2019.11.01
SPECIAL DRIVER
モリゾウが乗って感じた
新型車「ヤリス」
「モリゾウ」のことは皆さんご存知でしょうか? 実は、今回の新型車ヤリスの発表前にモリゾウがマスターテストドライバーとして試乗しました。今回は、モリゾウのドライバーとしての今までの活躍ぶりをご紹介するとともに、試乗当日の模様をお伝えします。ヤリスの走りに夢中になっていくモリゾウにご注目ください。
「モリゾウ」とは
トヨタ自動車の社長である豊田章男は、ひとりの純粋なクルマ好きとしての「モリゾウ」という、もうひとつの顔を持っている。様々なメディアに「モリゾウ」として登場するのはもちろんのこと、ドライバーとして自らハンドルを操りクルマの限界に挑んでいる。コースを走り抜けるレーシングカーのハンドルを握っているのは、社長・豊田章男ではなく「モリゾウ」なのだ。
レースに挑む理由
社長の豊田章男がラリーに興味を持ち、自ら参戦し始めたのは、2012年のこと。レースには「人とクルマを鍛えるための要素が詰まっている」。ラリーは主に公道を走り、あらゆるコンディションを経験し、自分たちで故障を直す。ラリーに参戦するようになった理由は、実にシンプルだった。

章男は、2013年に世界ラリー選手権(WRC)で4度王者になったラリードライバー、トミ・マキネンと出会う。「当初、私自身のドライビング技術向上に向けたアドバイスをお願いしておりましたが、それに留まらずラリーが持つ魅力そのものや、自動車開発技術とラリーの繋がりなど、マキネン氏からは、様々なことを教えていただきました」。お互いの想いを交わす中で、一緒に仕事をしていきたいと感じるようになっていったという。

2015年1月、トヨタは2017年に1999年以来18年ぶりにWRCに復帰することを表明。そして、欧州市場の主力コンパクトカーであるヤリス(日本名:ヴィッツ)をWRカーのベース車両としたのだ。チームの新体制も公に発表され、TOYOTA GAZOO Racing WRT(World Rally Team)の総代表に豊田章男が、チーム代表にはトミ・マキネンが就任した。
マスターテストドライバーとして
そのWRCでの奮闘ぶりは、別の機会にお伝えするとして、モリゾウは自身をレーシングドライバーではなく、あくまでクルマの味付けがわかるマスターテストドライバーであると語っている。まだ副社長だった2007年には、“もっとよいクルマづくり”のために社員有志のアマチュアチーム「Team GAZOO」を自ら組織し、ニュルブルクリンク24時間レースに参戦するなど、いわば表舞台に立ちつつ、マスターテストドライバーとして開発時の試乗テストにも熱心に取り組んでいる。

そして、いよいよ新型車ヤリスにモリゾウが試乗する時が訪れる——。
「いろんな道を一緒に走ってみたい」
発表を1か月後に控えた2019年9月のある日、モリゾウがテストコースに現れた。目的はもちろん新型車ヤリスに試乗するため。少し緊張した面持ちで乗り込んだモリゾウは、走り出してしばらくしてから、微笑みながらつぶやいた——「これ、すごいね。上質感を感じるね」。

矢継ぎ早に細かなメカニックを確認しながら、その走りに魅了されていく。今までのコンパクトカーのイメージが、このクルマの登場で一新されることを予感するモリゾウ。サングラスの向こうでモリゾウの眼が一際輝いた。
セカンドカーからファーストカーへ
試乗を終えたあと、モリゾウは以下のようなコメントを残している。「もうちょっと乗ってたいな、もうちょっと会話してみたいなと思わせるクルマ。小さいクルマ、中型、大型のクルマというヒエラルキーがあるでしょ。そのヒエラルキーをやっぱり壊しましょうというために、ヤリスという名前に変えましょうと。かつてヤリスは家族で持つ場合、セカンドカーだよね。(これからは)セカンドカーから、ファーストカーとして持てるクルマとしてヤリスという名前に変わると思う。その可能性を感じた」。

マスターテストドライバー、モリゾウの確かな手応えとともにヤリスは次のステージへ。
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