ウェルキャブ | 福祉車両
国際福祉機器展 H.C.R. 2023イベントレポート
第50回 国際福祉機器展「H.C.R. 2023」が9月27日(水)~29日(金)の3日間、東京ビッグサイトで開催されました。
ウェルキャブ車両をはじめ、さまざまな移動に関する技術や製品が展示されたトヨタブースの様子をお届けします。
このページの掲載内容は、2023年9月時点の情報です。
福祉にまつわるクルマの未来が見えるトヨタブース
今回のトヨタブースでは、トヨタの掲げる“Mobility for ALL”に加え、Removing Barriers「バリアを取り除きワクワクする未来へ」というテーマも掲げました。
ウェルキャブ2台の展示の他、現在開発中を含む、福祉関連機器のトヨタの最前線の取り組みを展示。
デモンストレーションや、実機を用いた体験コーナーを通して、トヨタの目指す福祉にまつわる未来を皆さまにご紹介しました。
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開発中の機能や実証実験中の取り組みも紹介。
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福祉の未来を実際に体感していただきました。
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お客さまからの自由なお声をお書きいただきました。
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今回の展示では、現在発売中のウェルキャブだけではなく、開発中の機能や実証実験中の取り組みも紹介。
福祉にまつわる未来について実際にそれらを体感いただくとともに、お客さまからのご質問にお応えし、ご意見を伺いました。

会場に来場されたお客さまと、ウェルキャブ専門の展示場ハートフルプラザをオンラインで接続。会場に展示していないウェルキャブもオンライン見学できるようにしました。
会場に設置されたマイクとPC画面で、ショールームにいるスタッフから説明を受けられます。
見せてほしい場所を伝えることで、カメラを移動。
カタログだけでは分かりづらい点も確認することができます。

出展車両
車両展示ブースでは、車両後部のスロープを使って、車いすのまま乗り降りができる車いす仕様車を2台展示。
バックドアの開閉に合わせた車高の昇降、なだらかなスロープ、シンプルでわかりやすいスイッチ操作で乗り降りの負担を軽減します。
見るだけではなく、スタッフによる説明を受けながら、スロープを使った乗車の際の操作方法、乗り心地なども体感していただけました。ご家族連れやご夫婦、福祉施設でご利用の方など幅広い層のお客さまがブースに訪れてくださいました。
車いすの方がセカンドシートの位置に乗車できます。介助の方が車いすの方のすぐ隣に乗車できるため、移動中のケアもしやすい仕様です。

シエンタに比べサイズの大きなノアは、リクライニング機構付車いすや電動車いすだけではなく、シニアカーにも対応。
タイプⅠはストレッチャーでの乗車も可能です。

ウェルキャブ関連商品の展示
トヨタブースの向かいでは、福祉用具のレンタルなど、介護ヘルスケア事業を行う豊通オールライフが出展。そのブースの一角に、いつでもウェルキャブなどの福祉関連商品を展示しました。
トヨタブースと行き来することで、いろいろな移動に関する便利なクルマ、用品が体感いただけるようにご紹介しました。
ハイエース専用後付け用品
車いす乗降時の段差を解消することで、介助する方・される方の負担を軽減する、リフトへの後付けフラップです。砂利道を再現した地面で、実際の乗り心地や介助の力加減の変化を体感いただきました。

バックドアのストラップを長くするだけではなく、つかみやすくなった形状や、ドアに挟まらない工夫などを低コストで実現した後付け用品です。標準のストラップと並べて、そのつかみやすさの違いを体感いただきました。

私は新型車のボデー設計をしながら仕事上の得意が活かせる車いす送迎ボランティアを行っています。その活動を通して、地域でのお困り事を解決する商品を仲間と一緒に開発しています。レステップやシェイクバンドは、前回のH.C.R.から進化したもの。決してハイテクを駆使した商品ではありませんが、いろいろなフィードバックを受けながら、必要な方へ向けコストを抑えて発売できたことなど、その進化をお伝えすることができました。
トヨタ自動車 MS車両設計部 中島
いつでもウェルキャブ
シートを回転&チルト(前傾)させることで、座りやすい向きに回転し、地面に足をつけて乗降時の腰の負担も低減するターンチルトシートです。助手席に取り付けたシエンタで、実際の動きや乗り心地を体感いただきました。

簡単なスイッチ操作で35kgまでの車いすを電動収納できる車いす収納装置。不要なときは取り外しが可能で、フレキシブルにお使いいただけます。その脱着の様子の実演も合わせて行いました。

一般的な福祉用品はレンタルでご利用いただくことが多いため、トヨタブース向かいの豊通オールライフにて、販売だけではないレンタルの利用もできる(一部地域)という活動もご紹介しました。
「知り合いにも伝えておきます」と、うれしいお声もいただきました。
トヨタ自動車 国内商品・事業部 児玉
商品開発への取り組み
今回のトヨタブースでは、今あるウェルキャブだけではなく、“Mobility for ALL”移動の自由のために、今あるバリアを乗り越えるための技術や製品、トヨタの取り組みをこれまでより多く展示しました。
トヨタは、これまでより、簡単・確実に車いすを車両に固定できる仕組みを、ハイエースに設定できるように開発中です。このワンタッチ固定の技術が広まれば、バスや飛行機、船などでも簡単に固定ができることとなり、よりストレスフリーで自由な移動のサポートを目指しています。同じ仕組みを公共バスに備えることをご紹介したブースも設置し、近い未来の一端を感じていただけるようにしました。

JUUは段差を昇降可能な、開発中の車いす型モビリティ。後部のフリッパーが自動制御で最適な姿勢を支えながら、階段の昇降や、凸凹路を走行可能な電動車いすです。ブース中央で、ウェルキャブからの降車、階段走行、不整地走行のデモンストレーションを行い、たくさんの方の注目を集めました。また、駆動は車載用のモーターを使用していることなど、実践的な開発が行われていることもお伝えしました。

「歩く」ことをアシストする、トヨタの超小型BEV、C+walkシリーズ。ブースでは、販売中のC+walk S、C+walk Tに加え、開発中の車いす連結タイプの試乗も実施しました。試乗コースで、たくさんの車いす利用者の方に電動化によるサポートを体感していただけました。

必要とされる場所に設置できる移動式のトイレのコンセプト展示です。
ユニバーサルシートから、給電設備まで、さまざまな方が利用できるような装備がありながら、普通免許があればけん引できるサイズで開発が進行中。出入り口も、なだらかなスロープが展開できるようになっています。

今回のH.C.R.ではRemoving Barriers「バリアを取り除きワクワクする未来へ」というテーマを掲げています。
今すぐにご提供できるウェルキャブだけではなく、開発中のものも展示をしています。
気持ちや環境、モノのバリアを取り除いた先のワクワクする未来も合わせて体感いただくため、開発に携わるメンバーも参加して、一丸でトヨタの目指すその未来をご紹介しました。コメントボードを含め、お客さまから「勇気をもらった」「夢をありがとう」と励みになる言葉をいただけました。
トヨタ自動車 CV統括部 稲熊
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NUKUMARU【開発中】 実証実験中の、立地や施設に依存しない高齢者への移動式入浴サービス。トヨタが考える入浴×モビリティの活用方法をご紹介しました。
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ツギココ【開発中】 軽度の認知症の方へ向けた徒歩ナビ「ツギココ」。スマートウォッチの画面で、感覚的に行き先がわかり、道に迷う不安を解消するデモを行いました。
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モビリティライフコンシェルジュ【開発中】 高齢運転者の方へ、ご家族や販売店からの見守りによる運転技術に関する診断を提供。運転寿命の延伸をめざす、実証実験中のサービスです。
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キネティックシート【開発中】 人の骨格に合わせて、座面と背もたれが身体の運動軸周りに動くことで身体への負担低減をサポートする、トヨタが開発中のシートをご紹介しました。