避難所への『マッチングシステム』を活用した給電車支援訓練を実施
「ふじおか防災キャンプ
~47災害を忘れない~」篇
今年、愛知県豊田市藤岡地区は昭和47年7月の豪雨災害から50年の節目の年になりました。
そのときのことを教訓として忘れないための事業として、「ふじおか防災キャンプ~47災害を忘れない~」が10月29日、30日に開催されました。
このイベントは万が一の災害に備え、地域の住民の方々に避難所開設訓練、避難所生活を体験いただくことを目的としています。
その中で、豊田市の環境に優しく災害に強い町を目指す活動、SAKURAプロジェクトの一環として、豊田市とトヨタ自動車による、「給電車支援マッチングシステム」を活用した給電車支援依頼、給電車を活用した非常食づくりも併せて体験いただきました。
その模様をレポートします。
避難所開設訓練の中で、停電になった避難所に電力供給をするため、給電車の支援を依頼。トヨタ自動車が開発中の給電車支援マッチングシステムを使用します。
給電車支援依頼時に必要な情報は3つ。
1.必要な場所
2.希望期間
3.台数
これらをシステムで選択するだけで支援依頼ができます。
支援依頼が完了すると、
自治体関係者など、登録された支援者に依頼通知が届きます。
支援者からの支援受託通知を避難所(自治体)側で確認。今回は豊田市が保有する給電車が支援に向かいます。
一体何ができるのか?
支援車両が到着しました。
到着したのはプリウスPHVです。
プリウスPHVは一般家庭で4.5日分(バッテリー満充電、ガソリン満タンで1時間あたり400W使用の場合)の電気を供給することや、一度に最大1500Wの電気製品を使用することが可能です。
早速、給電の準備をしていきます。
今回は、エンジンが作動しない「EV給電モード」で給電スタート。
避難所でも温かい食事が出来るように、電気ポットとIHクッキングヒーターに給電します。
IHクッキングヒーターでコーンスープを湯煎、参加者は温かい飲み物で一息ついていました。
別のグループは、電気ポットで沸かしたお湯でインスタントラーメンをつくったり、レトルト食品や缶詰を湯煎し、温かい料理を食べていました。
参加者からは、「火が使えないところでも、電気があればいつもの道具で簡単に温かい食事をとることができた。」
と、当日冷え込んでいたこともあり、喜びの声があがっていました。
参加者に『給電車支援マッチングシステム』について伺いました。
「災害時にコンセントのあるクルマを支援要請できるシステムがあると、とても安心。」「今回は温かい食事づくりに使ったが、普段自分の周りは電気を使うものがいっぱいなので、災害時に電気の必要性を改めて実感しました。」など、今回の取り組みを歓迎されていました。
豊田市ではこれまでも『給電車マッチングシステム』を活用した実証実験を実施してきたとのこと。今後はどうなるのでしょうか。
豊田市のご担当にお話を伺いました。
豊田市「SAKURAプロジェクト」ご担当
(豊田市 企画政策部 未来都市推進課)
豊田市では、「SAKURAプロジェクト」の取り組みとして、環境にやさしく、災害時の非常用電源として活用できる外部給電機能を備えた給電車の普及啓発を進めています。
万が一、災害が起こり、電気の供給が断たれた時、クルマから電力を取り出すことで携帯電話の充電ができ、暖かいお湯を飲むことができ、辺りが暗くなっても照明をつけることができるからです。
そのような給電車を、必要な時に必要な場所に最適配車することができる「給電車マッチングシステム」を有効な手段として活用していきたいです。
今回のふじおか防災キャンプでは、「給電車マッチングシステム」を使って市役所から支援依頼の出ている避難所へ給電車を配車する役割でしたが、支援車両の位置を目で見てリアルタイムで確認することができたり、誰でも簡単に使うことのできる操作性があることを、実際に使って体験することができました。
今後も訓練や仲間づくりなど実用化に向けた体制構築を進めていきたいと考えています。
についてはこちら
災害時にも電気を断たない町づくりの実現に向けて「給電車支援マッチングシステム」の推進は着実に進んでいるようです。
今後も注目していきたいと思います。
「給電車支援マッチングシステム」については、「もしもの災害×動く電気」でもご紹介しておりますので是非ご覧ください。