RAV4 HEADZ HEADZ INTERVIEW

Atlantic Coffee Stand

吉川共久

Atlantic Coffee Stand

吉川共久

プロサーファー。14歳のときにサーフィンをはじめ、19歳のとき良い波を求めて千葉県に移住。釣ヶ崎海岸(志田下)をホームとしとして活躍。さまざまなコンテストに出場し、主な戦績は1998年のNSA第7回東日本サーフィン選手権大会(メン・シニア)1位など。2015年4月、Atlantic Coffee Standを開業。毎朝、日の出とともに店舗をオープンし、現地買い付けのパプアニューギニア産の豆を使った良質なコーヒーを提供している。現在46歳、愛知県出身。

vol.2

クルマの可能性を広げる、
サーファー目線のカスタム

  • これまで感じたことのない
    安定感と安心感

    14歳で波の魅力に取りつかれ、19歳のときに愛知県から良い波を求めて千葉県に移住したプロサーファーの吉川共久さん。2015年には、拠点である一宮町にサーファーたちが気軽に集える場として、「Atlantic Coffee Stand(アトランティックコーヒースタンド)」をオープンしている。

    すでに競技生活は引退したが、「まだまだサーフィンが上手くなりたい」と、早朝からコーヒースタンドの店頭に立つかたわら、46歳になった今も真摯に波と向き合う吉川さんが、RAV4アドベンチャーに試乗したのは4月中旬のことだった。

    海だけでなく、街(スケボー)でも山(スノーサーフィン)でも“横ノリ”の楽しさを追求する吉川さんが、最初に向かった目的地は群馬県の丸沼高原。片道約4時間の長距離ドライブで春の山を訪れ、趣味のスノーサーフィンを満喫したという。そして数日後には、一宮町から1時間ほどのサーフポイントまでクルマを走らせ、波乗りを楽しんでいる。

    「RAV4ってコンパクトなイメージがあったんですが、実際に乗ってみてまず感じたのが、出だしのトルクの大きさ。排気量は2000ccなんですけど、もっと大きなエンジンを載せているんじゃないかと思うくらいの安定感でした」

    その安定感を最も感じたのが、スノーサーフィンに向かう山道だ。

    くねくねした道でも水平を保ってグイグイ走ってくれる。路面の凹凸を上手く吸収して、揺れを感じさせないんです。車高が高くて視界が広い分、挙動が不安定になるんじゃないかとも思いましたが、まったくそんなことはありませんでした。体にフィットするシートも含め、今まで乗ってきたクルマにはなかった安定感と安心感を得られましたね」

    その乗り心地に「良い意味でギャップを感じた」という吉川さんは、RAV4の四駆性能にも満足げだ。九十九里のビーチでは、浜から舞い上がった砂に覆われた未舗装の私有地で“砂遊び”にトライ。想像以上のパワーを体感したという。

    「スタックした状態で二駆から四駆に切り替えると、空回りせず難なく抜け出してくれるし、四駆のまま砂の中に入っても、スタックしそうだなって思った瞬間に鋭く反応して力強く進む。そのレスポンスの良さとパワーに、正直びっくりしました」

  • イメージをひと言で表現すれば「万能」

    一方で、サーフィンやスノーサーフィンを楽しむ吉川さんにとって、クルマ選びの重要なポイントとなるのが積載量。友人と2人で出掛けた今回、サーフィンの場合は予備も含めてボードが3本にウエットスーツや小物類、山に行く時はブーツなども必要で、さらに荷物が多くなる。ラゲージスペースについては、どんな印象を持ったのだろう。

    「家族4人で出掛けても余裕だなって思える収納力。天井が高いから、ボードの出し入れなど、荷物の積み込み作業がとてもスムーズでした。運転席と助手席の間が広いので、長めのボードもそこに差し込めましたね」

    ちなみに、何よりも道具を大切にする吉川さんは、ルーフラックは使用せず、必ず車内にボードを積んで運ぶそうだ。

    そんな吉川さんに、ひとつ難しい質問をぶつけてみた。

    「RAV4のイメージを、ひと言で表現してみてください」

    少しだけ考えて、返ってきた答えは──。

    「万能、ですね。街乗りをしていても、アクセルを優しく踏めばスムーズに走り出してくれるし、低速の重厚感を感じられて、それがすごく心地良かった。思った以上に小回りが利いて、取り回しがしやすいので、大きなクルマの運転が苦手な奥さんも、『これなら少し練習すればすぐに乗りこなせそう』と言ってましたね。スポーティーでありながらファミリーカーの要素もあって、男性も女性も運転がしやすくて、海も山も街中も、どこへ行くにも安心して家族を運んでくれる。あらゆる点において万能なんです」

    そう言ってRAV4を絶賛する吉川さんだが、より快適な空間にするならと、いくつかカスタム案も提示してくれた。そこには、いかにもプロサーファーならではというべき独自のアイデアが、ぎっしりと詰まっていた。

  • 多くのサーファーの声を代弁する
    カスタム案

    ①:ウエットスーツが干せる紐付きのフック
    僕たちサーファーにとっては、濡れたウエットスーツやタオルを干すためのハンガーをかけられるフックがあると、すごく便利。RAV4のバッグドアグリップもハンガーになりますが、さらにバックドアの天井部分に3箇所と、後部座席のガラス面に近いところに2箇所くらいフックがあったら理想的ですね。そのうち1箇所を紐付きのフックにすれば、そこにタオルとかをかけて目隠しにもなる。イメージするのは海外のホテルのバスルームにあるロープで、普段はフラットに収納されているんですが、例えばプッシュ式にして、使う時だけ飛び出すような構造にできればいいですね。

    ②:簡単に砂や水を掃き出せる四つ折りのラゲージトレイ
    ラゲージトレイが四つ折りになるようにして外側に出せると、塩水や砂を簡単に掃き出せるのでいいですね。また、車中泊をするサーファーは多いので、折りたたんで格納すれば、ベッド代わりにもなります。トレイの素材は、防水防錆加工で簡単に汚れを拭き取れて、なおかつクッション性があるとベスト。それなら寝心地も良さそうだし、ボードも傷つきませんからね。

    ③:夏は蚊帳、冬は防寒に最適なリアゲートテント
    バックドアに三面を囲えるシートを内蔵して、更衣室代わりのテントを設置できるようにしたい。先ほど言った四つ折りのラゲージトレイをアタッチメントで地面まで下りるようにすれば、下からの風も防げるので、冬場の着替えが楽になりますね。夏のサーフィンは虫との戦いでもあるので(笑)、そうして密閉度を高めれば蚊帳としても重宝しそうです。

    ④:ボードを守り、収納ラックにもなるアタッチメントカバー
    後部座席を畳んで、ラゲージスペースを広げた時にどうしても目に付くのが、シートを固定している金具のフック。あれがあると、ボードに当たって傷ついてしまう危険があるんです。なので、金具がむき出しにならないように、タイヤハウスと一体化するようなアタッチメントカバーを取り付けたいですね。サーフィン用のワックスやフィン、女性なら日焼け止めやちょっとしたコスメも収納できますから、見た目もスマートだと思いますよ。

    ⑤:サーファーの悩みを解決する運転席周りの素材
    ウエットスーツのまま運転する機会が多いので、サーファーのクルマはフロアマットの下や座席下のレール部分、スカッフプレートなんかがよく錆びるんです。だからシートは水気を吸い取ってくれる素材にして、水が溜まりがちな部分にも防錆加工が施されていると本当に助かりますね。あるいは塩水や砂、泥を簡単に洗い流せるような仕様にしたり。これはサーファーに限らず、釣りやスノーボードなどアウトドアを楽しむ人には共通の悩みだと思いますよ。

    ⑥:潮まみれでも気にせず運転できるスイッチカバー
    塩水や砂が付いた手で運転するので、電子機器類を保護するためにも、ハンドルを覆うようなシリコンカバーがあると嬉しいですね。冬山ではグローブをしたまま運転、ということも珍しくありません。例えばパソコンのキーボードの上に乗せるカバーのようなものがあれば、安心してスイッチ類も触れます。窓を開け閉めするスイッチの部分にも欲しいですね。

    ⑦:ボディは落ち着いたクリーム色
    ボディのカラーは、パールとベージュの中間くらいのクリーム色がいいですね。シンプルで、パールよりもキラキラしていない、ちょっと落ち着いた感じの色味。白や黒だと汚れが目立ちますが、クリーム系の色合いなら気にならないでしょう。

    ⑧:内装もクリーム色をアクセントに
    既存パーツのシックな黒は残しながら、シフトレバーやその奥のオープントレイ、スタートボタンなんかは、アクセントとしてクリームに統一したい。

    ⑨:フロントマスクはメッシュで引き締める
    マスクはかっこいいんですけど、できれば横に入ったバーをなくして、細かいメッシュだけにした方が、より表情が引き締まる。ただ、エンブレムに関しては、中央に浮き上がって見えるアドベンチャーのバランスが好きですね。

  • 今回の体験を通して“クルマ観”に変化が

    「クルマはシンプルが一番」という吉川さん。しかし、サーファー目線での、ディテールにこだわったカスタマイズプランが、次から次へと湧き上がってくる。防水・防錆への要望や、更衣室にもなるリアゲートテントの設置案などは、まさにサーファー代表の意見だろう。

    「僕のこの空想が、もし本当に現実になったら、めちゃくちゃ嬉しいな(笑)」

    そう言って笑う吉川さん。RAV4試乗前のインタビューでは、「クルマとは自分と道具を簡単に遠くまで運んでくれるもの」と話していたが、今回の体験を通して、クルマそのものに対するイメージに、何らかの変化はあったのだろうか。


    「RAV4に乗って、こうしてカスタムを考えていくうちに、ただ人とモノを運ぶだけじゃない、もう一歩先のクルマの可能性を感じました。もし僕のアイデアが実現したら、居住空間とまでは言いませんが、行ったその先々で、クルマが大切な時間を過ごせる憩いの場というか、ゆったりと羽を休められる空間になるような気がしています」

    RAV4と過ごした短い時間で、吉川さんの“クルマ観”に変化の兆しが芽生えたようだ。