RAV4 HEADZ HEADZ INTERVIEW

neru design works

neru(重弘剛直)

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neru(重弘剛直)

多くのファンを抱えるキャンプギア・ブランド『neru design works』代表。自身も年間30泊ほどキャンプをする根っからのキャンパーで、「自分が欲しいモノ」という観点から製作したキャンプ道具を国内のショップのみならず中国や韓国、台湾にも販売している。昨年、仲間と共に新会社の『LOG(ログ)』を設立。キャンプだけにとどまらず「ヒト」「モノ」「コト」を通じてキャンプと親和性の高いキャンプ以外のカテゴリーまで事業を拡大すべく活動の幅を広げている。現在45歳、広島県出身。

vol.1

キャンプ一色の
「好き」にまみれた生活

  • 好きなことだからどんな苦労もストレスではない

    「neruさん」こと重弘剛直さんは、キャンプ好きの間では有名人だ。代表を務める『neru design works』は、キャンプギアを製作・販売するガレージブランドの先駆けであり、素材選びからデザインまで徹底してこだわったその製品は多くのキャンパーを魅了してやまない。

    もともとモノを作るのが好きで、キャンプも好きでした。それで趣味で作り始めたのが最初です」

    大好きなキャンプで自分が使いたいと思うモノを作り、そして販売する。それを実現するために、会社を立ち上げたのが2014年。当時はメーカーに勤務する会社員だった。

    「サラリーマン時代も嫌な仕事をしていたわけではないですが、年次を重ねるに従って、自分がやりたいことができないというもどかしさを感じることが多くなりました。面白いことを考えても、いろんなしがらみがあって実現できない。そのストレスがすごくて……」

    入社して10年ほど経ってからは、「サラリーマンをどうやったら辞められるか。ここからどう脱出するか。そればかり考えていました」と苦笑いする。

    「日本はこの10年とか15年、リスクに対して後ろ向きです。ずっとメーカーにいたのでよくわかるんですが、とにかく安全第一。短所より長所のほうが大きければそれを活かそうとすればいいのに、短所をゼロにすることしか考えない。そうやって作ったモノは普通以下にしかならない。結局、やりたいことをやるためには自分で始めないとダメだと悟って、2014年に会社を立ち上げました」

    日本各地でキャンプを楽しみ、自分が作りたいキャンプ道具を作って生活の糧を得る。大好きなキャンプにどっぷり浸かった日々を送る重弘さんは、RAV4のキャッチフレーズである「好きにまみれろ!」を地で行く。しかし、好きにまみれた生活を手に入れるのは簡単ではなかったという。会社を設立し、作りたいモノもある。それでも構想を形にしてくれる職人には全くアテがなく、「インターネットで探した」のだそうだ。

    「こういうモノを作りたいと電話で説明するんですが、個人の会社なので最初は相手にしてくれません。それでも根気よく話をしていくうちにだいたい賛同してもらえます」

    そうした苦労も含めて、「モノ作りは楽しいですよ」と重弘さんは笑う。

    「会社を作って、ここまで来るのに7年くらいかかりました。でも、それだけかかってもやって良かったと思います。自分が欲しいと思うモノを作っているので、ストレスはありません

  • 欲しいテントを作るために生地から作る

    『neru design works』のキャンプギアは、「時間とともに劣化していくのではなく、使っていくうちに雰囲気や質感が良くなっていくモノ」というコンセプトに基づいて作られている。プラスチックなどは極力使わない。モノ作りに対する飽くなき情熱は、この冬から出荷が始まったオリジナルテントの製作にまつわる話からも伝わってくる。

    「僕のモノ作りのスタンスは、『何ができるか』ではなく『やりたいことをどう実現させるか』。テントは構想からここまでこぎ着けるのに3年かかりました。作りたいテントを作るために糸加工からやって。生地がなければ生地から作る、日本に作れる所がなければ中国まで探しに行く。そうやって作りたいテントを完成させました」

    キャンプの可能性を広げ、もっと幅広い楽しみ方を提案したいとの思いから、昨年には友人とともに『LOG(ログ)』という新会社を設立した。

    「キャンプって、いろんなものと親和性が高いんです。キャンプとクルマ、キャンプとファッション、キャンプと食べ物、キャンプと音楽……。どんなものとも合う。『LOG』ではそういったキャンプ周辺部まで範囲を広げた活動をしています」

    最近はこの新会社を通じて、キャンプ産業に新規参入する企業をサポートしたり、キャンプ場のプロデュースをしたりと、モノ作りと物販以外の側面からキャンプに携わる機会も増えてきている。

  • 「キャンプに乗って行きたいクルマ」を選ぶ

    重弘さんとキャンプとの出会いは小学生の頃。ただ、今のように頻繁に行くようになったのは、大学卒業後、就職に伴って故郷の広島を離れ上京してからだという。

    「東京は緑がないし、山も見えない。それでキャンプに行くようになりました。サラリーマンだった時は、毎朝電車に乗って仕事に行き、夜帰って寝るみたいな生活。あんまり生きている感じがしなくて(苦笑)。自然の中に身を置くと、そういう日常から離れてリラックスできるんです」

    ここのところは仕事絡みでひとりで行くことも増えたが、基本的にキャンプには家族で行くそうだ。お子さんが生まれる前は奥さんと2人、今は小学生と保育園児の娘さんも一緒に家族4人でキャンプを楽しんでいる。

    景色がいい所にしか行きません

    そう言って、最近のお気に入りだという場所の画像を見せてくれた。鮮やかなもみじが目に飛び込んでくる。

    近ごろはテントだらけのキャンプ場も多いですが、そういう所には行かないですね。その点、このキャンプ場は景色がいいだけでなく、人が少なくて騒がしくないのでよく行きます」

    重弘さんが愛するのは、景観を損なうものができるだけなく、豊かな自然を満喫できる空間。また「いろいろ揃いすぎていて」という理由から、流行りのグランピングにはほとんど行かないという。

    「キャンプに行ったら、なるべく忙しくしないようにしています。以前はあれをしてこれをしてという感じだったんですけど、それだと慌ただしくて楽しめない。今は手を抜くところは抜いて、のんびりすることに重きを置いています

    家族4人で快適なキャンプライフを送るため、クルマも大きなものに買い替えた。

    「買った時は内装もはがれていて、そのままでは乗れない状態でした。それを知り合いに頼んで、内装からエンジンまで全て変えました。今の状態にするまでに丸1年かかりましたね。特にこだわったのが板張りの内装です」

    車内を板張りにする場合、四方を直線的に囲んで四角いシルエットにするのが一般的だが、モノ作りを追求する重弘さんは時間も手間もかかるのを承知で、できるだけクルマの曲線に沿って張ることにこだわった。以前乗っていたクルマも、キャンプのためにカスタマイズしていたそうだ。荷台を設置したり、ブレーキを踏んだ時に荷物がずり落ちないように網をつけたりと、自分で手を加えていった。

    「やれることがあるなら、やったほうがいい。自分が乗りやすく、使いやすくしていくのは楽しいじゃないですか」

    そんな重弘さんにクルマ選びの基準を尋ねると、「それに乗ってキャンプに行きたいクルマ」とすぐに返事が返ってきた。

    「僕にとってクルマはキャンプ道具です。機能の面でいうと積載という部分が大事ですけど、キャンプに行って、テントと一緒に写真を撮った時に絵になるかどうか。そこに自分の世界観が出るか、というところを重視しています」

    クルマにも強いこだわりを持つ重弘さんは、RAV4に乗ってどんな旅をするのだろうか。

    「RAV4のことはもちろん知っています。キャンプ場でも見かけますよ」

    実物のRAV4を目の前にすると、「思ったよりも大きいですね!」と言って笑みを浮かべる。楽しげな表情でシートに座ってハンドルを握ったり、トランクを開閉したり、このクルマに乗ってキャンプに行くのが待ち遠しいといった様子だ。自ら道を切り開き、大好きなキャンプにまみれた生活を手に入れた重弘さん。RAV4とともに行くキャンプを思い切り楽しむことだろう。

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