DISCOVER CROWN SPIRIT PROJECT札幌トヨタ

PROJECT

創業当時の期待や想いを初代クラウンから学ぶ

1955年頃、乗用車は殆どがタクシー用に開発されたもので一般家庭にはあまり普及していない。それをトヨタが自家用車としてクラウンに夢をのせ販売したことで大衆の心を掴み、日本の自動車産業が発展していく礎を創った。そんな1955年製の産声を上げたばかりの初代クラウンのレストアに、札幌トヨタは挑んでいる。生まれたての証は、初期のロッドだけにあるインナーフェンダーのスリット。もちろん車の名札であるコーションプレートも1955年製であることを示す。「この世に生まれたばかりのクラウンに触れられる幸運は二度とないかもしれない。クラウンに懸けた諸先輩方の“期待や想い”苦労して切り開いてきた“お客様との絆”、「創業時の記憶」をレストアを通じて直に感じとり、今を振り返ることで、次の時代の基盤をより強固なものにしたい」と、チャレンジの日々が続いている。

レストアが生むオーナー様との絆

レストアする車両は、クラシックカーマニアのオーナー様から借り受けた初代クラウン。はじめはオーナー様も半信半疑だったため愛車にはあまり触れてほしくない様子だったそうだが、表面はヘコミもあり錆も浮いた状態であったため、「せっかくレストアするなら綺麗に直させてほしい」と想いを伝え、許可をもらいレストアに着手。板金・塗装で見違えるように蘇ったボディを見たオーナー様は、予想以上の出来だったのか、一気に距離が縮まり、「もっとこんなパーツを付けられないか」と、クルマ談議ができる関係となり、新たな信頼関係が生まれたという。レストアはただ直すだけでなく、お客様との絆づくりも教えてくれる。

クラウンの拘りは部品製作の難易度でも分かる

1955年当時は、クルマ1台を作り上げるのも大変な作業であったと想像されるが、そんな時代にデザインや装飾まで心憎い細部への作り込みはクラウンならでは。そしてボディ全体で表現している曲面は、なんとも美しい。しかし、いざ修理となるとこの曲面が難題に。フロントフェンダーからドアにかけての曲面のボディラインに、美しい曲面を描くステンレス製のモールが付くが、波を打つように変形しており修復を試みたが非常に難航。曲面と曲面との繋ぎなど高度な技術が必要であり、専門業者の協力を得て何とか修理にこぎつけた。“今の技術でも難しいとされる部品を60年以上前によく作ったな”とエンジニア達は感心する。1つの部品からでも当時のクラウンに掛ける想いが犇々と伝わってくる。

新・旧クラウンがあるから実感できる

年配の方々に「懐かしいな」と言われると、クラウンは歴史があるんだと実感できる。そして60年以上の歴史の中で常に時代の一歩先行く先駆者(パイオニア)として進化し続け、今のクラウンがあることが良く分かる。“そう実感できるのは新・旧のクラウンがそこにあるからだ”とレストア責任者は語る。「自分達が感じることは、必ずお客様にも伝わる」と、新・旧クラウンを同時展示し、お客様に触れてもらうイベント等を計画している。日本に純国産の自家用車を根付かせようという想いで生まれたクラウン。その想いが少しでもお客様に伝われば、トヨタのことを“もっともっと知ってもらう”ことに繋がると期待を寄せている。

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