写真家・佐藤健寿とは?
世 界100カ国以上を旅し、奇妙な文化や風俗、建築、自然などを撮影している写真家、佐藤健寿(けんじ)氏。博物学的な視点を超えて、神聖さや美しさをも感じる「奇妙なもの」たちを「奇界遺産」と命名し、多数の作品を残している。
佐藤氏の作品は、極力シンプルかつニュートラルな視点で対象物をとらえることで「奇界」がもたらす生々しさや時空を超えるような存在感が際だち、見る者を圧倒する。そんな佐藤氏が捉えるプリウスの工場はどのように見えるのか?夏の暑さも残る日、豊田市の堤工場で注目のフォトセッションが行われた。
人間と機械、精緻で複雑、車体を創造する巨大な構造物
今 回、佐藤氏には堤工場の製造工程を一通り回った上で、独自の視点で気になるポイントを写真に納めていただいた。114万㎡にもおよぶ広大な工場内に配置されたプレス、組み立て、検査など各工程のエリアでは、精緻にひしめく機械と工員がいっさいのムダのない動きで車体を作り上げている。 「想像以上に人の手が加わり、製造機械やロボットも驚くほど細かく精緻な動きをすることに驚いた」という佐藤氏。
佐藤氏が捉える対象物は、オブジェクトとしての迫力はもちろん、その奥底に秘めた熱量をも感じさせる。佐藤氏が捉えた堤工場の姿からも、「奇界」とはまったく異なる場所ながら同じ熱量が伝わってくるから不思議だ。
精密さとタフさを生み出すTOYOTAのものづくりに共感
世 界中と旅し、時に悪路を長時間ドライブして目的地に向かうことも多い佐藤氏。そんなオフロードの定番といえばTOYOTAランドクルーザー。佐藤氏のTOYOTAに対するイメージは、そうした世界的にも認められる精密さとタフさだ。 「世界中何処に行ってもTOYOTAのロゴを目にします。悪路に強いだけでなく、メンテナンスもしやすく長く愛用される車。プリウスは、タイプの違う車ですけど、その緻密で正確なものづくりを目の当たりにすると、プリウスも力強く、どこまでも走って行けそうな印象ですね」
今回は廃墟ではなく、生きた建造物の撮影に臨んで頂いた佐藤さん。自動車工場を撮影するのはほぼ初めてだったということで、数台のカメラを駆使し様々なアングルで捉えていた。その選りすぐりの作品をギャラリーページで堪能して欲しい。
撮影・佐藤健寿
写真家。世界各地の“奇妙なもの“を対象に、博物学的・美術学的に撮影。写真集『奇界遺産』シリーズ(エクスナレッジ)は異例のベストセラーに。ほか著書に『世界』(朝日新聞出版)など。TBS系「クレイジージャーニー」ほか出演多数。「佐藤健寿展 奇界/世界」が全国美術館を巡回中。