この試験では、ロボットの出す音が他の宇宙飛行士たちの迷惑にならないかを確かめました。宇宙ステーションの中で、宇宙飛行士のみなさんが快適に作業できる環境とは、2~4メートルくらい離れても普通に会話ができるくらいの静かさです。騒音のレベルでいうと49dB以下という値。ロボットはそのくらい静かでいられるでしょうか?
ロボットから出るのは、モーター音と空冷ファンの音の2種類。モーターは、全身で20個付いています。ロボットの動作に応じて必要な部分のモーターが動くようになっています。また、空冷ファンは、ロボットが高い熱を持たないように付けられたもの。電源が入っている間は、ずっと回り続けます。
吸音材に囲まれた静かな試験室の「騒音箱」。電源の入ったロボットは、同時にたくさんのモーターが動くようにして、最大の音が出る状態で試験に挑みました。結果として、ロボットが出した騒音のレベルは47.9dB(A特性)。そのほかの騒音の制限要素と合わせて、無事クリアできました。技術協力会社から提供された、静音性の高いモーターのおかげです。