DISCOVER CROWN SPIRIT PROJECT鹿児島トヨタ

PROJECT

レストアするクルマを求めて

鹿児島トヨタがレストアに挑むのは、社長が所有する2代目クラウン。当初は初代クラウンに拘り、県内を探したそうだが、オーナー様の思い入れがあり、なかなか譲っていただけない。見つかっても車の下部が朽ちていると、自社や関連会社に板金・塗装工場がないため修復がかなり難しい。クルマを探す日々が続き、気付いた時には3月。社長に相談すると“自分が所有する2代目クラウンなら貸すよ”と話があり、レストアすることに決まった。このクラウンは、鹿児島トヨタが販売し、下取り車で戻って来たクルマで、当時のオリジナルのまま。歴史的価値があり、鹿児島トヨタの歴史、クラウンの歴史を学ぶに相応しいと、まずは新入社員の研修の一環として、メッキパーツの磨きからレストアが始まった。

目標はエンジンが掛かり公道を走ること

レストアの目標は、エンジンを修理し、車検を取り公道を走れるようにすること。その第1ステップとしてエンジンの状態を確認することから始めたそうだ。エンジンが回転するかを調べ、合わせてプラグに火が飛ぶことを確認。次にピストンが上下してきちんと圧縮することを音で確認し、エンジン自体は問題が無いことが分かったそうだ。燃料系は、キャブレターを綺麗に清掃したが、ガソリンタンク内は錆びて、ガソリンも燃えない物質に変わっており、仕方なく簡易タンクをつないでエンジンを掛けたところ無事に掛かり、喜びと共に、“肩の荷が下りほっとした”とリーダーは話してくれた。今は、板金・塗装の外注先でボディが修復される日を静かに待っている。

クラウンは、材料の質の高さが全く違う

自動車は、鉄のパーツが組み合わさって出来ているが、クラウンに使用されているネジや鋼板は、「材料の質」が普通の車と全く違うと、板金のプロは言う。鹿児島県は、桜島の火山灰の影響で金属が錆びやすい地域。しかし2代目クラウンは半世紀前のクルマなのに使用されているネジには錆が殆ど無い。また一般的に、車のドアの角など、折り曲げた継ぎ目には切り口の端面を覆って防水し、錆びを防ぐシーリング材が施されるが、2代目クラウンにはそれが無いにも関わらず、錆が殆ど出ていない。“いくら屋根のある場所で保管していたといっても、半世紀も経ったクルマ。湿気は絶対あるので錆は出るはず”と、クラウンに使われる材料の質の高さに驚いたと言う。板金のプロは、こういった小さな部分を見て、その車の品質を見極めるそうだが、小さなネジ1本にも拘り、当時のエンジニア達が魂を込めて1本1本丁寧にネジを取り付けクラウンを組み立てていったことが肌に伝わってくるとも話してくれた。

レストアから始まるファンづくり

鹿児島トヨタのレストアは、板金・塗装が完成してからが本番を迎える。いろいろ問題が出てくるかも知れないが、それに立ち向い2代目クラウンを蘇らせることが、技術力をアピールしお客様に安心をお伝えすることに繋がると責任者は言う。レストア完成後は、各店舗を巡回してクラウンを知ってもらうイベントを展開することを決め、現在計画が進行中だ。さらに今回のレストアをきっかけに、初代クラウン、初代カリーナ、ソアラといった鹿児島トヨタが扱ってきた名車を会社の財産として蘇らせようという動きも出てきている。そして、歴史を語るクルマ達を会社のシンボルとして、鹿児島トヨタは日本の乗用車の歴史の中で、常に素晴らしい車を扱ってきたという“誇り”を社内に醸成すると共に、お客様へメッセージを送り続けることで、ファンを増やしていきたいと近未来像も語っていただけた。

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