打ち上げ時のロケットの振動にKIROBOが耐えられるかを試すのが、振動試験です。
KIROBOは緩衝材がたっぷり入ったCTB(Cargo Transfer Bag)という特殊な箱に入れられて、打ち上げられます。ロケットの振動で、万が一壊れては大変。そのための振動試験で事前に確認をします。
でも、動画をご覧になって、そんなに大した揺れではないじゃないか? と思われた人も多いでしょう。では、この振動試験は何のために行うのでしょうか?
皆さんは「共振」という言葉をご存じでしょうか? 簡単にいうと「あるモノが強く揺らされてしまう、時間当たりの振動数」のことです。1秒間に1回揺れるとか、3秒間に1回揺れるとか、いろいろな振動がありますが、そのモノによって強く揺らされる振動数は変わります。地震の時、建物の高さや材質、重さなどによって被害が異なってくるのは、この振動数が異なるためです。
つまり、厳密にいうとこの振動試験は、ロケットの揺れが、KIROBOが揺れる振動と一致しないかどうかも同時に確認する試験だったのです。試験は縦、横、奥行きの3つの方向にそれぞれ揺らして行われました。
結果としては、3種類の振動を受けた後も、KIROBOは問題なく動作し、無事に試験をパスすることができました。