ACTION CLIP
「東北・みやぎ復興マラソン2017」篇

被災地の
“今”を支える
元気と笑顔。

沿岸部を襲う凄惨な光景を目の当たりにした日から6年半あまり。2017年10月、震災後、宮城県では初となる公認フルマラソン「東北・みやぎ復興マラソン2017」が、津波被害の大きかった宮城県の名取市・岩沼市・亘理町にまたがるエリアで開催されました。全国各地から訪れた参加者約13,000人があの日に想いを馳せながら、完成したばかりのかさ上げ道路(※)を駆け抜けました。今回、取材班は大会をサポートする宮城県オールトヨタグループの活動に密着。大会の運営を支えた具体的な取り組みと、その根底にある地元企業としての想いをお届けします。

※かさ上げ道路……盛り土によって防波堤の役割を果たす道路。津波被災地域で、仙台市から山元町にいたる約40kmで計画されており、2017年秋に岩沼市の7.2km区間が完成した。

復興の“今”を、
感じてほしい。

全国各地から約13,000人が参加した「東北・みやぎ復興マラソン」。県外からの参加者は海外も含め約6割にのぼり、当日会場に訪れた地元のみなさんを驚かせました。
「がんばれ!」「来てくれてありがとう!」懸命に走るランナーたちに向けて、沿道から飛び交うたくさんの声援。かつての地元の賑わいを取り戻したようだと、笑顔を見せてくれる人もいました。

「震災から6年半が経った今、震災への関心は薄れつつあります。マラソンを通して復興の様子を感じてほしい、という想いから始まりました」
そう語るのは、復興マラソンの主催者である株式会社仙台放送の取締役で復興マラソンの統括をつとめている平山準一さん。参加するランナーに復興の様子を知ってもらうため、マラソンの全コースを津波の浸水域にしたいという想いがありました。企画時にはまだ工事中の道路も多く、工期を早めてもらえるよう県や市との交渉に奔走。実現への道は容易ではなかったといいます。
その甲斐あって、開通したての新しいかさ上げ道路を通り、新設された防潮堤や慰霊と復興のシンボル「日和山」、津波から人々の命を守った「千年希望の丘」などを臨む2市1町にまたがる沿岸部がコースに決定しました。

宮城県オールトヨタグループは今大会のオフィシャルパートナーとして、計時・審判・救護などの運営面でランナーをサポートするべく、「シエンタ」や「エスクァイア」、「ヴォクシー」、「アクア」といったお馴染みのトヨタ車を提供しました。
先頭ランナーがやってきたことを各エイドステーションに知らせる先導車には、「プリウスPHV」が活躍。大規模災害時に確保が難しい電気を最大1500wまでまかなうことができるこのクルマは、人々にとって「希望の灯り」となるはずです。

スペシャルエイドステーション
「BACK TO THE HOMETOWN」

津波被害を受けた集落のほとんどが「災害危険区域」となり、住民は転居を余儀なくされました。今大会では、東日本大震災の浸水域にその集落の名前を冠したエイドステーション「BACK TO THE HOMETOWN」を設置。それぞれの地域にかつて住んでいた人々が集い、地元に伝わる郷土料理や伝統芸能を披露しました。岩沼市の岩沼とんちゃん焼きや名取市のせり鍋、亘理町のはらこ飯などが振る舞われ、立ち寄ったランナーはひとときの休息を楽しんでいました。

手渡しているのは
水だけじゃない。

一瞬だけ夏が戻ってきたような、10月とは思えないほどの強い日差しが照り付けた復興マラソン当日。「東北・みやぎ復興マラソン2017」のオフィシャルパートナーである宮城県オールトヨタグループのスタッフは、早朝からスタート約17km地点に設置された第7エイドステーションに集合しました。その役目は、疲れが見え始めたランナーに冷たい水と力の限りの声援を送り、ランナーを笑顔にすること。
給水カップをランナーが手に取りやすくするにはどうしたらいいか、カップを捨てるときにゴミ箱をどこに設置したらいいか、給水所の目印である立て看板をどの向きにすれば見えやすくなるか。調整は、ランナーがやってくるギリギリの瞬間まで続きました。

スタートから約1時間。とうとう先頭集団がエイドステーションにやってきました。「がんばって!」「お水をどうぞ!」その声に応えるように大きく手を挙げるランナーたち。水分補給と力強い声援が疲れを癒し、完走への後押しとなったようでした。

給水所を通過してすぐの沿道にセッティングされた横断幕には「東北に元気を!」「少しでも前へ!」「復興に向けて走り続けよう」といった応援メッセージの数々。それは、車いすジョギングや親子ペアランの参加者、応援に来た人たちによって書かれたもの。ランナーと被災地を元気づけたいという想いが込められていました。

「ランナーの“今日はご苦労様”や“ありがとう”という言葉に自分も元気をもらったような気持ちになりました。被災地の方々がこれからも心から笑顔でいられるよう、オールトヨタで取り組んでいきたいです」と話してくれたのは、仙台トヨペットの遠藤真さん。“この宮城(まち)の元気をもっと!”というグループの願いは、確かにランナーに伝わったようです。

マチホタルで交通死亡事故ゼロ!

歩行者が何か光を反射するものを持っていたら、夜間の交通死亡事故を減らせるかもしれない。さらに、ドライバーがハイビームで走るようになったら、その効果はもっと上がるはず。そんなトヨタの願いから生まれたプロジェクト、「マチホタル」。
今回はその活動の一環として、マラソンの参加者に夜間のジョギングにも役立つ反射材リストバンドをプレゼントしました。川べりを照らす無数のホタルのように、交通死亡事故ゼロを願うマチホタルが少しでも増えてほしい。街灯が復旧途上の街で、ちいさな光が練習に励むランナーの安全を守ります。

もっと、
希望が育つ街へ。

「東北・みやぎ復興マラソン2017」のメイン会場では、宮城県内30以上の市町村が一堂に会するご当地グルメの祭典「復興マルシェ」も同時開催。被災地応援として岩手県や福島県の絶品グルメコーナーも設けられ、多くの人で賑わいました。
会場を盛り上げようと、宮城県オールトヨタグループでは「TOYOTA WOW FIELD」コーナーを設置。中でも賑わったのは、狙ったところにボールをピタッと止められるかを競う「ダーツボッチャ」でした。ボールのコントロール力が求められる、なかなか難しいスポーツです。「悔しい~!」「もう1回!」と、プレイするうちに熱が入り、何度も挑戦する人もいました。これまで馴染みのなかったパラスポーツを、たくさんの人が楽しむ機会になったようです。

交通安全コーナーでは、とっさの方向転換や急ブレーキを踏むことの難しさを伝えるゲームが大好評。クルマの会社ならではの切り口は、子どもはもちろん、普段からクルマを運転している大人にも人気のブースとなりました。
「ボッチャでは、なんとか点をとりたいと言って子どもが何度も挑戦しに来てくれたのが印象的でした」と微笑ましげに語るのは、トヨタカローラ宮城の藁科成臣さん。
「宮城県を拠点に置くトヨタのグループ会社として、これからもボランティアやイベントなどを通して地域に根ざした活動を続けていきます」と、被災地復興への想いを新たにしました。

宮城オールトヨタグループでは、これまでも復興に向けて様々なボランティア活動に参加してきました。
例えば、震災で被害を受けた沿岸部に植樹によって約10kmの堤防をつくる活動「緑の堤防」の植樹祭。「オールトヨタウェーブグリーンプロジェクト」の一環として2016年5月から参加し、2018年の完成に向け、工場の森づくりなどで培ったノウハウを生かしながら、復興を後押ししています。
今大会のコースでも、この緑の堤防が確かに芽吹き始めていました。自然との共生のシンボルでもあるこの堤防は、木々だけでなく人々の笑顔もいっしょに育んでいるのかもしれません。これからも、この街でたくさんの希望を育てていくために。宮城県オールトヨタグループのアクションは、続きます。

編集後記

EDITOR'S NOTE

着実に、一歩ずつ前に向かって進んでいるという点で、復興とマラソンはよく似ています。
私たちはこの大会で、たくさんのつながりを目にしました。
ランナーに「頑張れ!」と温かな声援と拍手を送る沿道の応援、エイドステーションで懸命にランナーをサポートするボランティアスタッフ、そしてそんなボランティアにも優しく声をかけてくれる地元の人たち。
被災した人たちが、それでも力強く歩み続けてきた軌跡を辿る今大会。
地域のためにこれからも活動を続けていきたい。復興を願うだけではなく、自ら進んで関わっていきたい。その想いが、スタッフひとり一人の胸に確かに宿った1日となりました。

HOW WOW YOU

みんなに質問!あの時、どんなWOWがあった?

  • 名前
    花岡伸和さん
    職業
    会社員
    参加のきっかけは?
    日常用の車いすを使った競技があり、親子ペアマラソンもあったので、家族で参加できると思い参加しました。
    復興の様子について感じたことは?
    震災直後はスポーツ大会が不謹慎だという風潮がありましたが、それがなくなったことに大きな変化を感じました。
    今回の大会の中でWOWだったことは?
    競技者が楽しんでいたことです。日常の車いすを使った大会はあまりないので、もっと増えてほしいですね!

    車いすジョギング参加者

    会社員

    花岡伸和さん

  • 名前
    一関康平くん(左)/祐輔さん(右)
    職業
    小学5年生/スポーツインストラクター
    参加のきっかけは?
    子どもと参加できるマラソン大会だったからです。近所の家族と練習して大会に臨みました。
    復興の様子について感じたことは?
    まだまだ活性化には程遠いかもしれないけれど、イベント自体はとても楽しかったです!このイベントが復興に繋がると良いですね。
    今回の大会の中でWOWだったことは?
    生活用の車いすを使った種目はあまりないので、とても良い大会だと思いました。

    親子ペアラン参加者

    小学5年生

    一関康平くん

    スポーツインストラクター

    祐輔さん

  • 名前
    菊地一男さん
    職業
    建設業
    参加のきっかけは?
    地元では鳥の海ふれあい市場の理事長をつとめたり、惣菜店を経営したりしてきました。今回は亘理町から紹介を受け、いつも活動している仲間と出店しました。
    復興の様子について感じたことは?
    震災前の風景にはまだまだ戻っていませんね。このイベントを通していろんな人に地域のことをもっと知ってもらえると嬉しいです。
    今回の大会の中でWOWだったことは?
    アクセスが悪い中、わざわざ香港から参加してくれた人がいたことに驚きました。

    復興マルシェ出展者

    建設業

    菊地一男さん

  • 名前
    後藤文昭さん
    職業
    会社員
    参加のきっかけは?
    年に数回、仙台の勾当台公園や山形の寒河江などでイベント出展しており、その一環で参加させてもらいました。
    復興の様子について感じたことは?
    被災地の企業として、会社を立て直すことで地域に貢献していきたいと思っています。
    今回の大会の中でWOWだったことは?
    県外から来たというお客さんがたくさんいたことです。一人でも多くの人に被災地の頑張りを見てもらえたら嬉しいですね。

    復興マルシェ出展者

    会社員

    後藤文昭さん

  • 名前
    梁川英子さん
    職業
    会社員
    参加のきっかけは?
    震災時に大阪から支援に来てくれた方が参加すると聞き、ボランティアセンターを運営したメンバーで集まりました。
    復興の様子について感じたことは?
    瓦礫でまったく通れなかった道をマラソンで走ることは、当時からするとまったく考えられなかったですね。
    今回の大会の中でWOWだったことは?
    13,000人以上の方が大会に参加し、被災地を気にかけてくれているのだということが感じられてありがたいです。

    エイドステーション ボランティア

    会社員

    梁川英子さん

  • 名前
    吉田睦さん
    職業
    会社員
    参加のきっかけは?
    自分もよくマラソン大会に出ています。今回は参加してくれた人にありがとうという気持ちから沿道で応援させてもらっています。
    復興の様子について感じたことは?
    震災後の沿岸地域はまるで日本ではないようでした。マラソンをきっかけにインフラの整備が急ピッチで進み、避難も以前よりしやすくなったと思います。
    今回の大会の中でWOWだったことは?
    マラソンに合わせてインフラが整ったこと。思ったよりも早くてびっくりしました。

    沿道応援

    会社員

    吉田睦さん

  • 名前
    新井沙和さん
    職業
    大学院生
    参加のきっかけは?
    研究室のみんなと一緒に参加しました。
    復興の様子について感じたことは?
    仙台の街中にいるとあまり感じないけど、沿岸に来るとその被害の大きさを感じます。
    今回の大会の中でWOWだったことは?
    「来てくれてありがとう」という沿道からの応援です。エイドステーションでもらったトマトが美味しかった!

    フルマラソン参加者

    大学院生

    新井沙和さん

  • 名前
    坂牧光義さん
    参加のきっかけは?
    40年マラソンを続けてきました。今回は東北を笑顔にしたいという気持ちで来ました。
    復興の様子について感じたことは?
    車で一度通ったことはあったのですが、当時の爪痕がどんどんなくなって、整備されていると感じました。
    今回の大会の中でWOWだったことは?
    今回は息子と一緒に参加したのですが、最後の1km地点で後ろから追い付いてきた息子に声をかけられてとても驚きました。

    フルマラソン参加者

    坂牧光義さん

  • 名前
    平山準一さん
    職業
    仙台放送取締役(復興マラソン統括)
    イベント開催までどんな苦労や想いがありましたか?
    コースの選定と調整に苦労することもありましたが、被災地の今を見てもらうため「やっとここまできた」という想いでいっぱいです。
    イベントを通してどんなことを地域内外の方に伝えたいですか?
    被災地はまだまだ復興途中。マラソンを毎年開催することで、まち全体をさらに盛り上げていきたいです。
    今回の大会の中でWOWだったことは?
    「楽しかった」という素直な言葉がとてもありがたく感じられました。

    主催

    仙台放送取締役
    (復興マラソン統括)

    平山準一さん

  • 名前
    遠藤真さん
    職業
    仙台トヨペット 車両部 営業企画課
    イベント開催までどんな苦労や想いがありましたか?
    マラソンの給水を行うのは初めてでしたが、メンバーの協力のおかげでスムーズに運営できました。
    復興の様子について感じたことは?
    普段は自分から足を運ばないとなかなか気付けないが、改めて見ると復興道半ばなのだと感じます。
    今回の大会の中でWOWだったことは?
    ランナーのみなさんから「今日はご苦労様」「ありがとう」と言われたことがうれしかったです。

    エイドステーション ボランティア

    仙台トヨペット
    車両部 営業企画課

    遠藤真さん

  • 名前
    藁科成臣さん
    職業
    トヨタカローラ宮城 新車部 営業企画室
    今後、復興のためにやっていきたいことは?
    ボランティアやイベントを通して、地域に根ざした活動をこれからも続けていきたいです。
    イベントを通してどんなことを地域内外の方に伝えたいですか?
    宮城には美味しいものや楽しいことがたくさんあるので、どんどん地域に関わってほしいです。
    今回の大会の中でWOWだったことは?
    被災地のために、県内外から13,000人以上もの方が参加してくれたこと!

    エイドステーション ボランティア

    トヨタカローラ宮城
    新車部 営業企画室

    藁科成臣さん

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2017.10.01 MIYAGI

震災後、宮城県では初となる公認フルマラソン「東北・みやぎ復興マラソン2017」。宮城県オールトヨタグループはエイドステーションの運営や大会運営車両の提供などを通してランナーをサポートしました。「がんばれ!」「ありがとう!」の声が交錯する中、ランナーと地元住民、そしてボランティアスタッフとの間に、どんな“絆”が生まれたのでしょうか?