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残価設定ローン(残クレ)のメリット・デメリットは?どんな人に適している?一般ローンやカーリースとの違いも徹底解説

クルマを購入する際の支払い方法の一つに「残価設定ローン」(残クレ)があります。この支払い方法には、月々の支払額を抑えられる特徴がある一方で、走行距離制限などの制約もあります。この記事では、残価設定ローンのメリット・デメリットを総合的に解説し、一般ローンやカーリースとの違いについても比較検討していきます。

残価設定ローン(残クレ)とは?

残価設定ローン(残クレ)は、将来の下取り額(残価)をあらかじめ設定し、その分の支払いを後回しにするローン契約です。車両価格から残価を差し引いた金額を分割払いできるため、月々の返済額を抑えられます。

一方で、契約満了時にはクルマを返却するか、残価を支払って買取るか、乗り換えるかという選択をする必要があります。また、返却時には走行距離や車両状態による査定があり、追加費用が発生する可能性があることも覚えておきましょう。

残価設定ローンと一般的なカーローンの違い

項目 残価設定ローン 一般的なカーローン
月々の支払い額 車両価格から残価を除いた金額を分割で支払うため少ない 車両価格の全額を分割で支払うため多い
契約期間 3〜5年が一般的 3〜10年と選択肢が多い
契約満了時 残価分を支払って買取りか、クルマを返却するか、乗り換えるかを選択 支払い完了で自分のクルマになる
クルマの扱い 走行距離制限やカスタマイズが制限される場合がある 制限なく自由に使える

残価設定ローンは、車両価格から残価を差し引いた金額を分割で支払うため、月々の負担が軽いというのが魅力の一つです。

一方で、一般的なカーローンは車両価格全額を分割で支払うため、月々の返済額は高くなりますが、完済後は自分のクルマになるという大きな違いがあります。ライフスタイルや予算に応じて、自分に合った支払い方法を選ぶことが大切です。

返済期間終了時の残価精算方法を簡単に解説

残価設定ローンの返済期間終了時には、「クルマの返却」「乗り換え」または「残価を支払って買い取る」といういずれかの選択をします。返却を選ぶ場合、事故修復歴がないことや走行距離が契約内に収まっていることなど、契約時に定められた残価保証の条件を満たしていれば、残価を支払う必要なくクルマの返却が可能です。また、そのまま新しい車に乗り換えたい場合は、購入店舗で同じメーカーの中から次のクルマを選択します。

残価を支払って買い取りする場合は、購入店舗で手続きを行います。

その場合は、契約時に設定された残価を一括または再クレジットで支払う必要があり、まとまった資金を準備しなければなりません。

いずれを選ぶかは、事前に慎重に検討をしておきましょう。

残価設定ローンの3つのメリット

  • ・月々の返済額が少なく支払いの柔軟性が高い
  • ・契約と車の購入手続きをスムーズに進められる
  • ・ライフスタイルに合わせて完済前に乗り換えられる

一般的なカーローンとは異なる仕組みであるため、残価設定ローンならではのメリットがあります。ここでは主な3つのメリットについて見ていきましょう。

月々の返済額が少なく支払いの柔軟性が高い

残価設定ローンは、クルマの残価を据え置くことで、通常の各カーローンよりも月々の返済額を大幅に抑えられます。そのため、これまで手が届かなかった高級車や上位グレードの購入も視野に入れることが可能です。

さらに、ご自身の状況に応じて柔軟な支払い方ができる点も魅力的です。たとえば、トヨタの残価設定ローンは、新規契約において一部繰上げ返済が可能です。そのため、ボーナスなどの臨時収入があったときに返済に充てることで、その後の月々の支払額をさらに軽減できます。

WEBサイトからも手続きができるため、資金状況に応じた柔軟な返済計画を立てられます。

契約と車の購入手続きをスムーズに進められる

残価設定ローンの場合、契約手続きは車を購入する販売店で完結します。車の注文手続きと同時に自動車ローンの審査や契約手続きを進められるため、金融機関に別途出向く必要がなく、時間と手間を節約できます。

さらに、専門スタッフに直接相談しながら契約を進められ、契約後も同じ販売店で不明点を相談できるので安心です。購入から支払いまでの一連の流れをスムーズに進められるでしょう。

ライフスタイルに合わせて完済前に乗り換えられる

残価設定ローンでは、ローン完済前でも新しい車への乗り換えができます。たとえば、現在のローン残債と車の下取額が同額になるタイミングで買い替えれば、下取額でローン残債を相殺できるため、別途精算金を用意する必要がありません。

結婚や出産、転勤などライフスタイルの変化に応じて車を変更したいときに、ローン完済を待たずに新しい車に乗り換えられるのは大きなメリットです。将来の変化に柔軟に対応できるため、長期的な視点で車選びができます。

残価設定ローンのデメリット

  • ・契約終了時に支払いの準備が必要
  • ・走行距離制限がある
  • ・ローンに対して金利が発生する

残価設定ローンには、一般的なカーローンにはない注意点もあります。ここでは、残価設定ローンのデメリットについて解説します。

契約終了時に支払いの準備が必要

契約終了時には、クルマの返却または残価の支払いを選択する必要があります。買取りを選ぶ場合は、再分割も可能ですが残価を支払う必要があるため、資金の準備が必要です。また、クルマを返却する場合でも、査定額が残価設定額を下回った場合は、差額の支払いが必要になる可能性があります。

ただし、トヨタの「残価設定型プラン」のように、一定の条件下で残価が保証されるプランもあります。契約時にこういったプランを活用すると安心して利用できるでしょう。

◎ポイント
予想外の追加料金を防ぐためにも、事前に追加料金や保証条件を確認しておきましょう。

走行距離制限がある

残価設定ローンには、1カ月あたりの走行距離制限が設けられている場合があります。超過すると追加料金が発生するため、長距離移動を頻繁に行う方は注意が必要です。しかし、日常使いが中心であれば、十分だと感じられる距離制限に設定されていることが多くあります。

ご自身のライフスタイルと照らし合わせて、無理のない範囲で距離制限が設定されているかを事前に確認するとよいでしょう。

◎ポイント
オドメーターやトリップメーターを活用して、月間の走行距離を把握しておきましょう。近年では、アプリから走行距離を確認できるものもあります。

ローンに対して金利が発生する

残価設定ローンは、毎月の支払いだけでなく据え置いた残価分にも金利が発生します。そのため、事前にどれくらいの手数料になるかを確認し、予め計画に組み込む必要があります。金利は販売店によって異なるため、最寄りの販売店に確認するとよいでしょう。

◎ポイント
ディーラーや販売店によって金利が異なる可能性があるため、比較検討するとよいでしょう。

残価設定ローン以外の選択肢1:カーリース

月々の負担を減らして、クルマに乗りたい方はカーリースの利用も検討していただくのがおすすめです。ここではカーリースについて詳しく解説します

カーリースの仕組み

カーリースは、毎月定額でクルマを借りられるサービスです。月額料金には自動車税や自賠責保険料、各種手数料が含まれており、追加費用の心配が少ないという仕組みです。

また、カーリースは購入ではないため、残価設定ローンのように利息を支払う必要はありません。必要な期間だけ利用できるため、ライフスタイルの変化に合わせやすいのも特長の一つです。

カーリースの魅力

カーリースは頭金や初期費用が不要なプランもあるため、まとまった資金がなくても気軽に新車に乗ることができます。契約プランによっては、満了時にクルマがもらえるものもあり、選択肢の幅も豊富です。

また、車検やメンテナンス費用が定額料金に含まれている場合もあり、突発的な出費のリスクが少なく、家計管理のしやすさも大きなメリットといえるでしょう。

残価設定ローンとカーリースの違い

項目 残価設定ローン 一般的なカーローン
契約の性質 購入(ローン) 賃貸(リース)
金利 残価を含む車両価格全体に金利が発生 金利なし(リース料金のみ)
月額料金に含まれるもの 車両代のみ 車両代(税金・自賠責保険料・車検費用・メンテナンス費用などを含むプランもあり)
契約期間 3〜5年が一般的 3〜11年と選択肢が多い
クルマの所有権 ディーラーにある リース会社にある
途中解約 原則不可 プランによって可能

残価設定ローンでは、契約満了時に下取りに出すか買取るかを選択できるため、将来的にクルマを所有したいという方に適しています。一方、カーリースは税金や自賠責保険料、メンテナンス費用なども月額料金に含まれている場合も多く、出費を定額に抑えられるのが魅力です

手続きの手間も少なく、クルマを「所有」するのではなく「利用」するという考え方にマッチしたサービスといえるでしょう。

残価設定以外の選択肢2:クルマのサブスク

残価設定ローンやカーリースの他に、クルマを利用する方法として、クルマのサブスクがあります。カーリースにはない魅力もあり、その違いをみていきましょう。

クルマのサブスクとは?

クルマのサブスクはクルマそのものを購入するのではなく、一定期間の「利用権」に対して料金を支払う仕組みです。契約は通常、年単位で行われ、月額費用には任意保険や自動車税、定期メンテナンス費用などの諸経費が含まれているサービスもあります。

これにより、突発的な支出がなく、安定したコスト管理が可能です。また、オンライン申し込みやクレジットカード決済にも対応しているケースが多く、手続きが簡単で便利なサービスといえます。

クルマのサブスクとカーリースの違い

比較項目 クルマのサブスク(KINTO) カーリース
任意保険料 月額費用に含まれる 一般的には別途支払いが必要
契約期間 トヨタ・スバル:3/5/7年で固定
レクサス:3年で固定
1〜11年と幅広く選択
中途解約 解約金0円プランあり、条件明確 原則不可、契約期間に応じた違約金
取扱車種 トヨタ・レクサス・スバルの新車 様々なメーカーから選択

クルマのサブスクとカーリースは非常に似たサービスですが、いくつかの違いがあります。とくにトヨタのサブスク「KINTO」の場合は、月額費用に任意保険料も含まれており、クルマに関する維持費がすべて定額に組み込まれているのが特長です。

これにより追加費用が発生しにくく、金銭面で安心して利用できます。また、中途解約でも解約金がかからないプランもあるため、ほかの最新車種を手軽に楽しめるのも大きな魅力といえるでしょう。

結局どの支払い方がおトク?向き・不向きの一覧

利用方法 向いている人 向いていない人
残価設定ローン ・3~5年で乗り換えたい人
・月々の支払いを抑えたい人
・長期使用したい人
・長距離運転をする人
一般カーローン ・クルマを資産として持ちたい人
・カスタマイズなど自由に使いたい人
・頭金の準備が難しい人
・数年で乗り換えたい人
カーリース ・さまざまなメーカーから選びたい人
・経費処理したい法人
・カスタマイズしたい人
・中途解約の可能性がある人
クルマのサブスク
(KINTO)
・任意保険も含めた、諸費用込みの定額で手続きを簡単にしたい人
・トヨタ・レクサス・スバル車に乗りたい人
・正規販売店でメンテナンスしたい人
・経費処理したい法人
・個人事業主
・他メーカーのクルマに乗りたい人
・自分のクルマを所有したい人

クルマの支払い方法はライフスタイルに応じて選ぶことが大切です。短期間で乗り換えたい方なら、月々の負担を抑えつつ返却や買い替えが選べる「残価設定ローン」が向いています。

長期的に所有したい方には、完済後に支払いが不要になる「一般カーローン」がおすすめ。定額払いを希望するならカーリースが便利です。任意保険も月額料金として払いたい人や、クルマのメンテナンスも正規販売店で依頼したい人などは、クルマのサブスク「KINTO」の利用を検討してみてください。

残価設定ローンにはメリットもある!生活スタイルに合わせてカーリースやKINTOの利用も検討しよう

残価設定ローンは、「月々の返済額が少なく支払いの柔軟性が高い」、「契約と車の購入手続きをスムーズに進められる」などのメリットがあります。完済前に乗り換えることができるなど、ライフスタイルに合わせて使える支払い方法といえるでしょう。

クルマの利用を検討されている方は、自身のクルマの使い方や予算に合わせて適切なものを選択することが大切です。将来のライフスタイルの変化も視野に入れて検討してくださいね。

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