EV(電動車)の充電時間はどのくらい?
料金の目安や短縮する方法も紹介

2025-03-28

EV(電動車)の充電時間について気になる方も多いでしょう。そこで今回は、充電料金の目安や充電時間を短縮する方法についても解説します。EV(電動車)は、充電時間がかかる一方、ガソリン車より維持費が低く、非常時に蓄電池に使えるなどさまざまなメリットがあります。ポイントを押さえ、ぜひEV(電動車)の購入を検討してみてください。

EV(電動車)の充電時間と料金の目安

電動車の充電器は普通充電器と急速充電器があります。ここでは、それぞれの充電時間と料金の目安を紹介します。

普通充電器の充電時間

電動車の普通充電は、3〜6kWの出力で行われるため、充電に長時間が必要です。普通充電器は戸建てや集合住宅、商業施設、コンビニ、宿泊施設などに設置されています。

充電にかかる時間は、コンセントの出力と電動車のバッテリー容量によって異なりますが、完全に充電するには数時間から10時間以上かかることもあります。
自宅で睡眠をとっている間やホテルなどで泊まっている間に充電が完了すればいい場合は、特に問題ないといえるでしょう。

3kW、6kWの出力で、充電にかかる時間は次のとおりです。

普通充電(トヨタ bZ4Xの場合)
車種 200V 3kW(16A)の場合 200V 6kW(30A)の場合
bZ4X Z 約23時間 約13時間
bZ4X G 約18時間 約10時間
  • 社内規定に基づく充電時間です。
  • 出力はスタンド/普通充電ケーブルの前提を記載しており、実際の車両充電電力は異なります。
  • 駆動用電池温度が約25℃の場合に、満充電量の約10%から満充電するためのおおよその時間。普通充電ケーブルを用いた場合は、約3kW(200V)の充電となります。約6kWで充電を行う場合は、電流上限が30A以上の普通充電器(スタンド)が必要になります。

急速充電器の充電時間

電動車の急速充電は50〜150kWの高出力を持ち、充電時間が短く済みます。急速充電器は高速道路のサービスエリア(SA)やパーキングエリア(PA)、道の駅などに設置されています。出力数やバッテリーの状態にもよりますが、30分から約1時間以内に充電が完了し、約150km以上の走行が可能です。

ただし、多くの場合、利用者の便宜のために、急速充電器の使用時間は30分に制限されています。また、バッテリー保護のため、残量が80%以上になると充電速度が落ちるので、80%を目安にするとよいでしょう。

50kW、90kWの出力で、充電にかかる時間は次のとおりです。

急速充電(トヨタ bZ4Xの場合)
車種 50kW(125A)の場合 90kW(200A)の場合 150kW(350A)の場合
bZ4X 約60分 約40分 約28分
  • 社内規定に基づく充電時間です。
  • 出力はスタンド/普通充電ケーブルの前提を記載しており、実際の車両充電電力は異なります。
  • 駆動用電池温度が約25℃の場合に、満充電量の約10%から80%まで充電するためのおおよその時間。
自宅での充電方法とは 外出先での充電方法とは

料金の目安

充電の料金は普通充電や急速充電、充電カードを利用した場合によって異なります。
例えば、自宅などで、3kWの普通充電で電動車を0〜100%まで充電した場合の料金の目安は、次のとおりです。

バッテリー容量 充電時間 充電料金(目安)
20kWh 約7時間 620円
40kWh 約14時間 1,240円
60kWh 約20時間 1,860円
  • 電気料金単価を31円/kWhとして計算

外出先で充電することが多い場合は、充電カードを利用すると割安になります。充電カードは、複数の充電スタンドを便利に利用できるキャッシュレスの料金決済手段です。

次の表は、充電サービス「TEEMO」を利用した場合の料金です。
(全国約25,100口*1以上の充電器が利用可能)

  • *1.2025年7月時点のTEEMOおよびe-Mobility Power充電器(急速充電器・普通充電器)の合計。トヨタコネクティッド株式会社調べ。
EV・PHV充電サポートメンバーズカードのプラン
会員 充電器 充電出力 従量料金
TEEMO会員 50㎾以下 40円/分
50kW超~150kW未満 60円/分
150kW以上 80円/分
普通 4円/分
急速 80円/分
TEEMO Lite 会員 50㎾以下 50円/分
50kW超~150kW未満 75円/分
150kW以上 100円/分
  • 対象充電器は、トヨタ・レクサス販売店、e-Mobility Power 提携の充電器(2025年1月現在)
充電シミュレーター

EV(電動車)の充電時間の計算方法

電動車の充電時間は「バッテリーの充電量(kWh)÷充電器の出力(kW)」の式で求めることが可能です。充電時間は、バッテリーの充電量と充電器の出力によります。バッテリーの充電量は電動車に搭載されるバッテリーの容量で、充電器の出力はコンセントや充電器のパフォーマンスによって変わります。この計算方法は普通充電器でも急速充電器でも共通です。

たとえば、バッテリーが30kWhの電動車を3kWの普通充電器で充電する場合、完全充電には10時間かかります。同様に、急速充電器を使用する場合でも、同じ計算方法です。

【車種別】電動車の充電時間の比較

BEV
車種 グレード/駆動 一充電走行距離 3kW
(普通充電)
150kW
(急速充電)
bZ4X Z(FWD) 746km 約23時間 約28分
bZ4X Z(4WD) 687km 約23時間 約28分
bZ4X G(FWD) 544km 約18時間 約28分
  • 社内規定に基づく充電時間です。
  • 出力はスタンド/普通充電ケーブルの前提を記載しており、実際の車両充電電力は異なります。
  • 駆動用電池温度が約25℃の場合に、満充電量の約10%から満充電するためのおおよその時間。普通充電ケーブルを用いた場合は、約3kW(200V)の充電となります。約6kWで充電を行う場合は、電流上限が30A以上の普通充電器(スタンド)が必要になります。
  • 駆動用電池温度が約25℃の場合に、満充電量の約10%から80%まで充電するためのおおよその時間。
PHEV
車種 グレード/駆動 EV走行距離 3kW
(普通充電)
50kW
(急速充電)
アルファード Executive Lounge(E-Four) 73km 約5時間30分 約38分
ヴェルファイア Executive Lounge(E-Four) 73km 約5時間30分 約38分
プリウス Z(2WD)、G(2WD) 87km*1 約4時間30分
クラウン(スポーツ) RS(4WD) 90km 約5時間30分 約38分
クラウン(エステート) RS(4WD) 89km 約5時間30分 約38分
ハリアー Z(E-Four) 93km 約5時間30分
RAV4 Z(E-Four) 95km 約5時間30分
  • 充電時間は、駆動用電池の残量や温度・外気温・接続した電源の状態・充電器(スタンド)の仕様などにより変化します。普通充電はEVモードからHVモードに切り替わった状態から満充電まで、急速充電はEVモードからHVモードに切り替わった状態から、50kW(最大125A)以上の急速充電器(スタンド)を使用した場合で満充電の約80%になるまでにかかるおおよその目安です。
  • 社内測定値。
  • 195/60R17タイヤ&17×6½Jスチールホイールを装着した場合、充電電力使用時走行距離は105km。

EV(電動車)の充電時間を短縮するには?

電動車の充電時間を短縮するには、上記のようなポイントを押さえておきましょう。1つずつ詳しく解説します。

充電の出力を上げる

家庭用の普通充電器を通常の3kWの出力から6kWに上げると、充電時間を短縮できます。出力が2倍になり、充電時間は半分で済むためです。

ただし、車種によっては6kWに対応していない場合があり、これらの車種を6kWの充電器で充電しても3kWと同じ処理性能にしかなりません。車の仕様確認を確認して、対応しているか確認することが大切です。
また、ブレーカーが働くことがないように、電気の契約容量を変更する必要もあるでしょう。

V2H充電器を導入する

V2H(Vehicle to Home)とは、電動車のバッテリーから住宅に電力を供給できる機能です。V2H充電器と電動車は、急速充電用の規格「CHAdeMO」を介して接続されます。通常の家庭用コンセントが3kWの出力なのに対し、V2Hは6kWの出力を持つため、充電時間が大幅に短縮されます。
ただし、すべての電動車がV2H規格に対応しているわけではないため、事前に対応を確認する必要があります。

こまめに充電する

自宅や立ち寄り先に充電設備がある場合は、車両を使っていないときにこまめに充電を行うことが大切です。こまめな充電で、一度に大量の充電時間を必要とする時間が減り、結果的に充電時間の短縮につながります。ガソリン車のように特定の場所で給油する必要がないため、時間の合間をみて充電するのがおすすめです。
ただし、満充電のまま長時間維持するとバッテリーが劣化しやすいため、80〜90%を維持しながら充電するのが理想的です。

EV(電動車)にはメリットも多い!

電動車は充電時間が必要な一方で、それを補うさまざまなメリットがあります。上記3つのメリットについて詳しく解説します。

ガソリン車より維持費が抑えられる

電動車は、維持費の面でガソリン車と比べて、遥かに維持費が抑えられます。たとえば、自宅での普通充電では、1回の充電で約2,000円程度の電気代で満充電にできます。対照的に、ガソリン車は40Lの給油ができる車種だと、一度の給油で約7,000円かかります。
また、ガソリン代は原油価格の影響を受けやすい一方、供給源が多様な電気代は比較的安定しています。自宅で充電する場合は、電気代が安くなる深夜プランを利用することでさらに節約が可能です。

非常時やアウトドアなどで蓄電池として使える

電動車は大容量のバッテリーを搭載しており、V2H機能のある充電器を備えておくと、非常時やアウトドアなどに蓄電池として使えます。普通車の電動車の場合40~100kWh程度、PHEVでも10~30kWhのバッテリー容量です。
洪水や地震で停電が起きた際も、電動車から家庭に電力を供給し、数日間生活を維持することができます。災害用の蓄電池製品は、ほとんど10kWhほどの容量であるのに対し、電動車の方が長時間供給でき、非常時の安心感が高まるでしょう。

静粛性に優れている

電動車が静粛性に優れていることは大きなメリットの1つです。電気でモーターを動かす電動車はエンジンを搭載していないため、走行中の音が非常に静かで、周囲への騒音もほとんど気になりません。このため、運転の快適性が増して、乗車中の音楽や会話をより楽しめます。さらに、ガソリン車と比べて振動が少ないため、運転者が疲れにくいことが利点です。優れた静粛性は都市部や住宅地での使用にも適しており、騒音公害の軽減に役立ちます。

EV(電動車)の充電時間を効率的に短縮しよう

電動車の充電時間は、充電器の種類と出力により異なります。充電時間を短縮するには、充電器の出力を上げたりV2H充電器を導入したり、自宅や職場でこまめに充電する方法が有効です。電動車は、充電時間がかかる一方、ガソリン車より維持費が抑えられ、非常時の電力源として使えるなど多くのメリットがあります。

トヨタの電動車は、バッテリーのみで走行するBEV、バッテリーとエンジンを併用するPHEV、燃料電池を動力源とするFCEVなどさまざまなラインアップを揃えています。さらに、災害時にも安心な給電装置が付いている、税制優遇があるという利点があります。電動車の購入を検討する方は、ぜひトヨタの電動車を検討してみてはいかがでしょうか。