3つのスタイル、それぞれの魅力

STYLES

3つのスタイル、それぞれの魅力

2024.02.20

クルマと運転が大好きな浦浜アリサさんと、自動車業界きっての論客である島下泰久さん。おふたりが、3つのスタイルのクラウンを乗り比べ、それぞれの違いと共通点を確認した。

モデルとしてデビューし、現在は俳優やタレントとしても活躍する浦浜アリサさんは、3スタイルのクラウンが並ぶ様子を見ながら、「本当に大変身ですね」と、感慨深い面持ちで語った
「私は2017年から5年ほど、J-WAVEの『TOYOTA DRIVE IN JAPAN』という番組のナビゲーターを務めさせていただきました。タレントの山口智充さんといろいろなトヨタ車で日本中をめぐり、クラウンにも何度か乗りましたが、ここまで大胆に変えることは想像できませんでした」

こう語る浦浜さんに、「社会的に成功を収めた方のライフスタイルがアクティブな方向に変わってきたのだと思います」と解説をしたのが、モータージャーナリストの島下泰久さんだ。2011年より毎年、『間違いだらけのクルマ選び』を上梓する島下さんは、車両のハードウェア評価だけでなく、クルマ社会やクルマ文化についても言及する自動車業界を代表する論客である。

今回は、運転が大好きで愛車選びの真っ最中という浦浜さんと島下さんが、クラウン(クロスオーバー)、クラウン(スポーツ)、そしてクラウンの3台に試乗する。

ライフスタイルを広げてくれる

ふたりが最初に乗り込んだのはクラウン(クロスオーバー)で、浦浜さんがハンドルを握り、助手席に島下さんが座る。運転席に着いた浦浜さんは開口一番、「このクルマは乗り込む時にかがまなくていいから、少し身長が高い私でも気を使わずに済みました」という感想を口にした。島下さんが、浦浜さんの発言にうなずいて、こう続ける。

「SUVやミニバンのように背が高いクルマはシートの位置も高くて、かがまなくてもいいから乗り降りが楽なんですね。かつてのセダンにはなかった、そういう要素も取り入れたのがクラウン(クロスオーバー)だと思います」

2.5ℓの直列4気筒エンジンとモーターを組み合わせたハイブリッドシステムは、クラウン(クロスオーバー)を静かに、かつスムーズに加速させる。「これくらい室内が静かだと、会話がしやすいですね」と浦浜さんは笑顔を見せる。しばらく運転に集中してから、浦浜さんがおもむろに口を開く。

「私は日常的にクルマに触れているわけではないので、初めて運転するクルマは慣れるまで時間がかかるんです。でもこのクルマは、すぐに自分と一体化する感じがします。運転がしやすいし、滑るようにスムーズに走るから自分の運転がうまくなった気がします。不思議ですね」

浦浜さんの疑問に、島下さんが答える。

「このクルマの前輪はエンジンとモーター、後輪はモーターで駆動します。また、ハンドルを切ると前輪だけでなく後輪も向きを変えるDRS(ダイナミック・リア・ステアリング)という機構も備わっています。4輪を精密に制御することで、クルマに慣れていない方から運転が大好きな方までが満足できる、間口の広いクルマに仕上がっています。一度、『SPORT』モードを試してみましょうか?」

ドライブモードセレクトスイッチを操作して、『SPORT』モードを選ぶと、浦浜さんは「わっ、変わった!」と歓声を上げた。
「アクセル操作にビビッドに反応して加速するし、ハンドルの手応えも増しました」という感想を述べる浦浜さんに、島下さんが「コーナーではキレのよさを感じるはずです」と応じる。

ひと通り試乗をしてから、浦浜さんがクラウン(クロスオーバー)の感想をまとめた。

「私が考える理想の大人とは、ジェントルでありながらいろいろな遊び方をクリエイトできる人です。このクルマは、バイカラーの色使いからしてかなり遊んでいるし、さまざまな使い方に対応してライフスタイルを広げてくれる期待があります。オールマイティな1台ではないでしょうか」

富士スピードウェイを走りたくなる

続いてふたりは、クラウン(スポーツ)に試乗する。クラウン(スポーツ)にはプラグインハイブリッドも設定されているけれど、今回の車両はハイブリッドシステムを搭載するモデルだった。

出発して数十メートル、最初の交差点を曲がったところで、浦浜さんは「私、違いがわかっちゃったかも!(笑)」と朗らかな表情になる。

「こっちのほうがやんちゃな感じがします。さきほどのクラウン(クロスオーバー)は、スケートリンクを滑るように、サーッと加速しました。でもこちらは、“さぁ走りますよ”と路面をつかんでから、“それっ!”て加速する感じがします。ハンドルの手応えもこちらのほうがしっかりしているし、ヤル気にさせますね」
こう語る浦浜さんに、「実は、さっきのクラウン(クロスオーバー)と同じハイブリッドシステムを搭載しているんですよ」と、島下さん。「食材が同じでも作り手によって味付けが変わるということですか?」と訪ねる浦浜さんに、島下さんが解説をする。

「エンジンとモーターのセッティングによって違いが出るし、クラウン(スポーツ)のほうが全長は210mm短くて幅が40mm広いという“アスリート体型”だという理由もあります。同じパワートレインでもこれだけ違うので、だからクルマはおもしろいし、クルマ選びは悩ましいということになります」

クラウン(スポーツ)を走らせながら、浦浜さんは「こっちのほうがストレートに意見を言う感じがしますね」とつぶやく。
「運転がうまくなったように感じるのは共通しているけれど、クラウン(スポーツ)のほうがブレーキやハンドルを切るタイミング失敗した時に、明確にダメ出しをしてくれます。だから、ドライビングとはなんぞや? ということを一緒に研究したくなります」

クラウン(クロスオーバー)で試したのと同じように、ここでも『SPORT』モードを確認する。浦浜さんは「おっ、“スポーツ・オン・スポーツ”ですね(笑)」と語ってから、「かなりシャープになるけれど、下品な感じにならないところがいいですね」と納得した。
「私は、『TOYOTA DRIVE IN JAPAN』のお仕事で、富士スピードウェイでプロドライバーの助手席を体験しました。このクルマは、サーキットで走ってみたくなりますね。それくらい、運転していて爽快な気分になります」

このクルマがゲームチェンジャーになるかもしれない

最後に試乗したのが、4ドアセダンのクラウン。クラウンにはハイブリッド仕様も設定されるけれど、今回試乗したのは燃料電池が発電した電気でモーターを駆動するFCEV仕様だ。取材が決まってから予習を重ねてきたという浦浜さんは、水素と酸素を反応させて電気を生み出す燃料電池の仕組みや、走行中の排出ガスがゼロであること、800km以上の航続距離を確保していることなどを熟知していた。浦浜さんは言う。
「実際に乗ってみると、とても静かだということがわかりました。静かすぎて歩行者に気づかれないかと心配していたら、島下さんに低速走行時には電子音でアピールするから大丈夫だと教えていただいて、安心しました(笑)」

浦浜さんは、さらに続ける。
「4ドアセダンというスタイルや、後席に座る人を大切にするあたり、今までのクラウンのDNAを一番色濃く継承しているのがこれだと思います。それなのに、技術的には画期的な燃料電池を採用している意外性が心に響きます。私は二面性のあるものが好きで、たとえばメンズライクなファッションの時は甘めの香水をつけたり、ドレスアップしているのに足元はスニーカーだったり。このクラウンにもそうした二面性を感じるので、強く惹かれますね」

浦浜さんの発言で印象的なのは、水素に対する理解の深さだ。水素社会の実現がエネルギー問題を解決する可能性があることなど、よくご存知なのだ。

「実はこの春、水素のスキンケアプロジェクトをローンチするんです。ディレクターとして企画立ち上げからひとりで3年かけてやってきて、私の中では水素というのが大きいワードだったのでかなり勉強してきました(笑)。レコードからCDに、ガラケーからスマホに変わるぐらいのゲームチェンジャーになるのが水素ではないかと思っています」

3台の試乗を終えて、島下さんから浦浜さんに、「ご自身のライフスタイルに合うのはどれですか?」という質問が飛んだ。

「実は来週、女友だちとふたりで伊豆にドライブ旅行に行くんです。ふたりとも運転が大好きなんですが、もし伊豆に乗ってくとしたらFCEVのクラウンですね。エッジが利いていてまだみんなが手を出していないチャレンジングなものが好きなので、FCEVに乗ってみたいです。ただし、クラウンというモデルの中心にあるのはクラウン(クロスオーバー)だと感じました。フォーマルからアウトドアまでTPOを選ばないし、SUV的な4ドアセダンというスタイルも個性的です」

この発言に、「確かに、このクラスのクルマに乗る方のライフスタイルを、クラウン(クロスオーバー)は体現しているかもしれないですね」と島下さんが反応した。そして、「クラウン(クロスオーバー)には、クラウンらしさを保ちながら新しい運転体験を提供するRSという仕様もあります」と続けた。

サーキット走行を予感させるクラウン(スポーツ)、持続可能な社会にチャレンジするクラウン、そして王道を行くクラウン(クロスオーバー)。浦浜アリサさんの目には、3スタイルそれぞれの役割がはっきりと映ったようだ。

浦浜アリサ

浦浜アリサ

アメリカ人の父と、日本人の母の間に生まれ、兵庫県で育つ。
4歳からモデルとして活動をはじめ、15歳の時に「神戸コレクション2005 AUTUMN/WINTER」にてショーデビュー。以降、国内外の様々な雑誌やブランドのショーに出演。
2007年、MTV JAPANのVJとして司会業スタートを機に、J-WAVEをはじめラジオでのDJ、イベントのMCも努めている。
現在は俳優としても、舞台や映画、ドラマに出演。Netflixオリジナルシリーズ『今際の国のアリス:シーズン2』が全世界配信中。出演映画が2月17日より新宿K’s cinema他にて全国公開予定。

島下泰久

島下泰久

1972年 神奈川県生まれ。1996年よりフリーランスとして活動を開始し、国際派モータージャーナリストとして自動車専門誌、Webサイト、経済メディアなどに幅広く寄稿する。著書に『間違いだらけのクルマ選び』など。2023-2024日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員。

Produced by FIRST DRIVE
Photograph by Kunihisa Kobayashi
Text by Takeshi Sato

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