STYLES
秋元梢が京都で感じた変えないことと、進化させること
2024.03.21
日本を代表するファッションアイコンであるモデルの秋元梢さんが、トヨタ・クラウンで京都を目指した。長い歴史を誇ると同時に、新陳代謝を続ける京都の街とクラウンから、秋元さんは何を感じ取ったのだろうか。
水素で走るクルマは、リラックスして運転できる
「思っていたよりはるかに簡単で、ガソリンスタンドで給油するのと大差ないですね」
場所は東京・芝公園の水素ステーション。クラウンのFCEV(燃料電池車)に水素を充填する様子を見た秋元さんが、印象をそう語ってくれた。新型のFCEVは、約3分間の充填で800km以上の走行が可能。東京から約500kmの京都へは、充填なしにノンストップで行けるというわけだ。
「私は普段、電動自転車に乗っているのですが、便利で環境にいい反面、充電に時間がかかるのが気になっていました。でも水素の充填はあっという間に済むので、ストレスがありませんね。走行中にCO2を出さないクラウンのFCEVは環境に配慮していますが、同時に、ユーザーの使い勝手にも気を配っているように感じました」
クルマを日常的に使う人にとって、燃料補給は切っても切り離せない作業。その時間が短くなることや、長い航続距離によって燃料補給の頻度が減り、クルマとの関係性に余裕が生まれ、より多角的に魅力を感じることができ、車との付き合い方も深くなっていく。
「トレーニングに行ったり、姪っ子の送り迎えに使ったり、割と毎日クルマを運転しています。この車は、乗る人のことをよく考えて、直感で操作できるように工夫されているのがいいですね。先ほど感じた使い勝手にも気を配っている点と繋がるのですが、FCEVの水素燃料の充填がかなり早く一回で長く走れるので日常的に乗りたくなります。また加速がスムーズなので、落ち着いて運転できるのも嬉しいです」
京都の街とクラウンから学ぶこと
クラウンのFCEVは、モデルチェンジ前のクラウンよりホイールベース(前後の車輪の間隔)が100mm長い。後席は楽に足を組めるほど広く、運転席もゆったりしている。
「運転席はもちろん、後部座席も広々としていて開放感があるし、シートの掛け心地がすごく気持ちいいです。あと、直線基調のフロントマスクや、ボディカラーと塗装の質感に奥ゆかしい高級感を感じます。この車に乗るときは、お堅いフォーマルと間ではいかなくても、自分の気持ちが上がるような服を着たいですね」
日本と海外を行き来しながら活動している彼女にとって、ファッションの世界で見受けられる日本の美的感覚の共通項をクラウンにも見出している。
「洋服もクルマと同じように欧米のものです。なぜファッションの世界で日本人が認められているかといえば、洋服の作り手にしても、メイクアップアーティストやネイリストにしても、細かい作業を緻密におこなって高度に表現する力があるからです。具体的に挙げると控えめな光沢を放つ繊細な木目のパネルが採用されていたりと、クラウンの内装・外装のデザインや、ユーザーの使い勝手を丁寧に解釈している点が日本人の職人気質を反映しているように感じます。このクルマが海外の方にどのように受け止められるのか、楽しみですね」
東京からのロングドライブを終え京都市内に差し掛かったころ、秋元さんは近頃の京都の変化について話し始めた。
「海外からの旅行者が増えたり、町家がリニューアルされてモダンな建物になっていたりと、クラウンと同様に、京都の街も時代に合わせて進化していると思います。でも、変わらないことも必要だと思っていて。クラウンだったら運転のしやすさや上質さ。私は黒い服しか着ないし、髪型もずっと同じなのですが、変えずにやり続けることは強さだと思う反面、意固地になって何も変わらないのも進化がない。いいものは取り入れて進化するという京都やクラウンを見習いたいし、自分も日々向上していけたらいいなと思います」
心地よいクルマが環境負荷を減らす
京都でステイするのは、THE SHINMONZEN。祇園白川の畔に立つ、ラグジュアリーブティックホテルだ。古美術商が点在する周囲の街並みに調和しつつ、モダンな個性を主張する。
「竹や和紙、漆、それにお風呂のヒノキの香りなど、日本的な素材を用いつつモダンに表現しているお部屋が本当に素敵です。この繊細なこだわりはクラウンにもよく似ていますね。シートのレザーやステッチの美しさ、そして日光を遮ってくれる電動ロールシェードなど、細部に宿るモノづくりの精神の素晴らしさを、クルマからも今回の宿からも感じることができました」
THE SHINMONZENの建築を手掛けたのは、安藤忠雄。極めて京都的でありながら、世界各国のアーティストの作品で彩られたロビーや、モダンフレンチの巨匠として知られる海外シェフによる食体験など、日本の伝統を現代的に表現しながらグローバルスタンダードでのブティックホテルとして支持されている。
ホテルで一泊した秋元さんは、コンセプトやデザイン、食体験以外に、それらを取り巻くホスピタリティの高さに感銘を受けたようだ。
「ディナーは、ジャン-ジョルジュ・ヴァンゲリステンさんという著名なフランス人シェフのモダンフレンチで、地元の食材を繊細な味わいに仕立てられていて最高でした。ゲストエクスペリエンス・スタッフの方は周囲の見どころを丁寧に紹介してくださり、出先からホテルに連絡すると宿に戻る頃には大きなお風呂にお湯が溜まっていました。クラウンや京都の街と同じように、伝統を大切に守りながら新しいチャレンジをすることの大切さが伝わってきました」
京都への旅を終えるにあたって、FCEVの環境性能についてうかがった。というのも秋元さんはこれまでも、ファッション業界のエシカルな取り組みに興味があると発言してきたからだ。
「水素で発電した電気で走るから、走行中はCO2を出さないというのは素晴らしいことだと思います。いっぽうで、こんなに走るのが楽しくて快適に旅ができることと、環境への貢献が両立していることに感銘を受けました。ファッションでもサスティナブルな取り組みが注目されていて、いかに配慮されているかが問われています。ただ、羽毛ではなくフェイクのダウンを着ている友だちが、実は暖かくないんだよ……と、こぼしていたのを思い出します。環境によくても、ユーザーに我慢をさせたり使い勝手の悪いものは続かないのではないか、と感じています。だからこのクラウンのように、快適でどこまでも走って行きたくなるクルマを選ぶと、結果として環境にもいいというのが理想だと思いました」
我慢するのではなく心地よさを提供するクルマを作り、それが環境負荷を減らすことにつながる──。これこそまさに、クラウンのFCEVの開発に従事するエンジニアたちが考えていることなのだ。
秋元梢
1987年、東京都生まれ。2009年にファッションモデルとしてデビュー。ストレートの黒髪、切りそろえた前髪、キャットラインといったアイコニックな容姿で女性ファッション誌を中心に活躍する。
Produced by HYPEMAKER
Photograph by Kizen
Text by Takeshi Sato
Costume:EAR CUFF:JOAQUIN BERAO、other(stylist's own)
この記事のクラウン
関連記事
-
多忙な俳優は、なぜ寸暇を惜しんで海や山へ出かけるのか?特別仕様車"LANDSCAPE"でまだ見ぬ地へ。
-
「エコロジーは、自分らしさを大切にする感性と共にあるもの」水原佑果さんがクラウン(スポーツ)PHEVに出会う
-
走るほど空気をクリーンにするクラウン「FCEV」。開発責任者と環境活動家・深本南が語り合う、Z世代にとってサステナブルなクルマとは?
-
「ウェルビーイングに繋がるクルマですね」ヘラルボニー松田崇弥がクラウン「FCEV」を体感
-
「イノベーションそのものに乗る感覚」マザーハウス山崎大祐がクラウン「FCEV」にみた可能性
-
ファッション界の寵児、マットメタルを着こなす
-
サッシャさんが語る、3台を乗り比べてわかったこと
-
PHEVのドライブフィールが、エモーショナルな感覚を呼び覚ます
-
世界的なファッションデザイナーの感性を刺激した
-
エモーショナルな被写体、そのフィロソフィーを撮る
-
富士五湖周辺をクラウン(クロスオーバー)で駆け抜けた