ウェルキャブ | 福祉車両
国際福祉機器展 H.C.R. 2024イベントレポート
第51回 国際福祉機器展「H.C.R. 2024」が10月2日(水)~4日(金)の3日間、東京ビッグサイトで開催されました。国際福祉機器展(H.C.R.)は、ハンドメイドの自助具から最先端技術を活用した介護ロボット・福祉車両まで世界の福祉機器を一堂に集めたアジア最大規模の国際展示会です。
このページの掲載内容は、2024年9月時点の情報です。
福祉のワクワクする未来を感じられるトヨタブース
トヨタの目指す福祉領域の新たなコーポレートメッセージ[すべての「行きたい」を叶えていきたい。]をコンセプトに、現在販売中のウェルキャブ・福祉商品や、開発中の製品などを多数出展。
実車展示や試乗体験などを通して、トヨタの取り組みをご紹介しました。
ウェルキャブと福祉商品群
今回は、一部開発中のものも含めたウェルキャブ(福祉車両)を車いす仕様車を中心に5台展示し、実際に体感していただきました。
さらにモバイルトイレでは車いすでも利用しやすい広いスペースを確認いただいたり、C+walkの試乗体験など大変好評でした。
トヨタの社員にとってもH.C.R.はとても大切な場所。アンケートだけでは実感することができない、お客さまの生の声が聞ける貴重な機会となっています。実際に、お客様からいただいたご意見から、いつでもウェルキャブの「後付けできる車いす収納装置」は生まれています。今回もたくさんの方のご意見をいただいたので、開発に活かしていきたいです。
すべての人が、シームレスな移動の自由を実現できるよう、今後も『ワクワクする未来』に向けて、いろんな分野の方々と共に頑張っていきたいと思います。
トヨタ自動車 CV統括部 稲熊
展示車両とご来場いただいたお客様の声
ゆるやかなスロープから、車いすに乗車したまま車内へ。車いすの方がコミュニケーションをとりやすいセカンド席に乗車でき、セカンド席とサード席にお一人ずつ乗車可能な車いす仕様車です。
乗る位置や、クルマの大きさ、固定の仕方など選ぶことができました!トヨタは車いす仕様車のタイプが豊富で、見比べできていいですね。
バックドアを開けると同時に車高が降下し、「ショートスロープ」が展開。省スペース&短時間での乗り降りを実現する車いす仕様車です。
シエンタのショートスロープは、スロープ自体も魅力的ですが、バックドアが屋根になるところになるほどと感じました。雨の日の乗り降りは傘をさす負担が軽減されますよね。
今お乗りのクルマに、欲しい時に後付け出来るトヨタ後付け純正用品。
いずれも、不要になったら取り外しも可能です。
回転するシートも車いす収納装置も後付け出来るんですね。福祉車両を新車で購入する以外に、後付けの商品があるのをはじめて知りました!レンタルが出来る事業所・店舗があることも教えてもらいました。
ワンタッチで車いすを電動で固定。車いすのセットから固定までラクな姿勢のままで行えるワンタッチ固定装置。
今回は現在販売中のハイエースと、現在開発中の一般家庭でも使いやすいヴォクシーでの固定装置を展示しました。
車いすの送迎を繰り返しているので、ワンタッチ固定はとても魅力的ですね。介護タクシーをしているので、ヴォクシーサイズで商品化されると嬉しいです。
いつでも・どこでも・だれにでも快適なトイレが使える移動型バリアフリートレーラー。
こちらは実際に被災地でのトイレ不足解消を支援するために、能登半島地震の被災地でも活躍しました。
地元の青森県八戸は、震災のときにバリアフリートイレの諸問題に直面しました。非常時などにこうしたトイレがクルマで来てくれるのはとても良いアイデア。トヨタなりの考え方でこうした問題に取り組んでいることを知ることができてよかったです。
「歩く」ことをアシストする、トヨタの超小型BEV、C+walkシリーズ。会場では実際に試乗体験をしていただきました。
C+walkを体験しました。シニアカーとしては、かなりおしゃれですよね。何より見た目よりも小回りがきくことに驚きました。こういった新しいものを体験できるのがいいですね。
将来に向けた製品開発群
「将来に向けた製品開発群」では、ただ移動するだけではなく、移動することが楽しくなるような、開発中の製品を展示しました。
ト開発するにあたり、移動することが困難な方とはどういった方なのか、一から考えることからはじめました。
展示している開発中の商品は、福祉という視点だけではなく移動することが楽しくなることを心掛けて開発しています。
JUUは特に「未来にこんなのがあったらいいな」を表現していると思います。お客さまから「いつ発売されるのか?」や「商品化できるの?」という声もいただきますが、期待も込めてのご意見だと思っています。
早く商品を実用化させ、世に出していきたいと強く思います。
こういったイベントでしか、なかなか開発中の商品を見ていただける機会がありません。ぜひ、実際に見ていただき、たくさんのご意見を聞かせてください。
トヨタ自動車 先進技術カンパニープロジェクト領域 本田・小瀬
展示車両とご来場いただいたお客様の声
GRヤリスにて展示したキネティックシートは、“人間本来が持っている姿勢を保とうとする仕組み”を活かしたシート。体幹が弱い車いすの方などはカーブの際などにどうしても体が遠心力に耐えられず倒れてしまったり、路面の凸凹による振動が負担になっていたりします。
このシートは電動ではなく「カラクリ」で機能しています。この「カラクリ」には、トヨタが培ってきた知識や工夫が詰め込まれています。
通常のシートでは体幹がないので前に体がずれていってしまうのが悩みでした。キネティックシートは、座席ごと体をサポートし、遠心力にも耐えてくれるとのことだったので、完成を楽しみにしています。
バイクハンドルをベースに、アクセル、ブレーキといった足元の操作系をステアリングホイールに集約した新時代のコックピット・コンセプト。
今回はランドクルーザー“250”にて展示しました。会場でもシミュレーターで両手でハンドルだけで運転する楽しみをより感じていただけました。
普段は片手でハンドルを操作していますが、このネオステアは両手で操作できるのでいいですね。シミュレーターで体験しましたが、慣れたら問題なく操作できると思います。今後のカスタムや改良に期待しています。
段差や不整地を乗り越え、行きたいところに行ける車いす型モビリティ。
今回は「PROTO」と「LITE」という両極端なコンセプトモデルを展示しました。今回伺ったたくさんの方のご意見は、今後の開発に活かされていく予定です。
今回展示されている、「PROTO」は展示の中でも、突き抜けているし、破壊力がありますよね。去年のデザインよりも、目を引きます。
今後もこういった挑戦的なものを創っていってほしいです。
自動車会社ならではの安全にも配慮されたバギー。
クルマでの移動中もお子様を真横に感じることで機嫌の良しあしや、ケアが必要な予兆を早めに気付くことができます。
障がいのある子供のための福祉車両を見に来ました。まだ生まれたばかりですが、成長したときに必要なバギーも検討しています。一人で運転しているときに顔が見れるのは良いですね。
バギーを利用するのは少し先なのでその頃には製品化されていると嬉しいです。
「迎えに来てくれるお風呂」移動式ミストサウナ。身体負荷の少ない椅子とサウナを立地に依存せず多くの人へ提供する新しい入浴サービスです。会場では実施にミストを焚いて体験していただきました。
中に入ると高温のサウナとはちがい、息苦しくなく、身体全体がしっとりする感じでした。使用する水も少量でいいとのことなので、被災地やキャンプなどで活躍しそうですよね。
高齢者など運転に不安を抱えるドライバーの安全と、そのご家族の安心をサポート。運転・安否・日々元気に過ごせているかスマホアプリ等でお伝えし、ご家族の安心もサポートします。
離れて住んでいる高齢の親が運転をするので、いつも心配をしています。
クルマがないと移動に困る地域なので、この仕組みが実現すれば、心配も減りそうですね。
トヨタの目指す福祉領域のコーポレートメッセージ
行きたかった場所へ行ける。やりたかったことができる。
これほど分かりやすい幸せはないかもしれない。
しかし日本では、4人に1人は移動に「障壁や困難」があるという。
困っている方の事情は多様。だからこそ多様な選択肢を。
モビリティカンパニーだからできることが、もっとあるはずだ。
トヨタはモビリティカンパニーとして「移動」に困難を抱えている方の問題を解決していきたいという想いがあります。
今回掲げた[すべての「行きたい」を叶えていきたい。]というメッセージは、障がいのある方とその周りの介助している方々のリアルな声を聞きながら、トヨタとして何ができるのか考え、その想いを表現した言葉です。
「行きたい」所へ行くことを諦めていた方にむけて新たなサイトを立ち上げました。当事者視点の移動関連の情報やトヨタの様々な取り組みについてもぜひ知っていただきたいです。
トヨタ自動車 社会貢献推進部 プログラム推進室 モビリティフォーオールG 藤原