TANZANIAKilimanjaro
赤道の南、アフリカ大陸タンザニアの
灼熱の大地。
過酷な環境において、縦横無尽に
走る
ランドクルーザーを追った。
緯度E37.21
経度S03.04
RANGER×LAND CRUISER
手付かずの自然が豊富に残るタンザニアには、広大な土地を自由に行き交う野生動物が多く生息している。しかし、残念なことにその生態系を乱す者が存在する。そんな問題に対処するため、野生動物の保護を目的とするNGOから支援を受け、24時間体制で監視を行うレンジャー団体。彼らとともに荒野を走り、パトロールを続けるランドクルーザーを取材した。
そのレンジャー団体は、一般人の立ち入りが規制されている広大な敷地で活動していた。
彼らを支えるランドクルーザーは、未舗装の土地で、1日200Km以上を低速で走行する。それはクルマにとっても過酷な環境であり、密猟者から自然を守る彼ら同様に逞しく感じた。
AMBULANCE×LAND CRUISER
タンザニアには、独立峰世界一の高さを誇る標高5,895mの山、キリマンジャロがある。コーヒーの産地としても知られるこの山には多くの登山者が訪れるが、高山病等で体調を崩す人も少なくない。そんな緊急時に出動の依頼を受け、人々を救っている救急車がいる。“雲の上の救急車”とも呼ばれる、過酷な地で人々の窮地を救うランドクルーザーを取材した。
私たちは救急車の後を追って、標高約2,000m地点から3,800m地点まで一気に駆け上がった。ここで取材陣に高山病の兆候が出たため、同行を断念せざるをえなかったが、救急車は無事に急病人を救助し下山した。
キリマンジャロで活動する救助隊は、急病人を安全なところまで、もしくは病院に緊急搬送する為に、急こう配な斜面も安全に走らなければならない。人を救うということに使命感と情熱を持って働く彼らは、クルマが走行するには困難な場所でも、ランドクルーザーなら無事に送り届けてくれるだろうという絶対的な信頼をそのクルマに寄せていた。
SAVE×LAND CRUISER
動物の宝庫タンザニアには、国立公園内を自由にクルマで走り、野生動物を観光できるサファリツアーというものがある。多くの観光客が訪れるその公園では、動物と人間が共存するために日夜働いている人たちと、観光客を乗せて大草原の中を縦横無尽に走るランドクルーザーがいた。
東京都の面積を超える広大な園内を管理する彼らは、動物達の生態系を崩さずに、同時に観光産業としても成立させるために働いている。彼らが乗っているのもまた、ランドクルーザーだった。
観光客を乗せたサファリ仕様のランドクルーザーは、撮影がしやすいように天窓が大きく開いている。公園内といってもここは舗装されていない自然のままの凸凹道が多い。そんな悪路走破が必要な場所で選ばれるクルマの9割近くがランドクルーザーであり、多くの人に非日常的な体験を提供していた。
取材を終えて
アフリカ大陸の中央付近に位置するタンザニアでは、幹線道路を除いた多くの道が舗装されていない。そんな地でランドクルーザーは、動物の保護のために、人の命を守るために、そして観光のために、走っていた。過酷な環境であればあるほど絶大なる信頼を得て、生活の中に根付いている姿がそこにはあった。