EVENT REPORT

クラウンは、“納車”も革新する

2023.12.11

4つのスタイルを用意すること、世界約40カ国にグローバル展開すること、専売店を立ち上げること──。新型トヨタ・クラウンは、デザインが変わっただけでなく、さまざまなチャレンジを行っている。新たな挑戦のひとつに、納車をお客様とともに作りあげる特別なイベントにしようという試みがある。今回、『CROWN DELIVERY PROGRAM』と銘打った、クラウンならではの新しい納車プログラムのトライアルの模様をお伝えしたい。

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特別なクルマは、特別な場所で納車する

『CROWN DELIVERY PROGRAM』の舞台となるのは、富士スピードウェイと、そこに隣接する富士スピードウェイホテル。愛車と出会うのは特別な場所であるべきだという考えで、この場所が選ばれた。国際規格のサーキットでの走行と、ハイアットが手がけたラグジュアリーホテルのホスピタリティを組み合わせた、特別な一日が始まる。

愛車で富士スピードウェイホテルを訪れたゲストは、まず受付を済ませる。ここまで乗ってこられた愛車は、そのまま下取り車としてお預かりすることもできる。このイベントは、新たなスタートを祝福するものであるのと同時に、いままでの愛車に「ありがとう」と伝える場でもあるのだ。

続いて上質なイタリアンを提供する「TROFEOイタリアン」にご移動いただき、ランチの時間となる。オープンキッチンの「TROFEOイタリアン」は、活気あふれる調理風景が食欲を刺激し、四季折々の富士山の姿など、景観も楽しむことができる。料理だけでなく、雰囲気や眺望も味わっていただいた後に、場所を移して納車式となる。

納車式が行われるのは、富士スピードウェイホテルのエントランス。瀟洒な雰囲気のエントランスに真新しいクラウンが運ばれ、晴れてオーナーとなる方と対面する。記念の品とともにクラウンのキーを受け取ったオーナーの方の、晴れやかな笑顔が印象的だった。そして、運転支援装置をはじめとする各種機能の使い方を、担当者が丁寧に説明する。明日から始まる、クラウンとの新しい生活をサポートするのだ。

納車式を終えると、富士モータースポーツミュージアムに足を運んでいただく。このミュージアムのコンセプトは、「モータースポーツがクルマを鍛え、進化させた熱い歴史をたどる」というもの。モータースポーツの黎明期から、やがてモータースポーツの技術が市販車に活かされるようになる歴史が、わかりやすく展示されている。しかも、ミュージアムのガイドがわかりやすく丁寧に解説してくれるので、クルマに詳しい方もそれほど詳しくない方も、それぞれが新しい発見を持ち帰ることができる。

栄光を勝ち取ってきたレーシングカーや、世界的な名車を鑑賞していると、あっという間に時が経ってしまう。そして、すべての展示を鑑賞すると、モータースポーツの過酷なバトルで培った技術やノウハウが、実は自分の愛車にも応用されていることを肌で感じることになる。

ミュージアムでモータースポーツの歴史に思いを馳せてから、富士スピードウェイホテルにチェックイン。チェックイン後は、任意でホテルのアクティビティなどを楽しむことができた。

たとえばスパトリートメントやフィットネスジム、あるいはレンタサイクルなど、豊富なメニューが用意されている。のんびりしたい方には、富士大御神温泉で、富士山を眺めながら美肌効果があるとされる硫酸塩泉にゆっくり浸かるという選択肢もある。いずれを選ぶにせよ、オーナーの方は都会の喧騒から離れて、贅沢な時間を過ごすことができる。


●開発者とオーナーの関係を超えた熱い会話

こうして夕暮れの時間になると、今度は納車されたばかりのご自身のクラウンで、富士スピードウェイに移動する。新しい愛車の最初のドライブは、なんと富士スピードウェイ。

初めてサーキットを走る方でも安心なのは、熟練のインストラクターが先導してくれるから。暮れゆく空と夕焼けのコントラストを眺めながらサーキットを走れば、クラウンとの距離がどんどん縮まっていく。

今回は、納車イベントという新たなチャレンジをお客様と一緒に作るトライアルということで、トヨタのテストドライバー資格を有するクラウン担当のエンジニア、本間裕二が同乗するという企画も用意した。エンジニアによる開発ポイントの解説を聞くことで、クラウンというクルマへの理解はさらに深まったはずだ。

後述するけれど、ディナーの懇親会の席では参加者から、「夜のサーキットが新鮮だった」、あるいは「サーキットではクルマがこんなふうに走るのかと驚いた」という声も聞かれた。
サーキットは日常生活から距離があるように感じるけれど、エンジニアの解説を聞きながら経験することで、ご自身の愛車を鍛え、育てた場所だということを理解していただけたのではないだろうか。

「ナイト走行体験」を終えると、富士スピードウェイホテルに戻り、前出のクラウン開発担当エンジニアの本間裕二と懇談しながらのディナー。場所は、旬の食材を提供する炉端焼きの「Robata OYAMA」。落ち着いた雰囲気の店内で、静岡育ちの和牛や地元の小山町の金太郎鱒など、地場の名産に舌鼓を打ちながらクラウン談義に花が咲いた。
以下、会話の一部を抜粋して紹介したい。

クラウン購入の動機を尋ねられた参加者のひとりは、こうお答えになった。
「SUVは背が高すぎるけれど、セダンは低すぎる。そこに、ちょうどいいクラウン(クロスオーバー)が登場したので、興味を持った」
また別の参加者は、「正式発表前のデザインスケッチがものすごく格好よくて、そこから新しいクラウンについて調べるようになった」とお答えになった。

ほかにも、クラウンが静かで乗り心地がいい理由、足まわりを固めることだけがスポーティではないことなど、エンジニアとオーナーという関係を超えた、クルマ好き同士の会話が弾んだ。サーキット走行といい、懇親会といい、オーナーの方にもっとクラウンを好きになっていただくためのアイデアだ。

翌朝の朝食の会場は、「TROFEOイタリアン」。日本で初めて有機JASという厳しい規格をクリアした黒富士農場のリアルオーガニック卵など、上質なブレックファーストが供された。

朝食後は、思い思いに時間を過ごし、正午にチェックアウト。富士スピードウェイ周辺は、富士山はもちろん、美しい富士五湖や、水産物の水揚げで知られる沼津港など、素晴らしい観光地が控えている。まさに山紫水明の地で、納車されたクラウンで訪れるのにふさわしい場所ばかり。参加者のみなさんは思い思いの方向へ、クラウンのハンマーヘッドを向けた。

今回出席した本間裕二は、懇親会の席でオーナーの方々に、「モデルチェンジとは関係なく、一度発表したクルマも日々改良を施し、どんどんよくすることがエンジニアの務めです」と語った。ここで紹介した納車プログラムも、これからどんどんブラッシュアップして、オーナーの方に満足していただけるものに進化させる所存だ。

今回のトライアルプログラムのようなオーナー同士の交流を生み出し、様々な体験を提供する特別プログラムをこれからもお客様と共に生み出していきたい。

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