好きにまみれた
カスタムRAV4
開発チームに迫る
『GORI GORI BLACK塗装』や『オフパケ+』など
他の車種にはない好きにまみれまくった
カスタム仕様を世に送り出す開発陣に、
開発秘話やRAV4愛を語っていただきました。
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必然のRAV4愛
知れば知るほど好きになっていった豊田自動織機とRAV4の関わりは、2代目が誕生した2000年(平成12年)まで遡る。
以来、企画・デザイン・設計などの開発・生産両面で歴代のRAV4に関わってきた。
現行の5代目モデルで車両の開発・生産に加え、カスタマイズの世界観を提案。「うちの会社にとってRAV4は本当に大事なクルマ。ですから我々製品企画部としては、その魅力をお客様に伝え、ファンを広げていきたい・・そんな想いが強くありました。」
想いは強いものの、魅力をどう伝えればいいかわからなかった。
「ゼロからのスタートでしたからね。RAV4をよりアピールするためには何をすればいいのか?様々なオフ会に参加し、まずは勉強からはじめました。」
そうした中で、ファンに愛されるRAV4のことを知ることで、魅力の伝え方が見えてきたと言う。
「RAV4は本当に多種多様な方が乗っているクルマだなと。しかも皆さん、色々なカスタムをされているんですよね。
一方で、カスタムはしてみたい。でも、何から始めればいいのか、どこで買えばいいのかが分からない。そんな声もたくさんありました。」
試行錯誤を繰り返す日々の中でチームのメンバーたちは、カスタムベースとしてのRAV4のポテンシャルは間違いなく感じ取っていた。 -
RAV4は可能性の原石
カスタマイズの夢をカタチにしていくRAV4の可能性を目の当たりにした彼らが、カスタマイズ車両の開発にのめり込んでいったのは、必然の流れだった。
その熱き開発魂は、チームの夢や想いをカタチに変え、さまざまなコンセプトモデルを生み出していく。「我々の提案がどれだけ世間に受け入れられるのか?それを検証する場を求めて、東京オートサロンに出展しました。
現場で、来場されたお客様と直接コミュニケーションをとり、アンケートでニーズを分析し、それを次の企画・開発
につなげる。その繰り返しでしたね。」
出展車両のはじまりは、2020年のADVENTURE GEARである。このコンセプトモデルの『TOYOTAグリル』は大きな反響を呼び、「ぜひ欲しい」と会社に問い合わせの電話が何度もかかってくるほどであった。
見た目のインパクトやカッコよさを追求する一方で、RAV4が持つポテンシャルを最大限発揮させる挑戦も続けている。
2021年はRAV4のスペックや運動性能を活かし、山岳救助に特化したモデル、5D-Adventureを製作。
しかし、この力作がそのまま世の中に出ることはなかった。
「RAV4をどれだけワクワクしたものに仕立てられるのか・・そうした可能性を提案するコンセプトモデルとして割り切って製作したクルマなので、お客様に対しては、製品化する予定はありませんとお答えするだけでしたね(苦笑)」
RAV4への夢や理想を追い続けていたチームのメンバーたち。
それを夢だけで終わらすつもりはもちろん無く、お客様に届けられるクルマを作りたい。「やはり夢だけ追いかけても駄目なんです。」
コンセプトモデルを実現するために、なにから始めるべきか?を考えなければ・・・そんな意識が彼らの中で、そして社内にも強まりはじめたという。
その一つが“GORI GORI BLACK”だった。
「ADVENTURE GEARのアイテムとして評判がとても良かったこの塗料を、我々自動車メーカーから作ろうじゃないかと。
それが始まりです。」
部品のテクスチャーや色までをボディメーカーが企画・開発をして提案することは稀なケースだという。
「あの塗料だけはどうしても自分たちで作りたかった、というのがありまして、関係者に理解してもらえるよう、我々の思いを真摯に伝え続けました。ミッションですよね、もうそれは。光沢のある既製品では、どうしても目指す世界観を実現できなかったので。」
かくして、艶を抑えた独自の“GORI GORI BLACK”塗装技術を開発。
この“GORI GORI BLACK”の評判を高めたのが、2022年発売されたRAV4アドベンチャー“オフロードパッケージⅡ”だった。 -
「制約」は創造のエネルギー
お客様の“欲しい”に寄り添えばいい“GORI GORI BLACK”を活用し、さらにRAV4ユーザーに人気の市販のカスタマイズアイテムを加え作り上げたのが、
2023年のコンセプトモデル「RAV4 PHEVオフロードパッケージ」だ。
オフパケ+のルーツと言ってもいい。お客様に届けたいという想いで作ったが、車両として実現するには容易なことではない。
「でも、ルールや制約があるからこそ、開発者として逆に燃えるところもあるんですよ(笑)」
彼らが目指しているのは、お客様が本当に欲しいと思うクルマを具現化し、RAV4ファンを増やすことだ。
どんな逆風の中に合っても、その信念が揺らぐことはありえない。
「我々がつくりあげたアイテムの中で、いま実現できているものは何だろうかと・・」 -
今できるオフパケの極限
メーカーだからこそ辿り着ける現在地がある2024年3月、RAV4アドベンチャー「オフロードパッケージⅡ」をベースとした特別仕様車が誕生した。
限定50台の「オフパケ+」である。RAV4 Adventure「オフパケ+」には人気のカスタマイズパーツが取り付けられ、よりアウトドアで迫力ある見た目に仕上がっている。
「まずカスタムの入り口は、何と言ってもタイヤとホイールです。それらを変えるだけでクルマの雰囲気が変わりますし、
ピカピカにするとクルマが蘇りますからね。」
ホイールはセンターキャップにまでこだわり抜いたという。
「人気の市販タイヤ・ホイールセットの採用に挑戦しました。さらに、センターキャップをメーカーに依頼して赤色を追加してもらいました。なぜなら、ブレーキキャリパー、リアサス、フロントサス、マッドフラップを赤色に統一しているからです」
さらに、特別装備のGORI GORI BLACK塗装範囲を大幅に拡大しワイルドさを強化。
また、オフパケ+の専用アイテムGORI GORI BLACK調フィルムについては、取材しなければ分からない貼り付け精度のこだわりだった。
「1枚もの大きなフィルムを、フード端末から一定幅とって貼ると言うのは、物凄くレベルの高い仕事だと思います。
それをやり遂げてくれた生産現場には感謝しかないですね。」 -
伸びしろだらけの限定50台
好きにまみれたカスタムで自分の世界を広げてほしいオフパケ+には他にも、自動車メーカーだからこその発想や着眼点が随所に見受けられる。 ファッション性と機能性の両立は、必要不可欠なテーマの一つだ。
「ファッション性の高いアイテムでも、きちんとストーリーやバックボーンのあるものを採用する。ただカッコイイだけで何も機能していないものは、お客様も選ばないと思うんですよ。だから、これは機能としてもちゃんとあるし、尚且つ見た目にもRAV4をより引き立ててくれる、というアイテムを我々も選んでいます。ファッションと機能はバラバラではなく、同時に考えるものだと思いますね。」
何をすればお客様にワクワクしてもらえるのか?その限界に挑んだ特別な50台。
チームのメンバーは、それでもまだ完成品ではないと言う。
この状態で終わりではなく、購入後もお客様が自分らしさをプラスしながら自分好みに完成させる。好きにまみれたカスタムを続けて欲しい。そんな想いがあります。」
もちろんカスタマイズだけでなく、カーライフそのものの楽しさも広がることだろう。
「これまでちょっと行けなかったところ、たとえば山道を走っていたら側道に未舗装の林道があって、このクルマであればその先に行ってみようという高揚感が生まれるかも知れない。これまでキャンプに興味の無かった人が、野営キャンプにトライしたくなるかも知れない。単なる移動手段でなく「クルマで現地を楽しむ」というか、
そんな相棒として付き合ってもらえると嬉しいですね。」 -
まだまだ夢の入り口
お客様やパートナーとともに登り続けたい「とにかくカスタムを楽しんでもらう人を増やしたいんですよね。若い人達にどうやったらその想いを届けられるのか、ということをいつも考えています。」
「お金をかけるだけがカスタムじゃないとも思っています。楽しみ方はいろいろあるはずなので、まずはやってみよう。
RAV4がその入り口になれれば嬉しいですね。」
「山に例えれば、本当に登山口の入口ですよ。でも、だからと言って、山のぼりをやめるわけにいかない。
もっともっとやっていかなければならないことがあるからです。」
そう語る彼らの“好きにまみれた”笑顔が印象的だった。
豊田自動織機・製品企画部の挑戦は、これからも続く。
RAV4 Adventure
オフパケ+
RAV4 Adventure オフパケ+(長野トヨタ限定50台)
■車両本体価格にボディカラーのアティチュードブラックマイカ<218>×アーバンカーキ<6X3>[2ZF]、アティチュードブラックマイカ<218>×グレイッシュブルー<8W2>[2VV]、フロントバンパーGORI GORI BLACK塗装(110,000円:消費税抜き100,000円)は含まれます。■ボディカラー及び内装色は撮影、印刷インクの関係で実際の色とは異なって見えることがあります。■特別仕様価格には架装オプション(ルーフラック、クロスバー、ロッキングブラケット)は含まれておりません。
■長野トヨタ自動車株式会社限定商品となり、50台限定です(3月6日現在)。台数には限りがございますので販売台数が達し次第、終了となります。■登録諸費用・リサイクル料金等は別途申し受けます。■車両本体価格はタイヤパンク応急修理キット、タイヤ交換用工具付の価格です。■車両本体価格にはオプション価格は含まれていません。■架装装備および架装オプションにつきましては、車両登録後の取付を前提としております。■ベース車に関する情報はカタログをご確認ください。■このホームページの掲載内容に関するお問い合わせは、長野トヨタ自動車株式会社またはお客様問い合わせ窓口へ。
■お問い合わせ窓口:株式会社豊田自動織機 メールアドレス:vehicle_custom@mm.toyota-shokki.co.jp
■内容は2024年3月6日現在のものです。
atelierBluebottle
辻岡慶・里奈
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neru design works
neru(重弘剛直)
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Atlantic Coffee Stand
吉川共久
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