RAV4 HEADZ HEADZ INTERVIEW

neru design works

neru(重弘剛直)

neru design works

neru(重弘剛直)

多くのファンを抱えるキャンプギア・ブランド『neru design works』代表。自身も年間30泊ほどキャンプをする根っからのキャンパーで、「自分が欲しいモノ」という観点から製作したキャンプ道具を国内のショップのみならず中国や韓国、台湾にも販売している。昨年、仲間と共に新会社の『LOG(ログ)』を設立。キャンプだけにとどまらず「ヒト」「モノ」「コト」を通じてキャンプと親和性の高いキャンプ以外のカテゴリーまで事業を拡大すべく活動の幅を広げている。現在45歳、広島県出身。

vol.2

あえての余白が、
愉しさを拡張する

  • キャンプの相棒RAV4との旅

    モノ作りを徹底的に追及し、多くのキャンパーから支持されているキャンプギア・ブランド『neru design works』。その創設者であり、代表を務める重弘剛弘さんに今回、RAV4 HYBRID Gに試乗してもらった。ボディカラーは、アティチュードブラックマイカ。2月中旬から下旬にかけての試乗期間で、重弘さんはRAV4に乗ってどんな旅をしたのだろうか。

    「静岡のキャンプ場に行きました。もともとは土日に家族4人で行くつもりだったんですけど、あいにく雨だったので平日に1人で行ってきました」

    都内の自宅を朝6時頃に出て、キャンプ場までは高速道路を使って2時間あまり。「運転はもう、快適でした」と言って笑みをこぼす。

    「そんなに山道は通りませんが、もちろん坂はあって。そういう場所を走っていても、ストレスが一切ない。車内装備の位置や操作性も、不便さは全く感じませんでした」

    当日は快晴で、絶好のキャンプ日和。カメラが好きな重弘さんは、自分で撮影した写真を見せてくれた。富士山と青い空をバックに、黒のRAV4と自社で製作したグレーのテントが映える。

    「自分の車もテントと一緒によく撮るのですが、RAV4をこんなふうにキャンプ場で撮るとアーバンな感じになるのだなと、撮影していてそう思いました」

  • ちょうどいいサイズ感。街乗りでも乗りやすい

    約10日間の試乗期間中は、毎日RAV4に乗っていたという。キャンプ以外にも家族と一緒に鎌倉へのドライブを楽しみ、仕事場への移動や買い物にもRAV4を利用したそうだ。

    「最初にクルマを見たときは割と大きいなという印象だったのですが、乗ってみたらちょうどいいサイズ感で。街乗りでも乗りやすかったですね。仕事で新宿まで乗っていったときも、全くストレスがなくて。あとはガソリンが減らなくてビックリしました(笑)」

    RAV4に乗ってみて、「快適」「ストレスがない」といった言葉を繰り返した重弘さんだが、これからこのクルマに乗り続けるとしたら、自分のライフスタイルや好みに合わせて「ここをこうカスタマイズしたい」という願望はないか尋ねた。すると、「これはRAV4に限ったことではないが」と前置きしたうえで、こんな答えが返ってきた。

    「今回みたいに1人なら問題ないですが、特に持ち物が多くなる冬場に家族4人でキャンプに行くとなるとさすがに積載量が足りないですかね。あとは、僕に限らずキャンプをやる人は外で使ったキャンプ道具を載せるので、ラゲージスペースが汚れるというところも気にはなります」

    積載の増量と、ラゲージスペースを汚さないための対策。この2つのテーマを軸に、重弘さん流RAV4カスタイズのアイデアを聞いた。

  • キャンプ道具として極める、カスタマイズアイデア

    ①:タフな印象を与えるヒッチキャリアとルーフキャリア
    ヒッチキャリアを付けたいですね。車内を汚してしまう物をそこに置いて。例えば薪です。キャンプをする人はみんなそうでしょうが、薪って置く場所に困るんですよ。キャリアにジェリ缶を載せてもカッコいいですね。ジェリ缶には灯油じゃなくて水を入れてもいいですし。

    さらにルーフキャリアも欲しいです。ヒッチキャリアは四角い物など置ける物が限られるけど、ルーフキャリアはより万能で積載量も多いですから。フラットで極力薄いものが理想です。ぼてっとしたキャリアはこのクルマに合わない。板が1枚乗っているくらいのイメージで、車体と一体になって見えるような。クルマのフロントの曲線に合わせてキャリアの前面もカーブを描いた形にして、より一体感をもたせたいです。

    キャリアに載せるのは四角いボックス。荷物が入るボックスをラッジでキャリアに固定する仕組みにしたい。バンドで止める方式よりも、カチャっとキャリアに直接装着できるほうが見た目にもスマートですし、何よりも使いやすいと思います。

    ②:ラゲージスペースを拡大させるために外付けスペアタイヤとバックの装着
    スペアタイヤの格納場所にも荷物を置けるように、タイヤをラゲージスペースから出してクルマの後ろに背負わせるのもいいですね。オフロード感も出ますし。ただ、車体の真ん中に付けると野暮ったい。右か左にずらして、逆側にはルーフキャリア用のラダー。こうしたほうがバランスがいいです。それで、車体に装着したタイヤの台座になるような形で、先ほど話したヒッチキャリアを付ける。キャリアにはジェリ缶を置けるくらいのスペースを確保して。見た感じも面白いし、興味を持ってクルマの後ろから写真を撮る人が増えるかもしれないですね。

    外付けタイヤって、意外と使い勝手がいいんですよ。大きめのバッグを背負わせたり。防水加工のバッグをタイヤに取り付けて、バッグの中にキャンプで出たゴミを入れれば、ゴミを車内に置かずに済みます。ゴミや濡れたテントなんかはなるべくクルマの中に入れたくないので。ルーフキャリアを含めてこれだけの装備があれば、家族4人のキャンプでも必要な荷物を積むことができるはずです。

    ③:インチアップタイヤでオフロード感を
    タイヤはインチアップもして、もう少しオフロード寄りのものに替えたいですね。インチアップは2、3インチのイメージです。

    ④:外装色は大好きなアースカラーに
    これまで自分のクルマは色を変えることが多かったですし、車体は好きなアースカラーにしたい。今のクルマを含めて、自分が乗ってきたクルマもアースカラーが多いです。RAV4ならば、あまりないところでサンド系にしても面白いですね。

    ⑤:汚れや傷を気にせず道具を出し入れできる後部座席の背面までカバーできるラバーシート
    ラゲージスペースが汚れないようにするためには、汚れても簡単に拭き取れる素材に張り替える方法がまず浮かびます。素材としては樹脂が候補でしょうか。ただ樹脂は、物を置くと傷がつくんですよね。そこが難点です。僕のクルマは板張りにしているので、拭けば汚れは取れるし、傷がついても気になりません。

    後部座席を前に倒してそこにも荷物を置くことがあるので、シートの裏もラゲージスペースと同じ素材にしたいです。それを考えると、張り替えるよりも、後部座席の背面まで保護できるラバー素材のシートを敷くと良いかもしれません。友人にも、シートを敷いてその上に荷物を乗せている人がいます。

    ➅:照らしたい場所を照らしたい時に-着脱式LEDライト
    室内のライトはもう少しアウトドアを意識してもいいかなと思います。これはどのクルマにも言えることですが、細かいところを探したいのに、ライトが固定されているのでそこまで光が届かない。ラゲージスペースの横にライトが付いていても、荷物を積んでいると光が遮られてしまうことも多いですし。だから自分のクルマにはポータブルの小さいLEDライトを積んでいます。でもキャンプ場は暗いので、ライトがどこにあるかわからなくなることがあるんですよね。

    理想を言えば、ルームランプを脱着式にしてほしい(笑)それは難しそうなので…、車内の所々にフックを付けて、そこにライトをかけられると便利だなと思います。照らしたい場所にライトを移動できるように。備え付けの室内灯が着脱できると一番いいですね。ルームライトを外して、車内のあちこちにかけられるようにすればとても使い勝手がいいはずです。

    ⑦:室内を自由にカスタマイズできるポール設置
    ドア上のアシストグリップ辺りに、自由に使えるポールがあるといいですね。そこに物をかけたり、ネットを這わせて天井収納にしたり、用途はいろいろ考えられます。ライトもかけられますしね。

  • あえて“余白”をつくることで、ユーザーに使い方を考えてもらう

    モノ作りに強いこだわりを持つ重弘さんが、自分のカスマイズ案を説明しながら強調していたのが、「使い方を使う人に考えてもらう“余白”がもっとあっていい」ということだった。

    「RAV4にはラゲージスペースにネットを張れるように金具が付いていると思いますが、ああいうものがもう少しあるといいですね。なんのフックかわからないけど、車内にフックが付いていれば、どう使うか自分で考えると思うので。そういうほうがカスタマイズする楽しみがありますし」

    クルマにあえて“余白”を作ることで、ユーザーは創意工夫する。「それは自分がモノを作るうえでも意識しているところです」と重弘さんは言う。

    不完全なものであれば、自分なりのアレンジを加えようとする。遊び心に溢れたアイデアはそうしたところから生まれるのだろう。重弘さんの提言は、カスタマイズの原点とでもいうべきものかもしれない。

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豊田自動織機 製品開発部

溝邉 伸明、
中村 直之

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