BOLIVIALa Paz
海岸線を持たない内陸の地、ボリビア。
標高3,500mを超える高地で活躍する
ランドクルーザーを追った。
緯度S16.31
経度W68.11
TOURISM×LAND CRUISER
世界最大の塩湖がボリビアのウユニ地方にある。そこには幻想的な景色を楽しむために世界中から観光客が訪れる。クルマにとっては高濃度な塩の影響で腐食が進みやすくなる過酷な地で、観光客を乗せ、広大な大地を日々走り回るランドクルーザーを取材した。
ウユニ塩湖は標高3,700mに位置し、広さは10,582k㎡と、およそ四国の半分の面積をもつ。ここでは、団体ツアー客を乗せて走る何台ものランドクルーザーを見ることが出来た。
条件によって様々な表情を見せるウユニ塩湖に、そのランドクルーザーは人々を送り届けている。
現地の観光ドライバーたちは、個人でランドクルーザーを所有していた。“壊れにくいクルマを求めると自然とランドクルーザーになる。”と話す。
ウユニ塩湖周辺に舗装された道路は無い。ドライバーたちは悪路の中、観光客を目的の絶景まで安全に連れて行き、元の場所へ帰さなくてはならない。途中で止まることはあり得ない。強い意思を持って働くドライバーたちをランドクルーザーは支え、走り続けていた。
FARMING×LAND CRUISER
気候条件の厳しい痩せた土地でも栽培ができる穀物、キヌア。ボリビアでは今、この輸出量が伸びている。標高が高く、降水量が少なく、土壌の塩分濃度が高いといった悪条件の中、農夫たちの移動手段としてもランドクルーザーは活躍していた。
キヌアの栽培と塩の職人を兼業で働いている一家がいた。彼らが仕事場に行く際も、当然舗装された道路はない。道無き道をゆく彼らの生活の中に欠かせない存在としてランドクルーザーは共に働いていた。
ボリビアの産業として鉱物も有名である。鉱山で働く彼らもまた、ランドクルーザーを所有していた。狭い悪路は、鉱山まで片道12時間続く。行くのに1日、現地で1泊、帰ってくるのに1日。タフな道のりである。
フルーツ農家の夫婦は、週に一度、ランドクルーザーに乗って街に行商に来ていた。2tにも及ぶオレンジやスイカなどのフルーツを、17時間以上かけ、700kmを越える道のりを運んでいる。収穫の際にもランドクルーザーを使用しており、このクルマが生活を支えてくれていると話していたのがとても印象的だった。
ボリビアでは救急車や警察車両にもランドクルーザーが使われている。この国においても、このクルマの信頼性が認められていることを見て取ることが出来た。
取材を終えて
ボリビアという国は、街以外の道路は未舗装なものが多い。雨が降るとクルマがスタックしてしまい、通行止めも日常的に起きる。ランドクルーザーは、その中で人々の信頼を得て走り続けていた。彼らは相棒としてランドクルーザーを生活のそばに置き、大切に想ってくれていた。