ウェルキャブ | 福祉車両
国際福祉機器展 H.C.R. 2025イベントレポート
第52回 国際福祉機器展「H.C.R. 2025」が10月8日(水)~10日(金)の3日間、東京ビッグサイトで開催されました。
トヨタは、移動の自由をすべての人に届けるために、福祉車両や技術開発に取り組んでいます。H.C.R. 2025の会場では、最新の福祉車両や未来を感じる技術を、ご来場いただいたみなさまに実際に「見て・触れて・体験」していただきました。
このページの掲載内容は、2025年10月時点の情報です。
移動の自由に向けた「今」と「近い未来」の取り組みを体感
「家族と一緒に旅行に行きたい」「自分の力で自由にお出かけしたい」トヨタはそんな“行きたい”を叶えるために、福祉車両や技術開発に取り組んでいます。
今回トヨタブースでは、市販されている福祉車両・小型モビリティ・用品等の展示と、近い未来の可能性を体感できる開発品を展示いたしました。
「今」の取り組み(市販車種・商品)
すでに購入可能な福祉車両や用品を多数展示。ご来場いただいた多くのお客さまに、見て、触れて、体感いただきました。説明員は実際に車両開発をしているスタッフも多く参加し、お客さまから直接ご意見やご感想をいただける貴重な機会となりました。
展示車両とご来場いただいたお客さまの声
「歩く」ことをアシストする小型モビリティ、C+walkシリーズ。
実際体験してみて機能や見た目がとても良いと感じました。
私たち車いすユーザーや高齢者がもっと外出したくなるきっかけになるような車いすに代わる「新しい移動手段」になると思います。
標準装備の専用パワーステアリングは、標準車に比べて発進・低速時のステアリング操作力を約50%軽減しています。展示ではフジオート製の運転補助装置を装着した車両をご覧いただきました。
ミクニライフ&オート製の運転補助装置シミュレーターもご体験いただきました。
現在標準車を架装し乗っているのですが、乗り換えを検討しています。
すでにミクニさんに相談して、ハンドルに旋回ノブの架装を依頼し、カタログで注文をしました。
今回、注文した商品を実際に触ることができて良かったです。いろんなパーツを試し、注文した商品のパーツが一番合っていたので安心しました。
トヨタと架装メーカーが協力することで相談がしやすくなったと思います。
快適なお出かけをお手伝いするさまざまななカー用品「いつでもウェルキャブ・サポトヨプラス」を開発・販売をしています。今回トヨタブースでは複数の用品を展示、体験していただきました。
-
助手席ターンチルトシート・車いす収納装置 -
アシストグリップ(ヘッドレスト取付タイプ)
将来的に車いすでの生活になるかもしれないので、福祉用品を見学しに来ました。
ターンチルトシートは、シートが外側を向いてくれるだけでも楽に乗り降りできそうだなと、気になっていました。車いす収納装置も後付けできるだけでなく、取り外しもできると聞いて驚きました。
この2つは、クルマを買うときだけではなく、後からオプションとして選択できることを、スタッフさんの説明で知ることができました。こうしたいろいろな機能・装備が後付けできるのは良いと感じました。
車両後部に備えたなだらかなスロープで、車いすやストレッチャーのまま乗り降りできます。
車いすの方がセカンドシートの位置に乗車できます。介助の方が車いすの方のすぐ隣に乗車できるため、移動中のケアもしやすい仕様です。
今は子供の身体が小さいのでシートへ移乗していますが、最近は子供がシートへの移乗を嫌がるようになってきたこともあって、車いすのまま乗れるクルマを検討しているところです。
子供との距離感などを実際に試乗して比較できたことは良かったです。
ノアの車いす仕様に新しくショートスロープが発売。2つのタイプを展示。
乗降に必要なスペースを大幅に縮小、2段折れパネルの採用により、車いすでの乗降の負担を低減。
車いすの乗車から固定までの一連の動作がとてもシンプルで、スムーズに乗降。
H.C.R.へは、このショートスロープのノアが展示されているとのことで、見に来ました。
現在はクルマのシートがそのまま車いすになるタイプ(サイドリフトアップシート車 脱着タイプ※)を使用していますが、次は通常の車いすのまま乗車したいと思っています。
引き出し式のスロープと一緒に見比べることができて助かりました。引き出し式スロープはなだらかに乗り込むことができそうですが、乗り降りのスペースが限られているので私たちにはショートスロープが合っていそうです。
サイドリフトアップシート車(脱着タイプ)は、現在お取り扱いがございません。
さまざまなモビリティサービスに活用できるバッテリーEV「e-Palette」。
低床かつ大開口ドアにより短時間での乗降を可能にし、車高調整機能やスロープを備えることで車いすの方も乗降することが可能です。
開放感のある室内空間で、人々の移動手段だけでなく移動する店舗など、サービス空間にも活用できるモビリティです。
今回はさらに「車いすワンタッチ固定装置」を装着した車両を展示いたしました。
e-Paletteは以前ニュースで見て知っていたので実際に乗ることができてうれしいです。
近未来的なクルマなので街中を走行している姿を見るのが楽しみです。
将来的には自動運転を目指しているとのことなので、車いすのワンタッチ固定が普及すれば、サポート無しでも車いすでバスに乗れる未来もあったらいいなと思います。
そうすれば移動がもっと自由になりますよね。
販売について、当面はトヨタが直接ご注文を受け付けます。将来的にはトヨタ車両販売店を通じた販売への移行を予定しております。
車いすの固定がワンタッチで簡単&スピーディー。介助者の負担を大幅に低減。
従来の車いすのワイヤー式固定も可能です。
介護施設で主に送迎の担当をしています。
車いすの利用者さんも多く、毎日複数回の送迎で車いすの固定と解除をくり返しています。
車いすワンタッチ固定は、固定時間が短縮し楽な体勢で作業ができるので労力も軽減できると感じました。
いつでも・どこでも・だれにでも快適なトイレが使える移動型バリアフリートレーラー。
このモバイルトイレをイベントで利用したことがあり、野外イベントなどでのモバイルトイレの必要性を再確認しました。
普通免許でけん引できることは、利用のハードルを下げ、とても良い点だと思います。
「近い未来」に向けた取り組み(開発中の車種・商品)
[すべての「行きたい」を叶えていきたい。]を叶えるために、様々な「困っていること」をキャッチすることが大切です。この「近い未来」に向けた取り組みは、これまでの常識を覆すアイデアが形になる過程の製品です。数年後の生活がどのように変わるかを体感していただきました。
乗降スペースを節約でき自立歩行ができる方に使いやすい「チルトモード」と車いすからスムーズに移乗できる「リフトアップモード」の2つの電動アシスト機能です。
お身体の状態や乗降スペースによって使い分けすることができるシートを開発中です。
現在はセカンド席が電動で回転して出てくるタイプに乗っています。
このシートは乗降スペースによってシートの出方を変えられるのは良いですね。
母の場合は片側に麻痺があるため、常に左移動で乗降できるクルマが理想です。乗るときは左側に車いすを置き、移乗。降りるときは右側に車いすを置いて移乗できるクルマが欲しいと思っています。
両側を使用する場合、スライドドアの方が便利ですよね。
長距離や旅行の時にはアルファードクラスのクルマが良いですが、やはり普段使いするにはノアやシエンタくらいのサイズでこの機能があるとうれしいです。まだ開発中とのことなので、これからに期待しています。
-
工場用自動けん引車の遠隔サポート装置【開発中】
自動化が進む工場で部品を運ぶ無人の搬送機が止まってしまったとき、人による安全確認や移動が必要です。
遠隔地からスマホでこれらの作業が可能になることで、車いすの方も工場生産を支える一員として活躍できる、そんな工場での新しい働き方を実現します。
お客さまの声(40代/情報通信業) 障害を持った方の新しい働き方として、また、就労支援として大きな意義のある開発だと思います。
トヨタがこのような先進的な取り組みを継続し、実現していくことに期待しています。 -
NUKUMARU【開発中】
「迎えに来てくれるお風呂」移動式ミストサウナ。立地に依存せず多くの人へ提供する新しい入浴サービスです。
車いすでも乗り入れできるようにリフトを設置。会場では実際にミストを体験していただきました。
お客さまの声(50代/車いすユーザー) 私は湯舟に浸かりたいタイプなのでミストだと少し物足りないかもしれませんが、身体の状態によってはミストの方が負担の少ない方もいますよね。
入浴サービスの選択肢のひとつとして普及していってほしいです。 -
家族の運転見守りサービス【開発中】
高齢者など運転に不安を抱えるドライバーの安全と、そのご家族の安心をサポート。
運転・安否・日々元気に過ごせているかスマホアプリ等でお伝えし、ご家族の安心もサポートします。
お客さまの声(50代/介護タクシー業) 離れて住む親の日々の様子を数値で見られるのは良いですね。
親や兄弟と日常や将来のことを話せる材料になると思います。心配で感情的になってしまう内容も冷静に振り返ることができそうです。
トヨタは[すべての「行きたい」を叶えていきたい。]というコーポレートメッセージを掲げ、福祉車両や技術開発に取り組んでいます。このようなイベントはお客さまのリアルなお声をいただける貴重な機会です。
今回は、すでに市販されている福祉車両のラインアップから、近い未来の可能性を体感できる開発中の技術まで、見て・触れて・体験していただける内容を展示いたしました。
お客さまからは、期待や共感、もっと○○だったら良いといったアドバイスまで、たくさんのお声をいただけました。
また、幅広い選択肢を提供するため、トヨタだけではなく、同じ想いを持つ企業さまとも垣根をこえた連携を始めております。
トヨタは今後も[すべての「行きたい」を叶えていきたい。]という想いとともに、この領域へ注力してまいりますので、是非ご期待いただければうれしいです。
担当:トヨタ自動車 国内商品部 南
ギャラリー
今回出展したウェルキャブや福祉関連商品について詳しくはこちら
全国からリモートで気軽に相談!
「トヨタの福祉車両オンライン相談窓口」のご紹介
専任のコミュニケーターがご要望をお伺いしたうえで、お客さまに最適なクルマ選びのお手伝いや、あると便利な用品のご紹介などを行うサービスです。
電話やメール相談のほか、ZOOM相談では展示車両や用品を映しながら操作方法まで分かりやすくご紹介します。
福祉車両を見て・さわって・体感できる常設店舗
「ウェルキャブステーション」のご紹介
ウェルキャブを体感していただける販売店店舗です。
ウェルキャブの展示車・試乗車の常設に加え、専門の知識を備えたウェルキャブコンサルタントが常駐しております。
店舗はバリアフリー設計ですので、どなたでも安心してご来店いただけます。