走行性能

プラットフォーム

TNGAに基づく新プラットフォーム【トヨタフレーム車初

悪路走破性を高めた、堅牢なプラットフォーム。

強靱な骨格を支えてきた伝統のラダーフレームをTNGAの思想に基づき刷新。超高張力鋼板をフレームの適材適所に使用し、優れた堅牢性と高い剛性を確保しました。サイドレールとクロスメンバーの一部は、板厚・材質の異なる鋼板をレーザー溶接で接合し、質量効率を向上。強度と剛性は維持したまま、大幅な軽量化を実現しています。さらに、シャシーフレームと、ボディをつなぐゴムのばね剛性をこじり方向だけ高める新構造を採用し、モノコック車のようなフレームとボディの一体感を実現。高い操縦安定性と低周波振動を抑える快適な乗り心地をもたらします。また、進化だけでなく、ホイールベースは継承し、革新と伝統が共存するフレームに仕上げました。

フロント&リヤサスペンション

オフロードからオンロードまで、あらゆる走行シーンで性能を発揮。

オフロード性能とオンロード性能を高次元で融合し、地球上のあらゆる道を気持ちよく走破できるサスペンションを新規開発しました。

■ダブルウィッシュボーン式独立懸架フロントサスペンション
オフロードで力を発揮するストロークを確保しながら、アーム配置の最適化により、オンロードでは優れた直進安定性を発揮。コーナリング時のボディの傾きを抑制し、操縦安定性にも貢献します。

■トレーリングリンク車軸式リヤサスペンション
車軸式の強みの高い接地性により、凹凸の大きな道もしっかりとらえ、優れたオフロード性能を発揮。また、アブソーバーの配置を最適化し、オフロードだけでなく、オンロードでの安定性も確保しました。

GR SPORT専用チューニングサスペンション

極限の環境下で鍛えた強靱な足回り。

専用スタビライザーを設定した、GR SPORT専用設計です。オンロードでの意のままの走りとオフロードでの接地性・走破性を高次元に融合しています。さらに、ばね定数、アブソーバー減衰力を最適化するアップデートも行い、操安性に磨きをかけました。

高剛性・軽量ボディ

剛性の向上と軽量化を両立。

カウル部へのスポット打点増し打ちと、フロア部、ドア開口部への「構造用接着剤」の塗布により、高い剛性と操縦安定性を確保。さらに、高強度で軽い超高張力鋼板(ホットスタンプ材等)を適用拡大したほか、ボンネット、フェンダー、ルーフ、全ドアパネルをアルミニウム製にすることで、大幅な軽量化と優れた衝突安全性を両立しました。

GFRPアンダーカバー【世界初

ボディを保護し、空気抵抗を低減。

高強度かつ軽量のGFRP(ガラス繊維強化プラスチック)を、アンダーカバーの素材として世界で初めて採用。オフロードでのボディ下部の保護と優れた走破性を実現しました。また、床下をフラットにすることで空気抵抗を低減し、操縦安定性と燃費性能の向上にも貢献します。

操舵アクチュエーター付パワーステアリング【トヨタ初

路面環境を問わず、意のままの操舵感を。

過酷な環境下での使用に耐える油圧式のパワーステアリングに電動式の操舵アクチュエーターを組み合わせました。応答性と操舵フィーリングを高め、低速時の優れた取り回しや悪路走行時のショック低減、ドライバーの操舵力軽減などに貢献します。

[ZX、GR SPORT、VXに標準装備]

電子制御ブレーキシステム

様々な状況下で、思い通りに止まれる。

ブレーキペダルの操作量をセンサーで検出し、最適な制動力を生み出す新たな電子制御ブレーキシステムを採用。コントロール性、剛性感、応答性を高め、オンロード、オフロードを問わず、様々な状況下で思い通りに止まることが可能です。

パワーユニット

Direct Shift-10AT

ドライバーのアクセル操作に素早く呼応。

V6ツインターボエンジンの性能を引き出すDirect Shift-10AT。10速化によるクロスステップの緻密な変速は、ダイレクトなフィーリングと、ドライバーのアクセル操作に素早く応じるリズミカルで気持ちのよい走りを生み出します。また、駆動力特性と変速タイミングの最適化を図り、ガソリンエンジンでは高回転域までの伸びやかな加速感を、ディーゼルエンジンでは低回転から盛り上がる力強いトルク感を追求。全体のギアレシオをワイドレンジ化することで、高速走行の燃費向上と、発進加速、オフロード性能の向上を実現しました。

3.3L V6ツインターボディーゼルエンジン(F33A-FTV)

強大なトルクが、あらゆるシーンで爽快な加速を提供。

ピストン燃焼室、吸気ポート、インジェクターといったエンジン各部の構造を最適化し、高出力と優れた燃費性能を両立した3.3L V型6気筒ツインターボディーゼルエンジンです。走りの面では、新採用の可変ノズル付2ウェイツインターボが、あらゆるシーンで爽快な加速感をもたらす過給性能を実現。低速域ではシングルターボの高レスポンスによる力強い加速に、高速域ではツインターボの大吸気量によるのびやかな加速に寄与します。また、電子制御ファンカップリングを新たに採用し、優れた燃費性能と静粛性に貢献。新技術の尿素SCR*1-DPF*2システムは、排出ガスのクリーン化に高い効果を発揮します。

3.5L V6ツインターボガソリンエンジン(V35A-FTS)

圧倒的なパワーで、走破性と心地よい加速を両立。

TNGAの思想に基づき、ランドクルーザー伝統の信頼性を継承した3.5L V型6気筒ツインターボガソリンエンジンを新開発。マルチホール直噴インジェクター付D-4STの採用やロングストローク化、バルブ挟角の最適化による高速燃焼と高効率ツインターボが力強い低速トルクと優れた過給レスポンスを生み出します。また、電子制御ファンカップリングを採用し、優れた燃費性能と静粛性に貢献。エンジントルクの応答制御を最適化し、早期に応答させることでドライバーの意図通りの駆動力を生み出し、圧倒的なオフロード走破性を達成するとともに、オンロードでは高回転域まで伸びやかで心地よい加速を体感できます。

走りの快適性

マルチテレインセレクト

最適な走行支援モードを選択可能。

オフロード走行において、タイヤの空転によるスタックや、駆動力不足による失速が起こりやすい路面状況に応じた走行支援を、6つのモード(AUTO/DIRT/SAND/MUD/DEEP SNOW/ROCK)から選択できるシステムです。選択したモードごとに駆動力、サスペンション、ブレーキ油圧を自動で統合制御し、走破性を確保。なかでも、各種センサーの情報から走行中の路面状況を推定し、駆動力を最適化するAUTOモードは、ドライバー自らモード切り替えをすることなく、走行シーンに応じた走破性能を引き出すことが可能です。

■選択可能モード
L4モード時:AUTO/SAND/MUD/ROCK
H4モード時:AUTO/DIRT/SAND/MUD/DEEP SNOW

クロールコントロール

ステアリング操作のみで極低速走行に。

凹凸の大きいオフロードや滑りやすい路面を走行する際、アクセルやブレーキ操作をすることなく、ステアリング操作のみで極低速走行が可能です。ホイールスピンや車輪のロックを抑制するためスタックからの脱出能力が高く、駆動系への負荷も軽減。状況に応じて5段階の速度設定が可能です。また、マルチテレインセレクトで選択した走行モードに応じた駆動力や制動力も自動で制御します。さらに、クロールコントロール走行時に切り返しが必要なタイトコーナーに差し掛かった際、後輪内側のブレーキ油圧を制御することで回頭性を高めるターンアシスト機能付です。

■作動条件
トランスファーギヤ位置:L4

マルチテレインモニター

見えにくい車両周囲の状況確認をサポート。

[GXを除く全車にディスプレイオーディオ(コネクティッドナビ対応)Plusとセットでメーカーオプション]

オフロード走行時
車両周囲の状況確認を4つのカメラでサポートするシステム。フロント・サイド左右・リヤに搭載したカメラでとらえた映像をカメラスイッチで切り替えることで、ドライバーの死角になりやすい車両周辺の路面状況を確認できます。

■作動条件
L4モード時/H4モード時+マルチテレインセレクトON状態

アンダーフロアビュー/アンダーフロアビュー(後輪)【トヨタ初

フロント画面表示中に車両を停止させ、画面内のスイッチを押すことで、アンダーフロアビューに切り替えできます。手前で撮影された過去のフロントカメラ映像に、現在の車両周辺の映像を合成することで、車両下の状態や前輪の位置が確認できます。さらに、車両を透過し、後輪周辺をクローズアップして大きく表示する新ビューを追加。タイヤ付近の状況や障害物との距離感を把握でき、スタックや行き止まりからの脱出に力を発揮します。

バックアンダーフロアビュー

後退時に手前で撮影された過去の映像を合成することで車両を擬似的に透過し、後輪付近を表示。車両後方の障害物との位置関係の把握や、後輪と路面の確認を支援し、林間路、モーグル路、岩石路などでの走破性に寄与します。

フルタイム4WD(トルセン®LSD付トランスファー)

シーンに応じてトルク配分をコントロール。

センターデフに、トルセン®*1LSD*2を採用。路面状況や走行状態に反応して、前後のトルク配分を最適にコントロールします。通常時のトルク配分「前40:後60」を、旋回加速時にはリヤ寄りにして優れたコーナリング性能を発揮。前後輪のいずれかがスリップした際にも瞬時に他方にトルクを配分し、車両の安定性回復に寄与します。

トルセン®LSD(リヤ)

高いコントロール性を発揮。

リヤタイヤのトラクション性能を確保するトルセン®*1LSD*2を採用。旋回加速時には後左右輪の荷重に応じて駆動力を最適に配分し、高いコントロール性能を実現。直進では路面状況の変化にレスポンスよく反応し、安定性の確保に貢献します。

[ZXに標準装備]

ダウンヒルアシストコントロール

下り坂での走行をサポート。

エンジンブレーキだけでは十分減速できないような険しい急坂路を降坂する際、スイッチ操作により、4輪のブレーキを自動的に制御し、タイヤロックすることなく安定した降坂を支援します。スイッチで選択した車速を保ち、ブレーキやアクセルの操作に気を使うことなく、ステアリング操作に集中できます。

■作動条件
トランスファーギヤ位置:H4(車速4~30km/h以下で作動)

ヒルスタートアシストコントロール

上り坂での走行をサポート。

急な上り坂や滑りやすい上り坂で発進する時、ブレーキからアクセルへ踏み替える際に発生する車両の後退を、自動的にブレーキ制御することで緩和し、発進を容易にします。

アクティブトラクションコントロール

スリップ状態から素早く脱出。

雪道などのオフロードでスリップを検知すると、空転した車輪にブレーキをかけ、残りの車輪に駆動力を配分。悪路でも安定した走行を可能にします。

対地障害角

険しい傾斜も越えていける。

最大安定傾斜角44°、登坂能力45°と優れたオフロード性能を発揮。アプローチアングル、デパーチャーアングルなども本格オフローダーにふさわしい十分な値をマークしています。

電動デフロック(リヤ)

脱輪やスリップ時の切り札。

後輪のどちらかが岩石路や砂地、ぬかるみなどでスタックした際、後輪左右を直結。空転する反対側のタイヤに駆動力を伝え、走破性を高めるシステムです。

[GR SPORTに標準装備。GR SPORTを除く全車にメーカーオプション]

電動デフロック(フロント)

ランドクルーザーの走破性をさらなる高みへ。

GR SPORTにはフロントにも電動デフロックを搭載。様々な悪路環境において、より優れた走破性を発揮します。

[GR SPORTに標準装備]

AVS*1/NAVI・AI-AVS*2

オフロードでの姿勢維持とコーナリング時の安定感を実現。

状況に応じて減衰力を自動制御するサスペンションシステムです。速く、連続的に減衰力を切り替え、大きなうねりと細かな凹凸が複合したオフロードを安心して走破できます。また、長時間走行しても疲れにくい、オンロードでのゆとりある乗り心地も両立させました。減衰力モードは、ドライブモードセレクトスイッチで3段階に切り替えられ、L4モード選択時は不整地路に適した減衰力に切り替わります。さらに、ナビゲーションシステムを融合したNAVI・AI-AVSも搭載。ナビゲーションコンピューターより受信した車両前方のコーナー情報をもとに、あらかじめショックアブソーバーの減衰力を最適に制御し、コーナリング時の安定感をもたらします。

[ZX、GR SPORTに標準装備]

ドライブモードセレクト

走りのテイストを自由に選択。

ダイナミックな加速を楽しみたい、ゆったりと穏やかに走りたいなど、オンロードにおいて気分や走行シーンに合った走りを最大6つのモードから選択可能です。ドライバーの好みに合わせて制御をカスタマイズできるCUSTOMモードも新たに設定しました。

■作動条件
トランスファーギヤ位置:H4

VDIM

「走る・曲がる・止まる」を統合的にコントロール。

VDIM*1は、アクセル、ステアリング、ブレーキの操作量によるドライバーの走行イメージと、各種センサー情報による車両挙動との差を算出し、その差を縮めるように、VSC*2、A-TRC*3、マルチテレインABS*4などを統合マネジメント。その結果、車両全方向の運動状態が限界前からシームレスに制御可能となり、高い予防安全性と連続するコーナーや滑りやすい路面での走行時にドライバーのイメージに近い、優れた運動性能を獲得します。

[ZX、GR SPORTに標準装備]

E-KDSS*1【世界初*2

電子制御で、路面に最適なスタビライザー効果を提供。

市街地での走行安定性とオフロードの走破性を高次元で両立させるサスペンション制御システムです。前後のスタビライザーを独立して電子制御し、路面状況や前後輪それぞれの状況に応じてより細かくスタビライザー効果を変化させます。

[GR SPORTに標準装備]

静粛性の追求

どんな道を走っても感じる、心地よい静けさ。

ボディの広範囲に遮音材・吸音材を最適配置。ウインドシールドガラスの低段差化やフロントピラーの外形最適化により、風切音も抑制。また、ガソリン車にはエンジンおよび吸排気系のこもり音をスピーカーからの制御音で打ち消し、静粛性を向上させる「アクティブノイズコントロール」を採用しています。