走行性能
プラットフォーム
TNGA*を基本に、各部材配置および結合構造を最適化するとともに、超高張力鋼板(ホットスタンプ材)、高張力鋼板、アルミ材を積極的に採用。軽量かつ高剛性ボディによって、振動・騒音の少ない走りと卓越した操縦安定性を実現しています。
上質感を演出するシーンを想定し、最適に防音材を配置。乗員が乗って、走ってすぐに分かる「静けさのあるプライベート空間」、「走り出しの滑らかなフィーリング」、「高速走行での会話のしやすさ」を高水準に達成しています。また、燃費にも大きく影響する空力性能の向上を目指し、ボディ形状の工夫やフラットな床下形状によって、風の流れの抑制や空気抵抗の低減を追求しています。
重厚感としなやかさを合わせ持つ「乗り味」の実現を目指して、マクファーソンストラット式(フロント)とダブルウィッシュボーン式(リヤ)の各サスペンションに入念なチューニングを施しています。
[重厚感の追求]
路面のアップダウンや凹凸に対し、フロント/リヤコイルばね、スタビライザーばねの特性を最適化することで、クルマの上下挙動をより自然に制御しています。
[しなやかさの追求]
旋回時などのクルマの姿勢の決まりやすさや収まりやすさを改善するため、アブソーバーに適切な摩擦特性を付与。さらに、アブソーバー減衰力の最適化を図り、路面の凹凸を感じさせないフラットな乗り心地とボディコントロールの両立を実現しています。
力強く静かな、新感覚ドライブの要。
フロントモーターの小型・軽量化および高出力密度化を実現。EV走行ならではの力強い加速性能と、優れた静粛性を両立しました。また、E-Four(電気式4WDシステム)を採用。後輪をパワフルに駆動させることで、走りと燃費を高次元で両立しています。
EV走行に、さらなる体力を。
高容量高出力のリチウムイオン電池を搭載し、バッテリー総電力量18.1kWhを達成。EV走行性能を大幅に高めました。また、車体中央の床下に搭載することで、ゆったりとした室内空間を確保。低重心化により、操縦安定性や乗り心地にもさらなる磨きをかけています。
電圧や電流を、自在に支配。
改良された素子の採用などにより優れた低損失性能を実現。また、小型・軽量化を図ることで、トランスアクスル直上搭載を可能にしました。さらに、バッテリーの直流電流とモーター駆動用の交流電流を最適に制御する昇圧コンバーターを追加し、大電流化を図っています。
パワーユニット
高い燃焼効率・高出力を両立した「2.5Lダイナミックフォースエンジン」と、進化を続けるハイブリッドシステムの小型・軽量・高効率化技術を組み合わせることで、優れた動力性能と低燃費を実現しています。
低燃費と力強い走りを可能とした2.5L直列4気筒エンジンを搭載。高圧縮比・ロングストローク化、タンブル流強化と吸気流量アップを両立する高効率吸気ポート、直噴インジェクタにより高速で安定した燃焼を実現。さらに、吸気バルブの開閉タイミングを最適制御するVVT-iE*を採用し、レスポンスを向上。高出力化と燃費向上を高次元で叶え、最大熱効率は41%に到達しました。
[PHEV車、ハイブリッド車に標準装備]
シフトを「S」ポジションに入れることでマニュアル感覚のシフトチェンジができる6速シーケンシャルシフトマチックを備えています。
ガソリン車には、胸のすく動力性能と、優れた低燃費をもたらす2.0L直列4気筒エンジンを搭載しています。マルチホールの直噴インジェクタやロングストローク化などにより、燃焼を高速化。さらに、吸気バルブの開閉タイミングを最適制御するVVT-iEを採用し、レスポンスを向上させています。また排気・冷却・機械作動時などのエネルギーロスも低減し、最大熱効率は40%に到達。全域でのトルクアップと燃費向上を高次元で両立させました。
従来のCVTに発進用ギヤを追加し、発進から高速域まで力強くダイレクトな走りと低燃費を実現。マニュアル感覚のシフトチェンジが楽しめる10速シーケンシャルシフトマチックやSPORTモードなどにより、スポーティな走りを存分に楽しむことができます。
前輪駆動状態と4輪駆動状態を自動的に電子制御します。通常の走行時には前輪駆動状態で燃費効率の良い走りを実現。発進時や滑りやすい路面での走行時には、車両の状態に合わせて最適なトルクを後輪に配分します。旋回時には、ステアリング操舵量からドライバーが思い描くターゲットラインを算出し、車両挙動に応じてきめ細かく後輪にトルクを配分。これらの制御により雪路だけでなくドライ路面での安定した走行を実現しています。また走行中における4WD作動状態の変化は、マルチインフォメーションディスプレイで確認できます。
[ガソリン車(4WD)に標準装備]
パワフルな走りと、優れた環境性能を。
もっとパワフルに、もっと遠くへ。大容量リチウムイオンバッテリーを採用し、よりモーターが主体となって走行するシステムを開発。システム最高出力*を大幅に向上させ、力強い加速を実現しました。また、EV走行距離を飛躍的に延ばしながら、優れた燃費性能を確保。爽快なドライビングを体感できる、クリーンな一台へと鍛え上げました。
E-Four
加速時や雪路などの滑りやすい路面で、スムーズに4WD状態へ切り替えることで、発進性、走行安定性を賢くアシストするE-Four*が、さらなる進化を遂げました。後輪トルクの出力を増加させた上で、前後輪トルク配分を100:0~20:80へと高めて、より緻密に制御。旋回時に、思い描いたターゲットラインを的確に捉え、車両の挙動を安定させます。また、降雪時や雨天時における登坂発進時の安心感も高めています。
[PHEV車、ハイブリッド車(E-Four)に標準装備]
充電・給電
モーターによる滑らかな加速が続く。
大容量リチウムイオンバッテリーの搭載により、満充電からのEVモードでの走行距離は93kmを達成。普段の運転のほとんどをEVモードで楽しめます。しかも、アクセルを強めに踏み込んだり、暖房を使ったりしても、エンジンがかかりにくくなっています。
シーンに合わせて選べる、3つの走行モード。
モーターによる、力強くクリーンな走り。
システム起動時は「EVモード」に選択されます。基本的に、大きくアクセルを踏み込んでもエンジンは始動せず、モーターのみで駆動して静かに走行。排気ガスを出さないクリーンな走りで、日常走行のほとんどをカバーします(電池残量が不十分な場合はエンジンが始動)。また、早朝や深夜などエンジン音が気になるときや排出ガスを抑えたいときに便利です。
モーターとエンジンによる、スポーティな走り。
主にEV走行をメインとしながらも、アクセルを大きく踏み込んだときなど瞬間的なパワーが必要なときにエンジンを始動。モーターとエンジンによるダイナミックな加速を実現します。
電力を温存できる、効率のよい走り。
システムの状態に応じてエンジンを始動・停止。電池残量が低下した際は自動でHVモードとなり、回生ブレーキなどにより充電レベルが回復すると、自動でEVモードに復帰したり他モードへの切り替えが可能になります。また、バッテリーパワーを活用してエンジン回転数を抑えることで加速時のエンジンノイズを低減。EV走行だけでなくHVモードでも優れた静粛性を確保します。
電力を使い切っても、自力で発電。
EV走行に必要な駆動用電池残量が低下した際、スイッチ操作により、エンジンで発電した電気をバッテリーに充電。外部充電せずに再びEV走行ができるようになります。
冬場のEV走行に、寒さ対策を。
冬場において、EV走行距離の減少につながる「暖房の使用」と「駆動用電池温度の低下」に備えた2つの装備を採用。EVモード中でもエンジンを可能な限り作動させずに省電力で車内を暖め、EV走行距離への影響の少ない「ヒートポンプオートエアコン」と、外部充電中に自動で駆動用電池の温度を上げる「駆動用電池専用ヒーター」を搭載しています。
乗車前にエアコンを起動し、冬場はあたたかく、夏場は涼しくしておくことができます。スマートフォンアプリ「My TOYOTA+」*を使えば、1℃ごとの設定温度に加え、フロント・リヤガラスの曇り取りが可能です。また、充電接続中にエアコンをつければ、バッテリーの消費を抑えながら利用可能です。
自宅でも、外出先でも、気軽に充電。
付属の充電ケーブル*1とコンセントをつなぐだけで手軽に充電可能。100V電源なら、専用の配線工事はいりません*2。また外出先でも充電でき、最寄りの充電スポットもスマートフォンアプリ「My TOYOTA+」から簡単に探せます。
充電方法は、クルマとコンセントをつなぐだけ。
ケーブルの長さは7m。メーカーオプションで15mも選択できます。*
家電感覚で、充電の予約ができる。
普通充電の開始時刻またはクルマの出発時刻をあらかじめ設定できる機能です。ディスプレイオーディオ画面やマルチインフォメーションディスプレイから充電の予約が可能。また、スマートフォンアプリ「My TOYOTA+」では、次回予約の変更や、遠隔操作で充電を行うことができます。出発時刻に合わせて満充電にするなど、バッテリーに優しい使い方が可能です。
充電中も、クルマがリビングのように。
充電中に、ブレーキペダルを踏まずにパワースイッチをONモードにすると、外部電源からの電力によってエアコンやオーディオ、シートヒーターなどが使用可能に。また、マルチインフォメーションディスプレイで、マイルームモード使用中の電力収支の目安を確認できます。
屋外で、電源が使える。
大容量のバッテリーに蓄えた電力を「走る」以外にも使えるハリアー(PHEV車)。ラゲージに設置されたコンセントによる車内での使用に加え、付属のヴィークルパワーコネクターを普通充電インレットに挿し込めば、100Vの外部給電用コンセントに早変わり。合計1500Wまで対応するので、消費電力の大きな電気製品も安心です。
選べる「外部給電モード」は2つ。
レジャーやアウトドアなどに。
EV給電モード
お出かけ先で、電気が使えます。エンジンをかけずにバッテリーだけを使って給電。バッテリー残量が所定値を下回ると給電を終了します。
停電・災害などの非常時に。
HV給電モード
万が一の時にも、クルマを電源として活用できます。はじめはバッテリーのみで給電。バッテリー残量が所定値を下回るとエンジンがかかり給電を継続します。
走りの快適性
減速行動を先読みして、燃費の向上に貢献。
ドライバーの過去の減速・停止行動を蓄積し、支援地点として自動的に登録。登録された支援地点に接近すると、状況に応じてアクセルOFF操作を促したり、エンジンブレーキ力を高めることでより多くの電気を回収します。
[PHEV車、ハイブリッド車に標準装備]
路面の凹凸に応じて、エンジン(ガソリン車)・モーター(ハイブリッド車)のトルクをリアルタイムに制御することで、車体の揺れ(ピッチング)をコントロールし、滑らかでフラットな乗り心地に貢献します。
[ハイブリッド車、ガソリン車に標準装備]
複数の走行モードから状況に合わせて最適な走りの選択が可能です。状況や気分に合わせた走りのテイストが、ドライビングの歓びをさらに広げます。
■EVドライブモード*
モーターのみで静かに走行。早朝や深夜などエンジン音が気になる時や排出ガスを抑えたい時に便利です。
[ハイブリッド車に標準装備]
ワインディング走行等のシチュエーションにおいて、ブレーキ制御により、内輪に制動力を付与し、コーナリングをアシストします。
ステアリング制御(EPS*2)、ブレーキ制御(VSC、ABS*3)、駆動力制御(VSC、TRC*4)を協調して制御します。例えば、滑りやすい路面でのコーナリング時などに、車両の挙動が安定する方向に駆動力配分と操舵トルクをアシスト。優れた操縦性と走行安定性を確保します。