EVENT REPORT

クラウンスポーツ発売記念 開発主査との交流イベント開催!

2023.12.11

10月28日(土)と29日(日)の2日間、福岡市中央区にオープンしたばかりのクラウン専門店「THE CROWN福岡天神」において、新型クラウンスポーツデビューフェア特別企画
『クラウンスポーツ開発者本間主査との交流イベント』〜クラウンスポーツの開発秘話聞いちゃおう!!~が開催された。

新型クラウンスポーツの登場、THE CROWN福岡天神のオープンに合わせ行われた本イベントは、クルマ開発者の想いを直接一般のお客様に届けると共に、お客様との双方向コミュニケーションを通じて、普段なかなか聞くことができない話が展開された。

見て、乗って、走ってWOWと感じて頂きたい

まずは第1部のクラウンスポーツの開発コンセプトやデザインに関して本間主査からモニターに説明画面を投影しながら説明があった。

クラウンスポーツ開発主査 本間

クラウンスポーツ開発主査 本間

今回のクラウンは、クロスオーバー、スポーツ、そしてもうすぐ登場するセダン、最後にエステートという4種のラインアップが用意されます。
それぞれに狙いとする性能とコンセプトがありますが、クラウンが大切にしてきたDNAは2つです。

1つは静粛性、もう1つは快適性。今回のクラウンスポーツはそうした快適に街乗りもできるクルマながら、ワインディングではキビキビ走る。そんなクルマを目指して、開発を進めてきました。

「硬いだけがスポーツじゃない」そう思って頂けると嬉しいです。

デザインはエモーショナルで創造的なカタチを目指しました。

サイドから見たデザインの特徴はリヤタイヤにめがけて凝縮感と伸びやかさを、リヤフェンダーは大きく張り出させ圧倒的なワイドスタンス感を表現しています。また、線ではなく面で立体感を作り出し、これ見よがしではない、シンプルな造形でありながらも力強い印象を目指しました。
実は、クルマを輪切りにすると同じ断面は1つも無いんです!!

内装はアシンメトリーの内装色が特徴です。右側の運転席側はブラック、一方で助手席はレッドやブラウンといったように左右の配色を変えています。運転席まわりはブラックの空間でドライバーが運転に集中できるように。少し視線を動かすと違う色が目に入ってきて運転への高揚感を高める狙いがあります。さらにPHEVはシートベルトやステアリングホイールの下部、ステッチにはレッドのアクセントを入れ、スポーティな印象を強調しました。

走りに関しては「楽しいか? 楽しくないか?」もうそれに尽きると思います。
では楽しいクルマとはどんなクルマだろうというふうに考えたとき、やはり意図通りに曲がるとか加速するといったことがポイントだと思います。
たとえば曲がる気持ちよさは、いかにしなやかに旋回して曲がる体勢を作れるか、いかにしなやかに旋回して曲がる体勢を作れるか、いかに早いタイミングからアクセルを踏み込めるか、こういったところが肝になるのかなと思っています。

通常カーブでは、ブレーキを踏んで速度を落として、旋回姿勢に入ると思います。そのときに減速からスッとコーナーに寄せていく動き、早いタイミングでいかに旋回姿勢を作れるかなど、クルマの動きを安定させて、早いタイミングからアクセルを踏んでも怖くないクルマを目指し、DRSという後輪操舵システムや4WDシステムを用い作り込んできました。誰もが運転がうまくなったかのように感じていただけるクルマに仕上がったのではないかと思っています。

開発で一番大変だった点は?

ここからは第2部の質疑応答。
はじめは緊張して質問がでてこない参加者が多かったため、まずはTHE CROWN福岡天神の千原店長から事前に預かった質問を開発担当者の本間主査にたずねると、会場の空気も和らぎ、徐々に参加いただいたお客様から質問が投げられるになった。

THE CROWN福岡天神 店長 千原

THE CROWN福岡天神 千原店長

Q:クラウンスポーツの開発で一番大変だったところはどんなところでしょうか?

A:クラウンにふさわしいのは上質な乗り味だと考えています。ボクらも最初はスポーツというイメージがあったものですから、少し硬いクルマを作っていました。ただ乗ってみるとやはりクラウンらしさが足りていないと感じまして、どうやったらクラウンらしさを確保しながら、俊敏な走りを実現できるだろうというところが一番難しかったですね。そこで、後輪操舵の制御の仕方や、サスペンションのダンパーのチューニングの試行錯誤を繰り返し行い、上質で俊敏な走りを実現することに実はかなり苦労しました。

Q:一言でまとめるのは難しいと思いますが、クルマの開発というと実際にはどんなステップで進んでいくのか、具体的に教えていただけますでしょうか?

A:まず簡単にお話すると、最初にお客様が求めているクルマはどういったクルマだろう?というのを考えながら企画を進め、その企画をデザインで表現する、それを図面に落とし込み、試作し評価をし、量産につなげる。こういった流れで開発を進めていきます。一番上流での企画を担当しているのが、私が所属している製品企画という部署です。ここで、こういったお客様をターゲットにしましょうとか、こういった使い方をご提供しましょうといった使用シーンみたいなところを考えながら、クルマのコンセプトを考えていきます。

そのコンセプトをスケッチで表現、その後はクレイモデルで形にしていくのですが、実際に量産に繋げるため生産技術のメンバーと会話をしながら、順次図面を作り込んでいくのです。その図面をもとに今度は試作品を作り、確認していきます。その確認作業では足まわりの走りの評価や、延べ何万km、何十万kmを走って耐久性などを評価します。さらに安全性を確保するため、実際にクルマをぶつける衝突試験なども実施します。

これで開発が終わりかというとそうではなくて、次は量産するときに、どうやったら組み立てしやすいか?などの確認も必要です。このような一連の流れを、4車種とも実施しています。順次発表していくのですが、これができるのもクルマの土台であるTNGA(Toyota New Global Architecture)というクルマの素性を磨き上げたプラットフォームによるものです。

左の車両は非売品のクラウンクロスオーバー アウトドアコンセプト(東京オートサロン2023出展モデル)、右の車両はクラウンスポーツ

※左の車両は非売品のクラウンクロスオーバー アウトドアコンセプト(東京オートサロン2023出展モデル)、右の車両はクラウンスポーツ

Q:クラウンスポーツやクラウンクロスオーバーという形で新しいクラウンが出ました。レクサスのRXやNXとも価格やターゲットも含めて一部重なる感じがしますが、どのような狙いで開発されたのでしょうか?

A:特定のこの人というターゲットを設定するわけではなく、様々なお客様像をイメージし、お客様に合った最良のクラウンを選択頂きたいと考えています。例えば、先代のクラウンに女性が乗っていると、旦那様のクルマに乗っているのかなとか、若い方も同じでお父さんのクルマを借りてきたのかなと思われる節がありました。

クラウンスポーツは、女性や若い方が乗っても、自分でクラウンを選んだのかなと思っていただけるような、そんなクルマにしたいという思いを込めています。またご年配の方にも若々しくありたい自分を表現できるクルマとして、選んでいただきたいです。

Q:クラウンスポーツの全幅が広く、立体駐車場に入らないケースも。あと数センチメートル小さくできなかったのでしょうか。

A: 我々も立体駐車場の規格は把握していますし、正直凄く悩みました。たかだかあと数センチと思われると思いますが、実はクルマのデザイン・開発にとって数センチはかなりのインパクトがあります。
寸法が10ミリ変わっただけで、皆さんが想像する10倍くらい見た目の印象が変わってしまうのです。
様々な寸法を試し、スポーツのこのデザインを実現するにはこのサイズしかないということで、凄く悩みましたがかっこいいデザインを優先させて頂きました。

未来の開発へ活かすために

Q&Aセッション終了後の熱気が冷めやらぬ中、会場ではイベント参加者と開発主査である 本間主査による熱心な対話が個別で続いていた。そこではクラウンのデザインコンセプトや乗り味、細部のこだわりに至るまで、たくさんのご意見やご質問を来場の皆さまから頂戴した。

本間主査は来場者の言葉へ耳を傾け、いただいたご意見に対して真摯に受け止めていた。また、ご質問へは開発における狙いや目的を丁寧に説明し、回答した。その言葉ひとつひとつには、クラウンスポーツに対する熱い想いが込められている様子が印象的だった。

本間主査はイベントを通じて「一般のお客様へ開発者の話を聞いていただく趣旨のイベントでしたが、開発者自身もお客様から直接ご意見を伺えたことで、今後の車両開発に活かしていける気づきや発見を得ましたし、何よりもお客様の笑顔に触れ、今後の開発に向けた活力を頂戴できました」と感想を語った。今回のファン交流イベントは、お客様と開発者の双方向コミュニケーションによる”開発の答え合わせの場“であり、”未来の開発に活かす貴重な意見交換の場“でもあったのだ。

THE CROWN 福岡天神
イベント開催店舗
THE CROWN 福岡天神

福岡県福岡市中央区渡辺通4丁目8-28 FTビル 2F

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