世界には想像を絶するような過酷な環境があり、しかもそのような場所に人々が暮らしていることも稀にある。
オーストラリア大陸の中央部、シンプソンデザートという砂漠の入口にある一軒宿もそのひとつだろう。
そこは、夏の気温は45℃以上、湿度は5%以下にもなる不毛の大地。
1日に1台もクルマが通らないような場所にもかかわらず、年老いたおばあさんが一人で宿を切り盛りしていた。
隣りの家までは100km、ガソリンスタンドまで200km。
食料の買い出しなどは、2日間かけて町まで行かなければならないのだが、
おばあさんの足となり、移動を安全なものにしているのがランドクルーザーだ。
360°見渡せる大自然のなかを、おばあさんの乗ったランドクルーザーは砂煙をあげて疾走する。
「どうしてこの地に住み続けるのか」をたずねると、はるか昔に亡くなった彼女の夫が開拓した土地を守りたいからだという。
ランドクルーザーは、1人で暮らすおばあさんの大切なパートナーとして、その役割を果たしていた。
※写真はイメージです。