DISCOVER CROWN SPIRIT PROJECT兵庫トヨタ

PROJECT

レストアは苦労の連続

兵庫トヨタがレストアしているのは1961年製の初代クラウン。20年間空調の効いたショウルームに展示してあり、数年前にボディを塗装して綺麗にしたこともあり、今回のレストアは、エンジンと足回りのメンテナンス程度で済むと思ったそうだ。しかし実際蓋をあけて見ると、錆びて朽ちていたり、錆を隠すために鉄板を溶接して錆を隠したりと、クラウンの形をした別のクルマだったそうだ。まずは、オリジナルに戻すところから始まり、ボディを修復するだけに約3ヶ月。他にもここはダメ、ここもダメと次から次に問題が起こっては修理し、結果としてほぼフルレストアすることになった。しかしそのおかげで純国産に拘って造った初代クラウンの真の凄さに触れ、エンジニアの技術を磨くことにつながったと言う。苦労しながらもレストア作業は最終段階に入り、今は多くのお客様に美しい姿を披露する日を待っている。

初代クラウンが築いたクルマの基本構造

初代クラウンの構造は、今の車と殆ど変わらない。それは部品を外していくと、実感出来るとエンジニア達は話す。例えば窓を開閉する構造は、ガラスをのせ上下させるレギュレータ(調節器)部分とそれを動かすギヤで出来ており、昔はギヤをハンドルで手回して窓ガラスを上下させていたが、それが今はモーターになっているだけ。部品点数を減らし小型軽量化するなどの進化はしているが、基本は当時と変わらない。そういった部分が殆どだと言う。60年以上前のコンピュータがない時代。トヨタのエンジニア達がトライアンドエラーを繰り返し、クラウンを造り込み築いたクルマの基本構造は、今のクルマに引き継がれ進化しただけ。そういった時代背景を含めクラウンの凄さを多くのお客様に知ってもらいたいとも語ってくれた。

トヨタのものづくりの凄さを感じる

“1枚の鉄板から初代クラウンが持つ独特な造形を作れと言われても作れない”と鈑金・塗装専門のベテランエンジニアは言う。レストアする初代クラウンは、ボディ下部の殆どが朽ちてない状態。それを作ろうと当時の職人さんならどう作ったのか想像しながら3・4日試行錯誤したそうだ。しかし結果は、とても1枚の鉄板から作ることが出来ず、最終的には3分割して同じ造形のパーツを何とか作り上げたそうだ。そういった「職人さんの仕事だ」と感じる部分がクラウンの随所にあり、「匠の技」で造り上げたことが肌に伝わってくると言う。しかも同一品質のクラウンを造って世に送り出したという事実に、トヨタのものづくりの凄さを感じ、レストアで体験したものづくりは、今後の業務の幅を広げると話してくれた。

お客様に五感で感じクラウンを知ってもらう

兵庫トヨタでは、初代クラウンの展示は今までも行っていたが、今回のレストアで走行も可能となり、もっともっとクラウンを知ってもらうために、お客様に五感で感じてもらえるイベントを企画し、各店舗を巡回させることを計画している。観音開きのドアの重厚感ある閉まり音。車内に流れる真空管アンプ独特のAMラジオの音。ゆったりと走り心地よく聞こえてくるエンジン音など、当時の音を聞いてもらうと、懐かしく思って頂ける人、クラウンの原点を感じて頂ける人など、個々のお客様で感じ取るものは色々とあり、それをクラウンを知ってもらう第一歩にし、新型クラウンへとつなげたいと言う。またレストアしたエンジニア達の想いや拘りなどと合わせて技術力を見えるカタチにし、技術力の高さをお客様にお伝えすることで、兵庫トヨタのファンづくりにつなげたいとしている。

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