間の寮生活というのは、思い出深いと言うか、絆が深まった環境です。
トヨタ自動車東日本に入社してからの役割は?
- 〈後藤〉
- 入社してプレス工程に配属されて、金型を入れて計算してみて、どこに不具合が出るかわからない状態で生産の立ち上げを行いました。その中で不具合が出て、それを改修していく中で、皆さんの知恵を貸していただいて、良いものを作ることができました。
- 〈村上〉
- 初めて金型の製作段階から携わらせていただいたのが、ヤリス クロスでした。過去に起きたトラブルの対策ができているかどうか、メンテナンス性はどうかなどを確認しに行ったりしました。自分の目で見て直してほしい箇所があればその場で指摘させていただいて、立ち上がり対策をしてもらうという形です。
ヤリス クロスへの想いを聞かせてください。
- 〈後藤〉
- ヤリス クロスのアピールポイントはオーバーフェンダーです。そのオーバーフェンダーはSUVらしい形となっており、そこが小型車でも山の中に行ったり、オフロードを楽しんだりできるクルマだと思っています。
- 〈村上〉
- 一台一台丁寧に作っていますので、是非いろんな人に乗っていただきたいです。
NO.04
目に見えない所までこだわり、
カッコイイままでお客様に提供したい。
トヨタ自動車東日本株式会社 第3ボデー設計部 GM 岩井一哲
ヤリス クロスの意匠は、とてもカッコイイという第一印象を受けました。我々の仕事は、1枚の鉄板から「ボンネット」だとか「ルーフ」や「ドア」、そういった、鉄の部分のパネルを生産するための金型を作るところに携わっています。
その中でも今回は、リヤフェンダーの張り出し。そこの成型というところがかなり厳しいと思いました。
曲げた時にシワが出てきてしまう。そのシワは、実際のクルマではバンパーで隠れる部位です。ですので、お客様が実際に車両を購入されても、目にするところではありませんが、我々はそこのシワも出してはいけないと。
そのシワを取ることを目標に、CAE(※)を実施しました。通常の車種ですと5回から10回くらいのCAEシミュレーションで結果が出ていましたが、今回のヤリス クロスではシミュレーションを30回以上実施し、やっとものにした苦労があります。
デザインを変えずに、カッコイイままでお客様に提供したい。そういった想いで、いろいろな我々の技術を使って、±0.5mmの精度で作り込みを実施しております。
※CAE:Computer Aided Engineering。コンピューターで擬似的に再現した製品の設計問題を評価すること。
コンパクトSUVの新しいスタイル。
-デザイナーのこだわり-
トヨタ自動車 デザイン部 主幹 西友康
ボディは上から見たらリヤドアのところでちょっと折れていて、タイヤに向かってどんどん内側に絞られていくようなボディの形状になっています。それによってボディは塊として強く表現され、タイヤはもっと外に出て見えると。かなりのレベルで自分たちがやりたかったこと、考えたことは、この形の中に表現できていると思います。