ICELANDReykjavik
北極圏直下の島国、極寒のアイスランド。
氷河地帯でレスキュー隊と働く
ランドクルーザーを追った。
緯度N64.08
経度W21.54
RESCUE×LAND CRUISER
大地を覆う巨大氷河。その環境下で、人々の命を救っているレスキュー隊員達が、アイスランドの各地にいる。彼らは、事故が起こると国からの要請が入り、救助活動に向かう。積雪が2mを超えることもある場所で、負傷者を安全な場所まで送り届けなければならない。そんな使命をもって極寒の極限状態の中でレスキュー隊員達と共に働くランドクルーザーを取材した。 今回は特別な許可を得て、年に1度の大規模雪上走行訓練に同行することができた。
早朝からの訓練開始のため、夜間におよそ7時間かけて首都レイキャヴィークから約350km離れた集合場所の山小屋へ向かった。
23時を過ぎたころ、目的の山小屋に到着した。そこで私たちを出迎えてくれたのは、幻想的な景色だった。
訓練当日は、ダイヤモンドダストが輝くマイナス20°Cの晴天。クルマ50台、雪上車数台、スノーモービル50台、総員190名ほどの隊員たちが全国から集合した。ランドクルーザーとプラドで60%ほど、ハイラックスも含めればおよそ70%はトヨタのSUVが占めている。レスキューのクルマが途中で止まる訳にはいかない。隊員たちも命を預けられるクルマとして絶大な信頼をよせていた。 これから1日をかけて雪上走行訓練が行われる。目的地は告げられないまま、訓練がスタートした。
この日の訓練にはレスキュー隊員以外にも、プラドを駆る警察官が駆けつけ、参加していた。
高低差のある雪山や、その合間に現れる川を走破しつつ、訓練は片道3時間半に及んだ。参加したクルマは44インチのタイヤをはきながら悪路を次々とクリアしていく。ランドクルーザーの本領が発揮された。
雪上走行に不慣れな取材クルーも、レスキュー隊に助けられながら進むことができた。彼らの迅速で冷静な対応はプロとしてのストイックな姿勢を感じられたと共に、暖かい人柄も見え隠れした。そんな彼らと働くランドクルーザーは、とても逞しい存在であった。
レスキュー隊の1台がパートナーとして先導してくれ、私たちは無事下山した。
取材を終えて
地熱やオーロラが有名なアイスランドでは、手付かずの大自然が国の大半を占めている。国土の約11%が氷河に覆われているこの国でも、ランドクルーザーは走っていた。今回はレスキュー隊と共に働くランドクルーザーを中心に取材を行ったが、街中においてもまた、アイスランド国民の生活に深く根付く様子を覗くことができた。