VOICE

  • Vol.1 三橋 淳
  • Vol.2 寺田 昌弘
  • Vol.3 辰野 勇
  • Vol.4 山田 周生
  • Vol.5 白石 康次郎
  • SPECIAL INTERVIEW Chief Engineer SADAYOSHI KOYARI
  • LAND CRUISER“70”SERIES
  • LAND CRUISER
  • LAND CRUISER PRADO

1984年、ヘビーデューティーの70系から派生した70ワゴンは、1990年に<ランドクルーザープラド>として、大地に新たな轍を踏み始めた。90系、120系とモデルチェンジし、走破性と快適性を両立しながら向上。2009年にはハイテクデバイスを装備した新世代のランドクルーザープラド150系と大きく進化した。
そして2013年9月、さらに細部にまで熟成を重ねた新ランドクルーザープラドが誕生した。日本から世界にいたるまでユーザーを魅了する彩色兼備なランドクルーザープラドは、はたしてどのようにしてアップデートされたのか。

RuggedでModernなランドクルーザーを
ランドクルーザー70、ランドクルーザー200そしてこのランドクルーザープラドと、ランドクルーザーシリーズすべてを統括するチーフエンジニアの小鑓氏。
「ランドクルーザープラドはランドクルーザーシリーズのなかで唯一、ライトデューティーなクルマになります。私は90系でフロント独立懸架などサスペンション設計を担当していたので、ランドクルーザープラドに対する思い入れが強く、今回からランドクルーザーシリーズすべてを統括するようになり、3年前からシリーズによりふさわしいランドクルーザープラドのアップデートに着手しました。『Rugged(たくましさ)&Modern(現代的)』をコンセプトに、オフロードでの走破性、堅牢性の高さを持ちながら、都会でも似合う<汚れていてもかっこいい>クルマを目指しました」
情熱の国で愛されるランドクルーザープラド
ランドクルーザーが走る世界中の国々に出向き、その大地を走り、道との対話そしてオーナーとの会話を楽しむ小鑓氏。世界でのランドクルーザープラドの評判はどうだろう。
「もちろんオーストラリア、中近東、中国など国道であっても未舗装路であったりするような国で人気がありますが、欧州ではこのランドクルーザープラドが、ランドクルーザーとして販売されています。欧州諸国の中では特にフランス、スペインで人気が高いですね。また中南米ではコロンビアは土地柄、高い山脈を越えの道路が多く、天候によっては4WDでなければ通行が出ない道もあります。ファミリーユースから過酷な道を安全に越えることまで、この1台でできる。フランス、スペイン、コロンビアなどラテンの国々で特に熱狂的に支持されているのがうれしいですね。また海外ではクルマはファッションではなく実用的なツールとして使われるオーナーが多く、70系、200系と比較すればスタイリッシュなデザインですが、中身にこだわり、信頼性の高さを高く評価いただいていると思います」
より存在感のあるスタイリングへ
芸術の国、フランスやスペインなどで特に高い評価を得ているスタイリング。そのテイストを踏襲しながら、フロントマスクを中心にかなり押し出し感の強いスタイリングが印象的だ。
「内に秘めたランドクルーザープラドの雄々しさを、より伝わりやすくスタイリングにもこだわりました。フロントグリルにボリュームを持たせ、ヘッドランプに個性を、リヤライセンスガーニッシュは大型化して存在感を出しています。都会を颯爽と走ることが似合い、アウトドアで汚れてもかっこいいスタイリング」
前例なき走り込みで<らしさ>を追求
通常マイナーチェンジの場合、大規模な走行試験は行われないが、今回は異例ともいうべき試験を敢行した。
「スタイリングだけでなく、走りにもよりランドクルーザーらしさを追求しました。国内だけでなく、オーストラリアで2週間の走行試験を行いました。オンロード、オフロードを延べ約20,000kmの走行試験をし、サスペンションの設定を詰めました。今回のサスペンションの変更はKDSSの前後配分を変え、より操縦安定性重視の方向にチューニングしました。またマルチテレインセレクトも現在200系に採用している5モードへバージョンアップ。ランドクルーザーシリーズとして常に進化しています。またインテリアはスイッチ類をより扱いやすいレイアウトへ変更しました。こだわりはデジタルの傾斜計。タフな4WDらしさをインテリアでも感じられます」
多様性を持つ唯一無二のクルマ
ランドクルーザープラドは、鍛え上げた肉体を誇示するのではなく、内に秘め、厚手のハンティングジャケットを纏い、フィールドに向かうアウトドアマンのよう。アウトドアではタフに動き、都会でもフォーマルな雰囲気を醸し出す紳士のようだ。
「意外と思われるかもしれませんが、日本では女性オーナーもたくさんおられるので、気軽に街乗りができることも重要です。乗員を快適に運ぶクルマであり、自然とたわむれる最適なツ−ル。ランドクルーザーシリーズならではの堅牢性、走破性の高さを持ちながら、都会で気軽に乗れる。アウトドアで頼れる、フィールドを選ばない適応力の高さが、ランドクルーザープラドの持ち味です」
こうしてランドクルーザーシリーズに新たな味あるクルマが誕生した。

記事:寺田 昌弘